眠りとお風呂の専門家 小林麻利子さん直伝！ 「夏冷え」を克服する入浴習慣
暑い夏はお風呂に入るのも億劫…しかし、毎日の入浴習慣が“冷え”と大きく関わっているのです！ 正しい入浴方法を眠りとお風呂の専門家 小林麻利子さんに伺いました。
「夏冷え」レスキュー お風呂編
冷えに大きく関わる入浴習慣！ 暑いけど快適に、かつ冷えを防ぐ入浴の正解はコレ！
Q．湯船につかっているのに冷える。体質だから仕方ない？
A．お風呂の入り方が間違っているだけ！
「冷え症は、お風呂の入り方に大きく影響されるものです。お風呂につかっているのに、冷え症という人はお風呂の入り方が間違っている可能性大！ 湯温、つかる時間、その後の過ごし方など正しく入浴できれば冷えは改善できます！」（小林さん）
Q．冷え解消のためには全身浴？ 半身浴？
A．全身浴。温熱面で効率的だから
「心臓に疾患などがなければ全身浴一択です。20分以上長湯をしても、表面血流量はそれ以上良くならないという研究もあり、また皮膚の天然皮質因子が流失しやすくなるので、短時間で全身をしっかり温めるのが正解です」（小林さん）
Q．お風呂上がりになんだか肌寒い…
A．温度が低いことが原因。給湯器の温度設定と実際の湯温が違う場合も
「お湯に浮くタイプの水温計をひとつ用意して、自分が実際につかっているお湯の温度を確認してみて。血管の拡張や収縮に関わる、血管周りの平滑筋の自律神経が乱れている場合も。正しい入浴を習慣づけ、汗がかけるようになると改善していきます」（小林さん）
Q．夏に湯船につかる場合、何℃に何分が正解？
A．40℃のお湯に15分。炭酸ガス系の入浴剤を使うなら10分でOK
「深部体温を上げるために、40℃のお湯に15分の全身浴が理想。長すぎてもあまり意味はなく、かえって肌の乾燥を招く場合も。炭酸ガス系の入浴剤は、効率良く血流を促すことができるので、暑い日や時間のない日の時短入浴におすすめ」（小林さん）
体を芯から温めながら、湯上がり肌のベタつきやほてりを鎮める。
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メントール入りの高濃度炭酸浴で、夏バテ感もすっきり。
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Q．毎日お風呂につからなきゃダメ？
A．毎日が理想ですが、水曜、週末など週２回はつかってみて
「週の半ばの水曜、週末のどちらか1日など週に2回だけでも湯船につかることを習慣づけると、冷えにくくなるのを感じられるはず。お風呂で上がった体温が急下降し、放熱がスムースになるため寝つきが良くなり眠りの質も格段にUPします」（小林さん）
Q．夏でも快適にお風呂につかるには？
A．ミント系の入浴剤を使うと快適
「ほんのりブルーのお湯になる入浴剤や、夏用の清涼感のあるミントやハッカ系の入浴剤がおすすめ。40℃のお湯につかっていても色と香りの効果で夏の入浴の暑さを緩和できます」（小林さん）
Q．暑がりな私におすすめの入浴法って？
A．お風呂に5分つかったら、脱衣所で化粧水をつけてまた5分入浴。それを繰り返すと自律神経の乱れによる冷え解消に
「40℃のお湯と少し冷えた脱衣所の出入りを何度か繰り返すことで、血管が収縮したり拡張したりと刺激することができます。血管の自律神経の乱れから来る冷えの解消ができるのはもちろん、分割して湯船につかるので暑がりという人にもおすすめ」（小林さん）
Q.夏でも、シャワーだけですませるのはやっぱりダメ？
A.熱が内側に籠もり眠りの質が低下。すると血流が悪くなり冷えを招くことに
「シャワーが体を冷やすわけではありませんが、体の深部体温まで上げることができなかったり、皮膚表面の血管がしっかり拡張しないので放熱できなかったりすると睡眠の質が下がり、血流が悪化。それが冷えにつながるおそれはあります」（小林さん）
Q．それでも、シャワーだけですませたい場合は？
A．洗髪中に足湯をして、足元をしっかり温めること
「時間がなくて全身の入浴が難しいという日でも、足の裏がすっぽり収まる湯桶やバケツを用意して、髪を洗いながらの足湯はぜひ習慣に。足元から熱が逃げにくくなるので、過度な冷えを防げます」（小林さん）
Q．お風呂上がりにかいた汗でも、体は冷える？
A．頭が冷えたまま放置すれば冷えます。扇風機で熱をうまく逃しつつまず頭を乾かして
「お風呂上がり、ドライヤーで髪を乾かすときに汗だくになるという方が多いと思いますが、頭をぬれたままにしておくのは冷えの原因に。エアコンの利いた室温26℃の部屋で、扇風機の風を首の後ろなどに適宜当てながら髪は素早く乾かしましょう」（小林さん）
Q．お風呂上がりにキンキンに冷やした部屋で過ごしてもOK ？
A．足先など末端が冷たくなる程冷やすのはNG
「入浴後は涼しい部屋で髪を乾かし、アロマをかいだり音楽を聞いたり照明を落としたりリラックスして過ごし、深部体温が下がる1時間後に就寝というのが理想。これでも末端が冷えるようなら室温や入浴法など見直してみて」（小林さん）
教えてくれたのは…
眠りとお風呂の専門家 小林麻利子さん
『美的』10月号掲載
イラスト／平松昭子、きくちりえ（Softdesign） 構成／村花杏子、つつみゆかり
※価格表記に関して：2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
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