痛みがあるニキビを触るのはNGってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「ニキビ」について。痛みがあるニキビを触るのはNGってホント? 美容皮膚科医の山屋雅美先生にお話を伺いました。
Q:痛みがあるニキビを触るのはNGってホント?
プツっと白いニキビができたと思ったら、少し痛みを感じる赤や黄色のニキビへと悪化したなんてことも…。ニキビは気になって触ってしまうこともあると思いますが、特に痛みのあるニキビは触らないほうが良いと聞きます。痛みのあるニキビはどう対応するのが正解なのでしょうか。さっそく、この疑問を山屋先生に聞いてみました。
A:ホント
「毛穴内部が炎症を起こし、触ると痛みのあるニキビは、患部を刺激すると炎症が悪化したり、凹みなどのニキビ跡になることがあります。そのため、ニキビは痛みのあるなしに関わらず、基本は触らないようにしましょう」(山屋雅美先生・以下「」内同)
痛みのあるニキビとは?
「炎症がかなり進んでいる状態です。はじめは毛穴が閉じたままで、毛穴に皮脂が溜まり皮膚が盛り上がって、特に痛みがない白ニキビだったものが、毛穴に溜まった皮脂を栄養としてアクネ菌が増殖し、炎症を起こして赤く腫れます。この段階で、触れると痛みを感じる場合もあります。さらに炎症が進むと、化膿してしまい、触れると痛みやかゆみを感じることもあります」
痛みのあるニキビができたときはどうする?
「触れると痛みのあるニキビは早めに処置することで、化膿して黄ニキビになることを食い止められるということもありますから、早めに対応するようにしましょう。
はじめにもお伝えした通り、ニキビは患部を刺激すると炎症が悪化したり、凹んだようなニキビ跡になることがあります。そのため、ニキビを触らないという努力もケアとして大事なポイントです。
スキンケアは悪化させないためにも、アクネ菌を抑制するはたらきがあるものを使用すると良いでしょう。
痛みのあるニキビというのは炎症が進んでいる状態のため、抗炎症作用のある薬を使用するのもおすすめです。市販の薬を使用しても、効果を感じられない場合は、すぐにクリニックで相談するようにしてください」
アクネ菌はいないほうがいい?
「ニキビの原因となるアクネ菌は、ニキビの有無に関わらず、誰の皮膚にも存在している常在菌のひとつです。アクネ菌は悪者扱いされがちですが、皮膚を弱酸性に保ち、雑菌の繁殖を抑えるという大切な役割も果たしています。
しかし、毛穴に溜まった皮脂を栄養にして増殖すると、ニキビの原因となりますから、栄養となる皮脂を抑えるようにしましょう。アクネ菌を減らすことではなく、毛穴が詰まらないようにすること、皮脂を抑えることがニキビの予防に繋がります。
ニキビがあるときの洗顔は、特に肌に刺激と摩擦を与えないことも大切です。洗顔料も常在菌を減らすような殺菌成分配合のものではなく、肌にやさしい弱酸性や、消炎効果のある、グリチルリチン酸ジカリウムが配合されているものを使用するのがおすすめです」
ニキビができたときのヘアメイクはどうするべき?
「ベースメイクは、油分が多く配合されているクリームファンデーションなどの使用は控えるようにしましょう。油分はアクネ菌のエサとなり、ニキビが悪化することもあります。ファンデーションを塗るのであれば、クリームタイプよりパウダータイプがおすすめです。
ヘアスタイルは、毛先が当たる部分にニキビができている場合は、ワックスやオイルなどの使用を控え、髪をまとめるなどすると良いと思います。ニキビを刺激しないようなヘアスタイルにするなど、工夫するようにしましょう」
Point
・ファンデーションはパウダータイプがおすすめ・ヘアワックスやオイルなどの使用を控える
・髪はまとめて肌に触れないようなヘアスタイルにする
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
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