ニキビは潰しちゃっていいの?潰れたらどうするの?黄ニキビの対処法とNGケア
ある日突然、ポツッと。大人になってからも悩まされることの多いニキビですが、顔の目立つところにできてしまうとつい潰したくなる衝動に駆られてしまうもの。無意識のうちに触っているうちに、「潰れた!」なんてことに心当たりがある方もいるかもしれません。でも、潰してしまうと治りにくかったり、跡が残ってしまうことも……。ここでは専門家によるニキビ解説をご紹介します。やってしまいがちなNGケアも要チェックですよ。
ニキビが潰れるってどんな状態?
「膿が溜まっているニキビは、黄ニキビといって、アクネ菌が入っていた皮膚の毛包という部分が破壊されている状態です。真皮など周りの組織も破壊され始めているため、ここで潰してしまうとクレーター状の跡になりやすい可能性があります。
さらに、無理矢理潰してしまうことによって、アクネ菌が皮膚内に残ってしまい、ニキビが悪化してしまう恐れもあります」(三宅先生・以下「」内同)
「黄ニキビが潰れてしまったあとは、毛穴が開いている状態。ここに菌が入ってしまわないように、早めに“抗生剤の塗り薬”を塗って殺菌しましょう。そこから先は、できるだけ触らないように注意して」
- 膿が溜まっているニキビ…アクネ菌が入っていた皮膚の毛包という部分が破壊されている状態
- 潰してしまうと、クレーター状の跡になりやすい可能性がある
- さらに、アクネ菌が皮膚内に残ってしまい、ニキビが悪化してしまう恐れもある
そもそもニキビが膿むまでのプロセスは?
ニキビが膿んでしまうプロセスはこれ!
「ニキビのでき始めは、まずコメドといわれる白ニキビ、そして黒ニキビがあります。白ニキビの場合は毛穴に皮脂が詰まり、毛穴の先が閉じて出口がない状態です。黒ニキビの場合は、毛穴の出口は開いているものの、皮脂が酸化して黒く詰まっている状態です。しかし、白ニキビ・黒ニキビともまだ炎症は起きていません。
そこへアクネ菌が増えてくると、炎症が起こり、痛みを伴う赤ニキビになります。アクネ菌に加え、さらに黄色ブドウ球菌などの細菌が増えると、膿のある黄ニキビへと変化します。黄ニキビになってしまうと、周囲の組織もだんだん破壊され、場合によってはクレーター状の跡が残ります」
ニキビができるプロセスはこれ!
美容皮膚科医 美容皮膚科タカミクリニック 副院長
山屋雅美先生
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
「ニキビができるまでの過程は、まず角質肥厚が起こることからはじまります。そのあと、毛穴が塞がり、毛穴に皮脂が溜まることで白ニキビができます。白ニキビが酸化したものが黒ニキビ。白ニキビからアクネ菌が増殖して炎症を起こしたものが赤ニキビ。赤ニキビが進行して、膿が溜まったものが黃ニキビになります」
【赤ニキビ】
【黄ニキビ】
【ニキビができるまでの過程】
- 角質肥厚が起こる
- 毛穴が塞がる
- 毛穴に皮脂が溜まる(白ニキビ)
- アクネ菌が増殖して炎症が起こる(赤ニキビ)
- 膿が溜まる(黃ニキビ)
膿んだニキビの治りを遅めてしまうNGケア
潰すのはもちろんNG、強すぎるピーリングも避けて
表参道美容皮膚科・副院長
三宅 真紀先生
レーザー治療・アンチエイジング治療のエキスパート。患者様の立場にたった、優しく丁寧できめ細やかなカウンセリングから、ひとりひとりに最適な治療を提案し、高い治療技術により確実に結果を出す。美容・スキンケア全般に豊富な知識を持ち、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。
「自分で黄ニキビを潰すのはもちろんNGですが、ほかには強すぎるピーリングも避けましょう。刺激になってしまうほか、摩擦によって黄ニキビが潰れてしまう可能性もあります」
オイル系のアイテムは控えよう
皮膚科医
高瀬聡子先生
ウォブクリニック中目黒 総院長。1995年慈恵会医科大学卒業後、翌年より慈恵会医科大学付属病院皮膚科に入局。ドクターズコスメ『アンプルール』の開発・プロデュースも。
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「ニキビができてしまったら、 ニキビ菌のエサとなりやすい“オイル系のアイテム”は避けましょう。 クレンジングにはミルクタイプかジェルタイプを選び、肌に摩擦を与えないようやさしく洗います。汚れやクレンジングが残らないよう流水で十分にすすぐのも大切です。
洗顔後は、ニキビの炎症部位を避け、軽やかなジェルなどで保湿してあげて。 ノンコメドジェニックと記された、ニキビ菌の繁殖を防ぐタイプ の化粧品がおすすめです」(高瀬先生)
- 洗顔時に「毛穴がザラついてきたな」と感じたら要注意。
- 常に2~3種類のクレンジングと洗顔料を用意し、肌の調子に合わせて使い分けて。
\“赤ニキビ”のケア方法/
・ニキビ菌による炎症を鎮静して。
・抗炎症作用に優れたビタミンCやグリチルグリシン配合のスキンケアが◎。
・炎症部位はなるべくメイクを避けるのも大切。
ニキビを温めるのはNG
『青山ヒフ科クリニック』院長
亀山孝一郎先生
1999年、『青山ヒフ科クリニック』開業。2002年にオリジナル化粧品『ドクターケイ』を発表。肌トラブルから美容まで様々な悩みにトータルケアで応えている。
「痛みを伴ったり、熱を持っているニキビは、冷やしてもいいですが、それは痛みを一時的に和らげる、という意味です。また、ニキビを温めるのは絶対にNG。炎症を促進してしまいます。
オロナインなどは、抗菌作用は期待できますが、あくまでも抗菌作用はニキビの本質的は治療ではなく補助療法ですので赤みが消えることは期待できません」
潰れたor潰してしまったときのレスキュー方法は?
■セルフケア
「抗炎症成分が入ったスキンケア商品や、ニキビ専用の油分が少ないスキンケア商品がおすすめです。“ノンコメドジェニック”と表記されているものは、コメドができにくいとされているもの。こちらを使用するのもよいでしょう」
■皮膚科でのケア
「炭酸ガスレーザーで小さな穴をあけ、そこに専用の器具を押し当て中身を圧出します。膿を出し、治りを早くするだけでなく、レーザーの強い熱によって殺菌ができるので、同じ箇所にニキビができにくくなるというメリットも。
ニキビが治ってもすぐにまた同じ箇所が膨らんでくる…という人は、一度炭酸ガスレーザーで中身を圧出、殺菌することをおすすめします。
また、膿を圧出したあとは、アクネ菌を殺菌する塗り薬の処方と、状態によっては抗生剤の内服を処方します」
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
レーザー治療・アンチエイジング治療のエキスパート。患者様の立場にたった、優しく丁寧できめ細やかなカウンセリングから、ひとりひとりに最適な治療を提案し、高い治療技術により確実に結果を出す。美容・スキンケア全般に豊富な知識を持ち、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。