現代人に急増中「腸内腐敗」を回避!医師オススメのパインデトックス
食の欧米化、低糖質ブーム、暴飲暴食などにより、現代人はタンパク質過剰摂取になりがち。そうなると、体にさまざまな悪影響が及ぶそう……。
今回は、タンパク質過剰摂取による起こり得る弊害や、その防止策として医師がすすめる“パインデトックス”についてご紹介します。タンパク質の消化を促すパイナップルレシピもご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
この3年で20代男女はタンパク質過剰摂取状態に
日本人の成人が1日に食べる野菜類と果実類、魚介類の量はすべての年齢層において10数年前に比べて減っています。一方で肉類は増えており、“国民総肉食化”が進行しているといえます。
さらにこの数年では、糖質制限ダイエットや筋肉トレーニングなどの流行により、タンパク質摂取を大きく促す動きになっています。「平成28年国民健康・栄養調査」では、20代のたんぱく質平均摂取量は男性が74.5g、女性が60.5gで、これは厚労省が定めている日本人の食事摂取基準(男性:60g、女性:50g)より上回りました。
タンパク質過剰摂取の弊害は…腸内腐敗!?
過剰なタンパク質は腸で吸収されずに留まってしまいます。すると、不消化タンパク質となって残り、大腸内で“窒素残留物”をつくります。窒素残留物は人体に大変有害で悪影響を与える物質です。その結果、便秘、肌荒れをはじめ、最悪の場合は大腸がんや動脈硬化といった重大な病気を引き起こすリスクにもなります。
特に動物性タンパク質は腸内に残りやすく、一旦消化不良が起こると、体内の酵素が大量に消化作業にまわされます。きちんと消化が行われないと、どんなに栄養価の高いものを食べても、その栄養素が利用されることはありません。それには、消化酵素の働きが欠かせないのです。
過剰なタンパク質を分解する「フルーツ酵素」の力
酵素は炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、水、ファイトケミカルに次いで“第9の栄養素”といわれており、人が生きていくために欠かせない栄養素です。酵素には、人の体にある“潜在酵素”と、外部から取り入れる“食物酵素”があり、潜在酵素の働きは大きく“消化”と“代謝”の2つに分けられ、それぞれ“消化酵素”“代謝酵素”と呼ばれています。
潜在酵素は、体内で一定量しかつくられないのですが、タンパク質を摂りすぎると、消化酵素を大量に使うことになり、代謝酵素も減少してしまいます。消化酵素を節約するためには、消化がよく酵素をたっぷり含む生のものを意識的に取り入れることが必要です。
そこでオススメなのが、フルーツ。酵素が豊富で、消化にはほとんどエネルギーを使わないので、潜在酵素の消耗を防ぐことができるうえ、ビタミンCやファイトケミカルなどの抗酸化食物も豊富です。また、何より果物の70〜90%はきわめて良質の水。食物繊維も豊富で、少量ながら良質の脂肪酸やアミノ酸も含まれています。
糖分に関しても、砂糖のように、肥満、虫歯、歯槽膿漏、糖尿病などの原因になることや免疫機能を傷つけることはありません。生の野菜やフルーツで外から食物酵素をたっぷりと補給すると、食物酵素が消化を促進するので、自然と代謝酵素が増え、代謝が上がるというわけです。
酵素栄養学の第一人者がすすめる「パインデトックス」
酵素栄養学の第一人者・鶴見クリニック理事長の鶴見隆史先生が、フルーツの中でも特にすすめるのが“パイナップル”。
生のパイナップルを食べると舌がピリピリと痛くなった経験がある人はいると思います。それは、パイナップル独自のたんぱく質分解酵素“ブロメライン”が舌の粘膜を刺激するためといわれています。この酵素には、肉などのたんぱく質を柔らかくする作用があり、他にも胃腸の負担を軽減し、消化吸収を高める働きをすることもわかっています。
また、ブロメラインには怪我や捻挫、関節炎といった炎症の腫れや痛みを和らげたり、 腸内の老廃物を分解する作用によって下痢や消化不良、ガス発生など消化器系の症状を抑えたりする効果もあります。これらの効能が認められ、医薬品やサプリメントとしても活用されています。
ブロメラインは 60°C以上に加熱すると酵素が変性してしまい、たんぱく質分解酵素の働きは失われてしまうので、生食での摂取がオススメです。
医学博士も認めるパイナップルの魅力
医学博士の長野美根先生によると、パイナップルはブロメラインの他にも、多くの栄養素が含まれている魅力的なフルーツとのこと。
例えば、ビタミン B1はエネルギー源である糖質などを分解して、エネルギーを発生させるために欠かせないビタミン。アルコール分解にも使われるので、お酒を飲みすぎるとビタミンB1が多量に使われ、二日酔いの原因になってしまいます。ビタミンB1の補給が必要となりますが、ビタミンB1は水溶性なので、洗ったり茹でたりすると水と一緒に溶け出てしまいます。しかしパイナップルならそのまま食べられるので、調理で失われることもありません。
また、パイナップルに含まれるクエン酸やリンゴ酸は、酢や柑橘類にも豊富な成分で、パイナップルのさわやかな酸味のもとになっています。この酸味が食欲を刺激して、だ液や胃液などの消化液の分泌を促し、食欲を促進してくれます。
料理研究家監修!パインデトックス実践レシピ3選
前述したとおり、パイナップルに含まれるブロメラインは熱に弱いため、生のまま取り入れることがオススメです。
そこでここでは、料理研究家・関口絢子先生考案の朝昼晩と生活に合わせて手軽に取り入れられる“パインデトックス実践レシピ”を3品紹介します。
【朝食にオススメ】パインボウル
パイナップルの酵素、バナナのビタミンB6(タンパク質代謝ビタミン)、シリアル(食物繊維、ビタミン)を組み合わせたヘルシーなモーニングメニューです。
材料:1人分
パイナップル 1/3 カット、バナナ 1 本、プレーンヨーグルト 1/2 カップ、 シリアル適量、ミント 3 枚
作り方:
(1)器にバナナを入れフォークの背で潰す。パイナップルは半量を細かく刻み、残りはスライスする
(2)1のバナナにヨーグルト、刻んだパイナップルを入れて混ぜる
(3)スライスしたパイナップルとシリアル、ミントをトッピングする。
【ランチタイムにオススメ】パインデトックスウォーター
パイナップル同様に消化酵素を助ける生姜、アンチエイジングやリラックス効果のあるバジルで爽やかな仕上がりに。ランチとともに取り入れるのがオススメ。
生姜は、外出先のコンビニやスーパーなどでも購入できるジンジャーパウダーやジンジャーシロップに代用可能なので、タンブラーさえあればオフィスなど外出先でも手軽につくることができます。
材料:1人分
パイナップル 1/4 カット、生姜1かけ、バジル 2〜3 枚、ミネラルウォーター300ml
作り方: 大きめのガラスピッチャー(メイソンジャー、タンブラーなど)に、適当な大きさに切った材料と水を入れる。
【夕食におすすめ】パイナップルのグリーンソースがけ
パイナップルの酵素に加え、タンパク質を代謝するビタミンB6が豊富なクルミ、消化酵素を助けるパセリ、ニンニク等で仕上げたグリーンソースを合わせたオードブルレシピ。肉料理やディナーの添え物や前菜としてオススメです。
材料:1人前
パイナップル 1/6
カット ソース・・・パセリ1枝(5g)、クルミ3粒、オリーブオイル大さじ1、 ニンニク 1/4 かけ、塩少々
作り方:
(1)パセリの茎を除いた葉の部分、クルミ、ニンニクをまな板の上で細かく刻みながら全体を合わせ、包丁でたたく
(2)オリーブオイル、塩を加えて混ぜる
(3)カットしたパイナップルの上にソースを乗せる
パインデトックスができるカフェも!
明治神宮前駅近くのカフェ・レストラン『ZIPZAP(ジップザップ)』では、パインデトックスが実践できる『パインデトックス サンドイッチプレート』(1,389円<税抜き>)を11月30日(木)までの期間限定で販売中。大胆にパイナップルを挟んだサンドイッチをメインにしたプレートで、パイナップルの酸味は豚肉ととても相性がよく、間にはさまれたピリ辛ソースがさらにマッチします。パイナップルとヨーグルトを和えたデザート付き。
また、期間中は手軽にパインデトックスを楽しめるよう、カフェに来店される全てのお客様にカットパインの無料サービスも実施中!
タンパク質の過剰摂取を防ぎ、体内の栄養バランスを整えるためにも、日頃の食生活にパイナップルを取り入れてみてはいかがでしょうか? (※ 価格は編集部調べです)
初出:美レンジャー ライター:美レンジャー編集部
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。