ボディケア
2024.10.3

石田ゆり子に憧れる人の深層心理|美容家・深澤亜季のルンルン ビューティ【vol.25】

お金をかけるほどキレイになれる…?
美容とお金、切っても切れぬ関係を深掘り

デパコスVS.プチプラコスメ 美容家が行き着いた回答は?

亜季:こんにちは、美容家の深澤亜季です。今回は美容にかけるお金について考えてみましょう。

エディターM(以下M):ぶっちゃけた話、デパコスとプチプラコスメとではキレイの結果に差が出るのか? 

亜季:気になりますよね。コスメの価格については、牛肉を買うときと同じ感覚で考えるとわかりやすいのでは。
同じ部位で1000円の牛肉と、5000円の牛肉とでは、食べたときに柔らかさや風味などかなりの違いを感じますよね。でも、栄養価が値段によって変わるわけではない。

エディターM(以下M):たんぱく質補給してキレイになる、という目的のためなら安いものでも充分。でも高級品にはそれ以上の価値があるということですね。

亜季そうですね。コスメで言うなら、希少性の高い成分や香り、感触などほかにない価値があります。でも、毎日高級品ばかりとり続けることが良いのか…。
さきほど栄養価“ のお話をしましたが、それは調理方法によっては変わったりします。つまり、使い方でコスメの効きは変わります。そして、コスメは毎日使いづけることが大切。

そういったことを踏まえると、キレイになるお金のかけ方のコツは、まず無理なく自分が続けられる価格であるということが大前提。さらには、好きな感触と肌実感があって、惜しみなく使えるものを。
ただ、ときどきは背伸びしてデパコスを試す好奇心(=ルンルン♪習慣)がある人は、年齢を重ねるほどお肌がキレイになるのも周囲を見ていて実感しています。

エディターM(以下M):憧れのアレ、使ってみたいよね♪ という好奇心が旺盛な人ほど、キレイになれると。

亜季:はい。何を使うかというモノも大事だけど、どんなモチベーションで美容をしていくかというマインドが大事。デパコスのように、売り場の雰囲気からして素敵なコスメは、その部分を上げてくれますよね。
そして賛否両論あるものの、SNSに投稿するのはキレイになれる近道だと私は考えます。というのも、投稿する際「この仕上がりは素敵!」「これだけはリピートする価値がある」とジャッジすることは、自分やコスメと向き合うことになり、キレイになる=自分を知る 抜群のレッスンになります。
コスメはサンプルが用意されていることが多いので、気になるものはどんどん試すと、運命のコスメに出会える率も高まります。出会いの数が多いほど、運命の人に出会えるのと似てますね♩ルン

M:亜季さんも、仕事柄さまざまなラグジュアリーコスメを試していますよね?

亜季:大好きなブランドはいくつかありますが……やっぱり、資生堂の最高峰である「クレ・ド・ポー ボーテ」は、スキンケアもUVケアもメイクアップも最高! と拍手したくなるものが多いですね。使った感触はもちろんですが、包装、ボトル、コンセプトetc.すべてが素敵。
とはいえ、ラグジュアリーなものばかりが好きなのではなく、肌効果をストレートに追求するようなドクターズコスメも大好き。ビタミンAで有名な「エンビロン」とか、ピュアビタミンCの「トランスダーマC」とか。
マスカラとかアイライナーとかのカラーコスメはプチプラで充分、というかむしろプチプラの方が名品ぞろい。一方で、肌の質感を左右するファンデーションは、上質に仕上がるデパコスの方が好み。

M:そうやって判断できるのも、いろいろ試してきた経験の賜物ですね。

ファンデは、進化が著しいので毎年新しいものを。今期感動の2品は、スキンケア仕立ての明るさと透明感が1日続くお肌に仕立ててくれる「ランコム アプソリュ タン クッションコンパクト」と「N A R S ライトリフレクティング ファンデーション」。こちらは驚くほど軽い感触で、極上のナチュラル美肌が演出できる新色に感激。

美容は長距離マラソン。息切れしない“長期投資”を考えましょう

M:美容医療に関してはどうでしょう。やっぱりお金をかけた分、リターンも大きい?

亜季:いちばん考えないといけないことは、美容はずっと継続していくもの。生きている限りずっと走り続ける、超長距離マラソンです。だから比較的高額な美容医療に関しては、息切れしないように取り入れたいですね。30代の頃よりも、50代、60代になってからの方が確実にやることが増えますから。あまり若いうちから頑張りすぎなくてもいい、というのが私の考え。

M:「○○千万円かけて理想の顔になりました!」といった人がニュースになったりしますよね。

亜季:お金に余裕のある人が、自分に投資してキレイになるのはいいと思うんです。でも、たとえば30歳で一千万円かけて理想の顔になれたとして、5年、10年経ったら確実に肌や顔は加齢変化していきます。そのときにまた課金し続けるの? と老婆心ながら考えさせられます。メンテナンスは一生続く、という観点で費用の分配を年齢に合わせて考えていくといいかなと。

M:具体的にはどんなふうに?

亜季:私自身は、35歳くらいまではあらゆるコスメを使って自分の肌との相性を研究、お手入れを楽しむことを重視していました。「乾燥肌だけど、軽いピーリングを取り入れるとお肌が変わるな」とか、「日焼けしてもビタミンCでリカバリーできる」とか。いろいろなコスメを使う中で自分に合うものがよくわかるようになり、余分な出費が劇的に減りました
40代に入ったら、エイジングを意識したコスメをプラス。攻めを追求したクリニック専売コスメを試してみたり、サプリメントなどのインナーケアを強化したり。あとは軽い運動や睡眠、生活スタイルなどに気をつけて、自分にとって肌調子良くスタイルが変わらない方法もよくわかるようになりました。
今後は、60歳前後になった頃に美容医療を始めようかなと思っています。

M:人生100年時代。60代からの美容医療でも遅くない。

亜季:私のお友達で60代の方が最近、顔の大幅メンテナンスをされたんです。シワやたるみがなくなって明らかに以前と比べてキレイになっているんだけれど、不自然な感じはない。美容医療っていいものだな、と素直に思いました。そういった明らかな効果を出すのは美容医療にしかできない技。将来必要になったら、ぜひ取り入れたいと思っています。

でも1度取り入れたら、継続が必須だと思うので、焦って取り入れる必要もないとも思っていて。というのも、私が20代の頃、“奇跡のクリーム”として一世を風靡した超高級エイジングケアコスメがあって、私も背伸びして試したのですが、正直よくわからなかったんです。20代だと元々の肌が元気だから、エイジングケアをしても結果がよくわからない…。40代の今使ってみると、そのアイテムが名品と称される理由がよくわかります(笑)。あまり早くいいものを取り入れても、その価値がいかされないからもったいないな、と思うんです。

M:美容医療は施術によってはリスクのあるものもありますから、そういう意味でもリターンがちゃんと狙える年齢になってから受けた方がいいですよね。

20代のときからクリームラバーなのですが、今秋ラグジュアリーコスメで感動したのが「SKII  LXP 金継ぎクリーム」。重さが全くないのにお肌が潤いに満たされてなめらかになり、乾燥とは無縁に。少量で十分な効果でモチの良さも魅力ですね。

エイジレスが可能な時代だからこそ、「自然体」のセンスが問われる

亜季:ひとつだけ明確に言えることは、「自然である」ということがこれからの美容のキーワードになるはず。
コスメにしても、美容医療にしても、キレイになる方法は今いっぱいあって、誰もがエイジレスな見た目を手に入れられる時代になっています。
でも、それゆえにやりすぎ感も出てしまいやすい。“キレイになること全部試してます! ”と気合いムンムンだとかなり暑苦しい(笑)。何もかも求めれば手に入る時代だからこそ、あえて「年を重ねていくことは自然なことだから…」と肩の力が抜けている方が素敵に見える気がします。

M:みんなの憧れ、石田ゆり子さんとかまさにそうですよね。きちんと美容に手をかけていらっしゃるだろうけれど、やりすぎていなくて自然で素敵。

亜季:本当にそう。あと、顔だけは美容医療でいろいろメンテナンスできるけれど、首から下はそうはいかない。顔と体とのギャップが大きいと不自然で不思議な印象になりがち。運動とか日々のスキンケアとか本人の努力が必要となってきます。石田ゆり子さんは、そういう意味でも素敵です。

M:彼女が長年ピラティスを続けていることは有名ですよね。

亜季:まさに「美容の長距離マラソン」を体現しているルンルン人だと思います。

美肌の長距離マラソン的に使い続けているドクターメディオンさんの炭酸パックジェル。こちらはその限定アイテム、オスマンサスバージョン。パワフルな代謝促進効果で、今年の夏のくすみが吹き飛びました!

ルンルン・ビューティ格言 vol. 25
新しい美容法をあれこれ試す好奇心を忘れずに。
でも、前のめりになりすぎないで。
顔も、体も、インナーケアも…美容は長距離マラソン。
息切れせずに走り続けルン♪

 

 

連載バックナンバー「ルンルン ビューティ」

美容家

深澤亜季さん

 

写真/岡本 俊(ポートレイト)、深澤亜季(静物) 構成/もりたじゅんこ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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