潰すのはNG!黄ニキビを早く治す5つの対処法【皮膚科医が解説】
一日も早く治したい!炎症を起こし、化膿して黄色い膿が溜まっている状態の「黄ニキビ」を上手に治す方法をご紹介します。皮膚科医に聞いた、黄ニキビに効く成分、市販薬、ケア方法で悩みを解決。皮膚科での正しい治療方法や内容、処方薬も解説します。
黄ニキビの「正体」【画像で解説】
「白→黒→赤→黄」と変化し、化膿した状態
- 白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビ、それぞれの特徴をチェック
【白ニキビ】
「ニキビの初期段階。肌のターンオーバーがうまく行かず、角質が肥厚し、毛穴が詰まることで中に皮脂が溜まったまま、膨らんだ状態のもの。赤く腫れるような炎症はなく、毛穴が閉じたままで、皮膚が盛り上がっているのが特徴で、痛みはありません」(山屋先生・以下「」内同)
【黒ニキビ】
「白ニキビが進行し、毛穴の入口が開くことで毛穴に詰まったコメド(角栓)が空気にさらされ、酸化して黒く変色したもの。白ニキビ同様、炎症や痛みはありません」
【赤ニキビ】
「毛穴に溜まった皮脂を栄養として、アクネ菌が増殖し、炎症を起こして硬く盛り上がっている状態。触れると少し、痛みを感じる場合もあります」
【黄ニキビ】
「赤ニキビがさらに進行した状態。中心に白または黄色っぽい膿が見えます。皮膚が薄く、破れやすくなっています。ニキビがかなり悪化した状態なので、触ると痛みやかゆみを感じることもあります」
潰すのはNG!「5つの対処法」
【1】市販の「医薬部外品」でケア
表参道美容皮膚科・副院長
三宅 真紀先生
レーザー治療・アンチエイジング治療のエキスパート。患者様の立場にたった、優しく丁寧できめ細やかなカウンセリングから、ひとりひとりに最適な治療を提案し、高い治療技術により確実に結果を出す。美容・スキンケア全般に豊富な知識を持ち、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。
- ニキビ用の洗顔料で汚れを洗浄+抗炎症成分配合の医薬部外品を
「洗浄後は、保湿をすることも忘れずに。化粧水やローションで肌にうるおいを与えましょう。赤ニキビや黄ニキビなど、炎症を起こしてしまっているときは、抗炎症成分配合の医薬部外品を選ぶことをおすすめします」(三宅先生・以下「」内同)
【2】市販の「ビタミン剤」を飲むのもおすすめ
- ニキビ用の飲み薬としてビタミンを摂取
「市販されている飲み薬の成分は、ビタミン剤が中心になっています。ストレスでビタミンが消費されてしまうため、ビタミンはしっかり摂るようにしましょう。ビタミンB2やB6、ビタミンC配合のものを目安に選ぶのがよいですね」
【3】皮膚科で「抗生物質」を処方してもらう
美容皮膚科医 美容皮膚科タカミクリニック 副院長
山屋雅美先生
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
「ニキビがかなり悪化した状態なので、抗生物質の塗り薬や飲み薬が必要となります。そのため、クリニックでの受診をおすすめします」(山屋先生・以下「」内同)
【4】ニキビがある時は、「髪やメイク」にも注意!
- ファンデーションはパウダータイプがおすすめ
- ヘアワックスやオイルなどの使用を控える
- 髪はまとめて肌に触れないようなヘアスタイルにする
「ベースメイクは、油分が多く配合されているクリームファンデーションなどの使用は控えるようにしましょう。油分はアクネ菌のエサとなり、ニキビが悪化することもあります。ファンデーションを塗るのであれば、クリームタイプよりパウダータイプがおすすめです。
ヘアスタイルは、毛先が当たる部分にニキビができている場合は、ワックスやオイルなどの使用を控え、髪をまとめるなどすると良いと思います。ニキビを刺激しないようなヘアスタイルにするなど、工夫するようにしましょう」
【5】ニキビの芯を押し出す「圧出」を病院で行う
アヴェーニュー表参道クリニック 皮膚科医
太田理会先生
藤田医科大学医学部卒、藤田医科大学ばんたね病院、福井県済生会病院にて研鑽を積む。皮膚科医、美容皮膚科が専門。丁寧なカウンセリングを通じて患者様のお悩みに正面から向き合いたいと思っています。どんなことでもお気兼ねなくご相談ください。
- 「圧出」を行うことで治りが早くなることもあります
「赤ニキビや黄ニキビに限らず、コメドも芯を押し出す圧出を行うことで治りが早くなることも。コメドは2パターンあって、毛穴が開きブツブツが目立つようなものをオープンコメド(開放面皰)と、毛穴が閉じて白く盛り上がったものをクローズコメド(閉鎖面皰)といいます。オープンコメドかクローズコメドかにより、若干治療法が変わってきます。
オープンコメドの場合は、毛穴が開いているのでコメドプッシャーという器具を使い、毛穴に詰まっている芯を押し出していきます。しかし、クローズコメドの場合は毛穴が塞がっているため、針などを使用して毛穴に穴をあけ、そこから圧出を行います」(太田医師・以下「」内同)
\セルフはNG!「圧出」は病院での処置を/
「繰り返しになりますが、ニキビ全般において、自分でむやみに触ったり、潰すのはNGです。菌が入ったり、ニキビ跡になって残ってしまうなど、炎症が広がってしまう恐れがあるからです。自分で針を火であぶったり、アルコール消毒すれば大丈夫じゃない?と思う人もいるようですが、絶対にダメ!おすすめできません。
コメドの段階で皮膚科を受診し、正しい治療を行うことで、ニキビが悪化する前に治すことが可能です。悩んでいる人はぜひ一度ご相談くださいね」
早く治したい時に!おすすめの「市販薬」と「成分」をチェック
黄ニキビに効く「成分」
表参道美容皮膚科・副院長
三宅 真紀先生
レーザー治療・アンチエイジング治療のエキスパート。患者様の立場にたった、優しく丁寧できめ細やかなカウンセリングから、ひとりひとりに最適な治療を提案し、高い治療技術により確実に結果を出す。美容・スキンケア全般に豊富な知識を持ち、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。
- グリチルリチン酸ジカリウム…甘草(カンゾウ)という生薬に含まれる成分。炎症や赤みを抑える働きがある。
- イブプロフェンピコノール…非ステロイド系の炎症、痛みや赤みを抑える。
- サリチル酸…ピーリング作用。クリニックのピーリング剤でも使われている。
- アラントイン…炎症や赤みを抑え、傷の治りを早くする。
- カモミラエキス…カモミールの花から抽出された成分。抗炎症作用、保湿、メラニンの生成を抑える効果がある。
ニキビ用の塗り薬を使う「タイミング」
- 塗るタイミングは、洗顔後に気になる部分のみ
「殺菌作用や抗炎症作用のあるものを選ぶとよいでしょう。塗るタイミングは、洗顔後に気になる部分にだけに塗ります。合わない薬の場合、かゆみや赤みが出てしまうことがあるため、最初の1~2日は部分的に使用して様子を見るのがベスト。万が一、かゆみや赤みが出てしまった場合は、すぐに使用を中止してください。
市販のものは、効き方がマイルドなので、使用しても症状が改善しないこともあります。その場合は、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします」(三宅先生)
DHC 薬用アクネコントロール スポッツエッセンス EX[医薬部外品]
価格 | 色 |
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¥880 | 15g |
低刺激。
資生堂薬品 イハダ アクネキュアクリーム[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥800 | 16g |
炎症を抑えて殺菌しつつ肌に優しい。素肌と同じ弱酸性、ノンアルコールと安心のノンステロイド治療薬。ベタつかないジェルクリームタイプ。
ジョンソン・エンド・ジョンソン テラ・コートリル(R)軟膏a[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,100(編集部調べ) | 6g |
膿んでいるひどいニキビに◎。抗炎症作用の“ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)”と抗生剤“オキシテトラサイクリン塩酸塩”が膿を抑える。長期使用で赤みが出ることも。
キールズ キールズDS アクネ スポット トリートメント
価格 | 容量 | 発売日 |
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¥3,850 | 20ml | 2017-08-04 |
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皮膚科での「治療法」と処方される「薬の種類」
「塗り薬」+αで「内服薬」で治療
アヴェーニュー表参道クリニック 皮膚科医
太田理会先生
藤田医科大学医学部卒、藤田医科大学ばんたね病院、福井県済生会病院にて研鑽を積む。皮膚科医、美容皮膚科が専門。丁寧なカウンセリングを通じて患者様のお悩みに正面から向き合いたいと思っています。どんなことでもお気兼ねなくご相談ください。
「できてしまった赤ニキビには、ダラシンTゲルやダラシンTローション、アクアチムクリームやアクアチムローションなどの抗菌薬の塗り薬を使用します。さらに最近は、新しい抗菌薬“ゼビアックスローション”が登場し、従来の塗り薬があまり効かなかったという人に多く処方されるようになってきました。
炎症が強い人や赤ニキビが長く続いている人は、塗り薬にプラスして内服の抗菌薬が加わります。ルリッド、ミノマイシン、ヒブラマイシンなどがよく処方されますね」(太田先生)
皮膚科で処方される「7つの塗り薬」
『青山ヒフ科クリニック』院長
亀山孝一郎
1999年、『青山ヒフ科クリニック』開業。2002年にオリジナル化粧品『ドクターケイ』を発表。肌トラブルから美容まで様々な悩みにトータルケアで応えている。
皮膚科医
小林智子先生
こばやし ともこ/医学博士。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター研究員。豊橋の山本皮フ科ほかで診療を行う。健康と食を医学的な立場で発信するサイト『ドクターレシピ』を監修。
【1】ダラシン
アクネ菌やブドウ球菌属への殺菌作用があるお薬です。ゲルタイプとローションタイプがあり。
【2】アクアチムクリーム
アクネ菌やブドウ球菌属への殺菌作用があるお薬です。
【3】リンデロン
「ニキビ治療で処方するドクターもいるようですが、そもそもニキビの保険適用のお薬ではありません。ステロイドのお薬なので、炎症は抑えるはたらきはありますが、皮脂分泌を促進、TLRを増強します。TLRはニキビの炎症のスイッチを押してしまう働きがあります。つまりニキビを作り、悪化させてしまうという、ニキビの悪循環が始まってしまうのです。一時的なニキビの炎症は抑えても根本的な解決にはならないため、『青山ヒフ科クリニック』では、ニキビ治療には処方していません。アトピーや接触性皮膚炎の治療には用いることもあります」(亀山先生・以下「」内同)
【4】ゲンタシン
「抗生物質のお薬です。つまり擦り傷や切り傷、細菌性皮膚炎やおできの治療の際に用いることがあります。そのためリンデロン同様に『青山ヒフ科クリニック』ではニキビ治療には処方していません。
このゲンタシンでは、本質的なニキビ治療にはならず、あくまでも補助療法といえます」
【5】べピオ
過酸化ベンゾイルを成分とする薬
【6】ディフェリン
アダパレンを成分とする薬
【7】テラマイシン
テトラサイクリン系の薬(抗生剤)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。