意外と知らない、化粧品の使用期限まとめ【識者に訊く】
意外と知らない・忘れている化粧品の使用期限。直接お肌につけるものなので、きちんと消費期限を守らないとせっかくのケアが台無しに…。美容のプロと一緒にコスメの使用期限や捨て時、その見極めポイントを学びましょう!
基本の使用期限|未開封と開封後の違い
“未開封”の状態で「3年」!
「未開封のアイテムの場合は、薬機法(医薬品医療機器等法)により製造から3年を超えて品質が安定しているアイテムは使用期限の表示義務はないとされています」(浅利さん・以下「」内同)
「いつ購入したのかわからなくなってしまった場合は、メーカーのお客さまセンターなどに問い合わせをしてみるのも良いでしょう。出荷後にも情報が確認できるように、製品には製造番号(製造機号)というものが記載されています。問い合わせをすることで、『いつ作られた製品か』等がわかるようになっています。多くは製品の裏面や底面などに直接印字されています」
“開封後”の使用期限は「3ヶ月~1年」が目安!
「開封しているアイテムの場合の使用期限は、一般的にはスキンケアは6ヶ月、メイクアイテムは3ヶ月~1年が目安になるでしょう。開封後のアイテムは、酸化が進み、雑菌が増殖しやすくなります。一般的に油分が多いほど酸化しやすく、水分が多いほど、菌が増殖しやすい傾向にあります」
開封したコスメの使用期限目安
【3ヵ月以内】マスカラ、リキッドアイライナー
【6ヵ月以内】スキンケア、クリームアイシャドウ、クリームチーク、化粧下地、コンシーラー、リキッドファンデーション、日焼け止め、口紅、グロス
【1年以内】ペンシルアイライナー、パウダーアイシャドウ、パウダーチーク、パウダーファンデーション、フェイスパウダー
\ココに注意!/
「なお、未開封の場合も開封の場合も、使用期限を過ぎていなくても、変なニオイがする、変色、分離があった場合は、コスメの寿命ですので、少しでも異変を感じる場合は、勇気を持って捨てましょう」
使用期限はパッケージの表記をチェック!
化粧品のパッケージを確認!
パッケージには使用可能月数や消費期限、製造年月日、バッチコードの記載があります。
「化粧品バッチコード」とは?
製造年月日を調べるためのコード。化粧品バッチコードを入力すると、その化粧品がいつ製造されたのかわかるサイトがあります。
\化粧品の消費期限についての動画はこちら!/
これってアウト?セーフ?「捨て時」の見極め方
化粧品の捨て時!「2つ」の大きなチェックポイント
【ポイント1】色とにおい
開封したばかりの頃から、「色」や「におい」が変わっているのは劣化のサイン!
【ポイント2】消費期限
直接肌に触れるものなので、しっかり消費期限を守りましょう!
代謝を意識してどんどん回していくのが◎!
古いものをいつまでも使っていると、お肌にもよくありません。消費期限を把握してどんどん循環させていきましょう。
「スキンケア」アイテムの見極め方
化粧水の捨て時はシンプル!
- いつ買ったものなのか
- いつ開封したか
この2つをチェック!当てはまる場合はアウト!!直接お肌に触れるものなので、思い切って断捨離を。
美容液や乳液、クリームは?
- 変色しているか
- 固まっていないか
当てはまる場合は、化粧品同様直接お肌に触れるものなので、思い切って断捨離を。
有村さんのワンポイントアドバイス
スキンケア難民や「いろいろ試したい!」という方には“少量ボトル”がおすすめ。使い切りが難しい場合は、ボディケアへの使用も◎
「口紅」の見極め方
見極めポイントは「油分」!
- 表面に油が浮いていないか
- 油臭いにおいがしないか
この2つをチェック!当てはまる場合はアウト!!直接唇に触れるものなので、思い切って断捨離を。
口紅の嫌な臭いの原因は酸化や雑菌!
日本化粧品検定協会代表理事
小西 さやかさん
一般社団法人 日本化粧品検定協会代表理事 東京農業大学 食香粧化学科 客員准教授 各種協会の顧問、学会幹事を歴任。化粧品の開発経験があり、工学修士としての科学的視点から美容、コスメを評価できる専門家「コスメコンシェルジュ」。著書9冊、累計30万部を突破。
関連記事をチェック ▶︎
「開封後1年も経っていないのに、口紅やグロスが臭う…。これにも、れっきとした理由があります。口紅は油を多く含んだ化粧品。油は酸化しやすい物質で、酸化すると嫌な臭いが発生します。なかでもグロスは、唇についていた食品などの汚れが入り込むことで雑菌が繁殖してしまい、嫌な臭いが発生してしまうのです」(小西さん・以下「」内同)
口紅を綺麗に使うコツ
「汚れや雑菌が混入するのを防ぐためには、口紅を塗る前、塗ったあとのお手入れが重要。口紅を塗る前は、ティッシュなどで唇を拭いて清潔にしてから、口紅を塗ったあとは、毎回ティッシュで口紅の表面を軽くふき取るようにしましょう。グロスの場合は、汚れたままの筆やチップを容器へ戻さないことも注意して。開封後1年経っていなくても臭いがした場合は、使用を中止して捨ててください」
「アイシャドウ」の見極め方
【ポイント1】クリーム・練りタイプはパウダーより寿命が短い
クリーム・練りタイプは、水分を多く含むため、劣化が早く進みます。
【ポイント2】固くなったりボソボソしたときはアウト!
「無添加化粧品」は消費期限が短い?
日本化粧品検定協会代表理事
小西 さやかさん
一般社団法人 日本化粧品検定協会代表理事 東京農業大学 食香粧化学科 客員准教授 各種協会の顧問、学会幹事を歴任。化粧品の開発経験があり、工学修士としての科学的視点から美容、コスメを評価できる専門家「コスメコンシェルジュ」。著書9冊、累計30万部を突破。
関連記事をチェック ▶︎
Q. 無添加化粧品はカビが生えやすいってホント?
「無添加化粧品は、防腐剤が入っていないからカビが生えるんだって!」、「久々に使おうと思ってクリームのフタを開けたら、カビが……!」巷でささやかれるこのウワサ。無添加化粧品はカビが生えるって本当なのでしょうか。
A. ウソ!
「無添加化粧品は無添加だから防腐剤が入っていないと思っている人が多いようです。しかし、無添加=防腐剤不使用ではありません。無添加化粧品の多くは、“旧表示指定成分”が入っていないものをさします」(小西さん・以下「」内同)
\無添加化粧品にカビは生えない/
「通常、無添加化粧品も防腐効果のある成分を配合し、カビや微生物に対する試験を実施し、各メーカーにおいて問題ないことが確認されているはずです。適切な使い方をしていれば、まずカビが生えることはありません。しかし、本当に防腐剤が入っていなければ腐る場合はあります」
\防腐剤無添加の定義・基準は各社で異なる/
「防腐剤無添加に関しては、各メーカーによって定義が異なります。防腐剤すべてが無添加なのか、防腐剤の一種であるパラベンが無添加なのか。無添加と記載されている商品には、必ず“○○が無添加”と記載されていて、消費者は事前に何が無添加なのか、確認できるようになっています。防腐剤すべてが無添加の場合は、腐りやすいので注意が必要です」
\無添加化粧品の使用期限は?未開封の場合には3年/
「また、気になる無添加化粧品の使用期限ですが、通常化粧品と同様に、未開封の状態で3年です。開封後は特に指定がない場合は、1年を目途に使い切るようにしましょう」
\使用期限ありの場合も!オーガニック化粧品は要確認/
「カビという点では、オーガニック製品も注意が必要です。オーガニック製品のなかには“防腐剤フリー”のもの、精油や植物エキスだけで防腐しているものは、防腐効果が少し弱くなるために腐りやすい可能性はあります。海外から輸入されているオーガニック製品の中には、パッケージに“12M”や“6M”と表記されていることがあります。これは12ヶ月しかもたない、6ヶ月しかもたないということ。日本の化粧品の場合は未開封で3年もつようになっていますが、オーガニック化粧品は期限が短いものもあるのでパッケージを確認してみてください。使用期限が短いものは防腐効果が弱く、カビや菌も生えやすいということを忘れないでください」
コスメの寿命を縮めない上手な「保管方法」
美容家
浅利 晴奈さん
大手化粧品メーカーに約7年間勤務。商品開発やPR等の経験を経て、美容家として活動。化粧品メーカーへの商品開発やマーケティングのコンサルティングなども行う。美容好きが高じて、多数の美容資格も取得し、美容・コスメの知識が豊富。
【1】温度・湿度に気を付ける
高温多湿や直射日光の当たる場所で保管しない。
【2】酸化を防ぐため空気に触れないようにする
空気に触れて酸化が起きるのを防ぐため、フタはきちんと閉める。
【3】常に清潔に、指で触らない
メイク道具を清潔に保ったり、クリームなどは指で取らず、スパチュラなどを使用する。
コスメを上手に使い切る5つのポイント
【ポイント1】購入した日・開封した日を記録する!
購入した日、開封した日を記録しておけば管理もしやすくて◎
【ポイント2】とにかく使いまくる!
\有村さん直伝!使い切るための「5つ」のコツ/
- 少量サイズのものを選ぶ
- 開封後、合わないと思ったものはすぐ人に譲る
- アイシャドウなどは、本来の発色が出る適量をのせる
- 顔用のスキンケアをボディケアにも活用する
- 冷蔵庫の保管で劣化が防げるものは冷蔵庫で保管する
パッケージが可愛かったり、購入時に奮発したものだったり、なかなか断捨離できないコスメ。
しかし、お肌のためにも綺麗なメイクの仕上がりのためにも、古いものは使わずに循環させましょう♪
※一部の画像は美的.com公式Youtubeチャンネルより。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
大手化粧品メーカーに約7年間勤務。商品開発やPR等の経験を経て、美容家として活動。化粧品メーカーへの商品開発やマーケティングのコンサルティングなども行う。美容好きが高じて、多数の美容資格も取得し、美容・コスメの知識が豊富。