健康・ヘルスケア
2022.1.29

便秘や肌あれ、そのイライラは「免疫バランス」が乱れている証拠かも

免疫で大切なのは「高さ」ではなかった! 強すぎず、弱すぎない、個々にとって理想の免疫バランスを保つことが、インナービューティーの決め手です。

Q.免疫力は高い方がいい?

A.強すぎても弱すぎても×。重要なのは病原体への対応力です

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「一般的には 『免疫力の高さ』 が健康のバロメーターとして捉えられていますが、免疫学では 『免疫力』 という言葉を使いません。実は、良い免疫は力の強さではなく、押しても引いても倒れないような しなやかさ をもちます。というのも免疫反応は 強すぎても弱すぎてもトラブルのもと となってしまうから。抗原と闘う免疫が強く反応しすぎると体への負担が大きくなって、かえって症状が悪化してしまうケースがあるのです。
免疫には、体に侵入してきた異物のみを攻撃・排除し、自己にはダメージを与えない 対応力の高さ バランスの良さ が本来、必要なのです」(東京大学医科学研究所 ワクチン科学分野 教授 石井 健先生/以下同)

免疫バランスの乱れは、肌・便・心の不調に現れる!

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  • 肌があれている
  • 肌がくすんでいる
  • 顔色が悪い

「肌は体の内側のコンディションを映し出す鏡。免疫バランスの善し悪しも肌に現れます。免疫バランスが乱れると、血行や代謝が低下して、 肌のバリア機能もダウン 。皮膚に存在する細菌叢そうのバランスが悪くなり、 潤いを保てない肌状態 に。肌あれ、くすみ、顔色の悪さなどのトラブルにつながります」

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  • 便秘症
  • 便が硬くて少量
  • よく下痢をする

「腸には元々ビフィズス菌や乳酸菌など体に良い働きをもたらす 腸内細菌 が棲んでいて、こういった善玉菌は 免疫系をしなやかに整える 働きをもっています。その一方で、体に悪さをする悪玉菌が増えると、腸内細菌のバランスが乱れ、免疫バランスも傾きます。サインは便秘や下痢など 便のトラブル です」

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  • 疲れてイライラする
  • 気分が落ち込む
  • 不安や心配事が多い

免疫システムは自律神経の影響を受ける ため、 ストレスフルな生活 は免疫バランスを乱す要因になります。仕事や人間関係の疲れ、イライラ、不安や落ち込みなどを抱え込んでいると、 免疫の病原体への対応力も低下 。免疫バランスが乱れると、心のバランスを欠くことにもなります」

\結論!/
自分にとってちょうどいい皮膚や腸内の細菌叢、自律神経のバランスを見つけて、維持することが大切!

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「皮膚の常在菌叢、腸内細菌叢、自律神経のバランスが整っていることが、 しなやかな免疫 を保つカギ。とはいえ、いずれのバランスも、絶対値があるわけではありません。特に 免疫システムは十人十色 。遺伝子が似ている一卵性双生児でも、違う環境で暮らせば、違う免疫が生まれ育ちます。もちろん病原体に対する反応も違ってきます。自分に合う免疫バランスは、 自分のコンディションと向き合い ながら自身で見つけていくしかないのです。その指標となるのが、肌・便・心。このどれかに不調が続いていたら、日々の習慣やライフスタイルのどこかにひずみが生じている証拠。まずは食事や睡眠、運動などの 生活習慣を見直して、できることから改善 していきましょう」

東京大学医科学研究所 ワクチン科学分野 教授

石井 健先生

 

『美的GRAND』2022冬号掲載
イラスト/松元まり子 構成/つつみゆかり、有田智子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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