ボディケア
2023.3.26

正しい香水のつけ方は?自分らしい香りの見つけ方は?│プロに聞く香りを深めるための学びコラム

空前の盛り上がりを見せている、香水や周辺カルチャー。奥深いからこそ、学んで深めて、自分らしい言葉で表現できるようになれば、もっと素敵に纏うことができるはず。

香りを深めるための学びコラム

【1】意外と知らない香りの歴史

「香りの歴史は植物の歴史。紀元前3000 年には独自の薬効や香りをもつ植物が宗教的な目的などで使用されていたそう。その後16世紀頃には精油が日常のさまざまな場面で使われるように」(菅原さん)、「合成香料が発見された19世紀以降、香水産業は大きく発展を遂げました」(YUKIRINさん)

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【2】フレグランスの種類と香り立ちとは?

「日本語では『香水』とひとくくりですが、香料の割合(賦香率)によって大きく4つに分けられます」(YUKIRINさん)、「香りの持続力はもちろん、(トップやミドル等の)香り立ちは香料の特性や肌タイプ、湿度によっても違います。そんな変化を含めて香りを楽しんでみてください」(阿部さん)

【3】広がる香りのバリエーション

「シトラス、グリーン、フルーティ、フローラル、フロリエンタル、オリエンタル、ウッディ、シプレ、フゼアに、最近はスパイシーやグルマンも加わり、11種が主流に」(YUKIRINさん)、「ブランドによって表現はさまざまでメタリックやミネラルというカテゴリーも。香りも多様化していることを感じます」(阿部さん)

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【4】正しい香水のつけ方、楽しみ方

「塗布直後にゴシゴシこするのは熱で香料が壊れるのでNG 」(YUKIRINさん)、「自分のために香らせたいときは、手首に塗布したものを軽くデコルテにつけて」( 杏さん)、「体の中心線を避けた、汗をかきにくい場所が無難」(阿部さん)、「香りを楽しむのにいちばん大事なのは“慣れ”、まずは鼻から遠い下半身に纏い、香りがある状態に慣れてください」(中森さん)

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【5】自分らしい香りの見つけ方、つけこなし方

「自分がどうありたいかを明確にし、とにかく多くの香りに触れること!ミニサイズのキットなども賢く活用してみて」(阿部さん)、「好きな香りを見つけたその先、つけこなすためには、その女性像になり切ること。コスプレのように演じることで、言動や仕草、立ち居振る舞いが変わり、不思議とその香りに似合う自分に」(杏さん)、「“つけこなそう”という気負いを捨ててみるのもひとつ」(中森さん)

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【6】香りの表現力を高めるには?

「美しい文章に触れること。向田邦子さんのエッセイ、谷川俊太郎さんの詩集は、その入口としておすすめです」(杏さん)、「インプット以上に大切なのがアウトプット。コーヒーや天気など、毎日何かをひとつ言語化して書き出すトレーニングを!」(中森さん)、「好きな香りに対して『季節・時間・色・テクスチャー・音』といった5つのキーワードを考える練習をすると自然とボキャブラリーが増えていきます」(YUKIRINさん)

【7】香りが体や心に与える影響は?

「精油が太古の昔は薬だったように、香りは心や体に作用します。細かい精油の分子は、鼻の粘膜から大脳皮質を通り、交感神経に働きかけ、血流によって全身に巡ります。香りをファッションとして楽しむのではなく、自律神経の乱れや不眠、生理痛などといった未病のケア、ストレス軽減やバイタリティー向上のためのひとつの手段として活用する。そんな香りの原点に戻るような使い方も実践してみて」(菅原さん)

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【8】ボトルをキレイに撮影するコツ

「コツは“光”を味方につけること。昼間なら自然光、夜ならナイトランプやキャンドルなどの光を必ずどこかに取り入れると、ボトルの影やジュース(中身)の色がキレイに見えます」(YUKIRINさん)、「難しいガラスをキレイに撮るには、自然光に勝るものなし!」(杏さん)、「正面からまっすぐ撮る、ラベルの色とリンクする小物と一緒に撮影するとこなれた写真に」(阿部さん)

 

\お話を伺った香りのプロ5人/
フレグランススタイリスト 阿部奈恵さん
1,000 種類以上の香りを脳内にストックし、フレグランスサイト「Celes」では、年間7,000 人の香りのスタイリングをこなすスペシャリスト。
www.celes-perfume.com

『NeRoLi Herb 』オーナー/植物療法士 菅原あゆみさん
英国式植物療法に加え、漢方やアーユルヴェーダにも精通。豊富な知識を基に植物の視点から香りを語る。独自のハーブブレンドには、著名人のファンも多数。
@neroli_herb

香りスタイリスト 杏 佳縞さん
『ダウンパフューム』ディレクター。その人がもつ肌の香り“スキンタイプ”を基に行う、香りのパーソナルコンサルテーション「SMELL&TELL 」が人気。
@dawnperfume_anzu

美容・香水ジャーナリスト YUKIRINさん
日本で唯一の香水ジャーナリストとしてメディアでの香りの情報を発信。これまで2,000種類以上の香水に触れ、新作や国内の動向を網羅する。
@fabgearyukirin3

『NOSE SHOP』代表 中森友喜さん
香水キュレーター・香水翻訳家。世界18か国、約50ブランドに及ぶ香りを自らセレクトし、世界的なトレンドも熟知。ポッドキャスト「香りと言葉のラジオ『NOSE knows』」も話題!

 

『美的』2023年4月号掲載
撮影/野呂知功( TRIVAL ) スタイリスト/仲本 結 ヘア&メイク/長澤 葵 モデル/田迎生成、松原爽太 取材協力/長島理子 構成/杉浦由佳子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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