ボディケア
2018.9.19

女医に訊く#29|外反母趾の症状と原因はなんですか?

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新しい靴を買うとき、どのようなことに気をつけていますか? ファッション性を重視しすぎて、自分の足に合わない靴を選んではいませんか? それが習慣になってしまうと、足に負担がかかり、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。今回は、女性に多くみられる外反母趾の症状と原因について、整形外科医の池澤裕子先生にうかがいました。

外反母趾の症状は?重症化すると痛みで歩行困難になることも!

外反母趾とは、足の親指がつけ根から人さし指の方へ「くの字」に曲がってしまう状態のこと。親指のつけ根の関節から足首側についている骨が、体の中心線から見て内側に傾き、その先端が突き出た結果、「バニオン」と呼ばれる腫れをつくり、靴を履いたときに痛みを生じます。

「外反母趾の症状はさまざま。強い変形によりバニオンが靴に当たって炎症を起こし、痛みが強くなる方もいれば、変形が強くなくてもバニオンだけが炎症を起こし、痛くなってしまう方もいます」と語るのは、整形外科医の池澤裕子先生。

外反母趾が進行すると、親指は爪が内側を向くように捻じれ、軸もズレてしまうため、親指で地面を支える力が弱くなります。すると、足裏の人さし指や中指のつけ根に付近に圧力が集中してタコができ、裸足でも痛みが出現するように。また、変形した親指がとなりの指を押したり重なったりすることで、ほかの指が背面に脱臼したり、タコができて痛みを生じたりすることもあります。

外反母趾の原因は体質と靴、足のアーチの崩れにも注意

外反母趾の原因は、体質などの内因と靴などの外因のふたつに分けられます。実は、外反母趾は圧倒的に女性に多くみられます。その理由は、男性に比べて女性は筋力が弱く、関節がやわらかくて、靭帯も伸びやすいため。筋力は加齢により落ちますから、年齢が上がれば上がるほど、外反母趾になる確率は高まります。

「お母さんやお祖母さんが外反母趾の人も注意が必要です。外反母趾は遺伝することが多く、子どもや靴を履かない部族の方でも外反母趾になるのです。また、もともと関節がやわらかい方、扁平足、開張足、体重が重い方も、足のアーチが崩れやすく、外反母趾になりやすいといわれています」と池澤先生。

健康的な足には、親指のつけ根からかかとを結ぶ「内側縦アーチ(土踏まず)」、足の外側を結ぶ「外側縦アーチ」、そして親指のつけ根と小指のつけ根を結ぶ「横アーチ」という3つのアーチがあります。これらのアーチは歩いたり走ったりするときに体を支えるバネのような役割を果たしており、瞬発力やスムーズな体重移動をサポートしています。

「この内側縦アーチが低下して崩れてしまった状態を『扁平足』といい、横アーチが崩れて足幅が広がってしまった状態を『開張足』といいます。外反母趾にとっては、横アーチが重要。横アーチが崩れて足の甲が平たくなると、足幅が広がり、親指が腱や靭帯に引っ張られて人さし指のほうに傾きやすくなります」(池澤先生)

移動は歩きやすい靴&現場でハイヒールに履き替えて

外反母趾には靴による影響も少なくありません。とくに先端の尖ったハイヒールは、足先が前方にすべって狭い空間へ押し込めれてしまううえ、本来は均等に支えるべき体重が、足先や横アーチに集中してしまうためおすすめできません。

「仕事や冠婚葬祭など、どうしてもハイヒールを履きたいというときは、移動中は足にやさしい靴を履いて、現場で履き替えるようにしましょう」(池澤先生)

親指の曲がった角度が16度以上なら外反母趾の可能性も!?

外反母趾の診断と重症度は、親指の曲がった角度「外反母趾角」で決まります。外反母趾角とは親指根元の第1中足骨と親指の基節骨の中心がつくる角度で、本来はX線写真を撮影し計測するもの。外反母趾角が20度以上なら外反母趾で、20〜30度までは軽度、30~40度は中等度、40度以上になると重度と診断されます。

自分でチェックするときは、紙の上にしゃがんで体重をかけながら足の輪郭をなぞり、描いた輪郭の親指の第一関節とバニオンの2点を直線で結びます。次に、描いた輪郭のバニオンとくるぶしの下辺りの2点を直線で結び、2本の線の角度を測ります。%e3%81%a1%e3%81%84%e3%81%95%e3%81%84%e5%a4%96%e5%8f%8d%e6%af%8d%e8%b6%be

「自分で計測した場合は、16度以上なら外反母趾の可能性がありますが、痛みがなければ無理に受診する必要はありません。痛くて困る、予防や治療のアドバイスを受けたい、お母さんが外反母趾であるという方は、整形外科を受診してみましょう」

教えてくれたのは・・・

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整形外科専門医
池澤裕子先生
永寿総合病院 整形外科部長。日本整形外科学会専門医、日本足の外科学会評議員。東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室入局。至誠会第二病院足と靴の医療センター、慶應義塾大学整形外科助手を経て、2017年から現職。専門は足の外科。
■永寿総合病院 http://www.eijuhp.com/

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

 

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