健康・ヘルスケア
2021.8.30

「不妊は年齢ではなくホルモン不足が原因」ってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「妊娠」について。「不妊は年齢ではなくホルモン不足が問題」ってホント? 対馬ルリ子 女性ライフクリニックの石山尚子先生に、お話を伺いました。

Q:「不妊は年齢ではなくホルモン不足が原因」ってホント?

女性ホルモンはさまざまな役割を果たしながら、いろいろな影響を女性の体に及ぼしています。そして、年齢が上がると妊娠しにくくなる、というのも私たちの常識。しかし、若くても妊娠しにくい人も。そういったところから、「その年齢が上がっても、女性ホルモンさえしっかり分泌されていれば、年齢は関係ない」というウワサがチラホラ……。これって本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を石山先生に伺ってみました。

A:ウソ

「年齢もホルモンの分泌不足も不妊の原因になります。女性が自然妊娠する確率は30才を超えると徐々に低下していき、35才くらいから急激に低下すると言われています」(石山尚子先生・以下「」内同)

加齢によって自然妊娠の確率が低下する理由は?

「年齢とともに卵子の数が減り、卵子の老化が生じ、ホルモンの分泌機能も低下してくるため、自然妊娠の確率は低下していきます。

しかし、年齢に関わらずホルモンの分泌機能の異常が原因で排卵が起こりにくい場合や、子宮内に受精卵が着床したあとに、妊娠を維持するためのホルモンの分泌が十分に行われない場合なども不妊の原因になります」

とりあえず排卵していれば妊娠できる?

「排卵をしていれば妊娠の可能性もあります。しかし、卵子の質が低い場合や、子宮内膜症や子宮筋腫、炎症などによる卵管閉塞、男性因子など妊娠を妨げる要因があると妊娠率は下がります。そして流産率は上がります」

排卵しているか確かめる方法は?

「排卵しているかどうか、自分で確認できる方法として基礎体温の測定があります。

基礎体温は排卵前の“低温期”と排卵後の“高温期”に分かれます。この変化は排卵後の卵巣から分泌される黄体ホルモンが脳の体温調節中枢に作用し、体温を上げることから起こります。排卵が起こると、体温が0.3〜0.4度ほど上がると言われ、この変化から排卵があったことがわかります。そして、妊娠が成立すれば、高温期が2週間以上続くことになります。妊娠しなかった場合は体温が下がり、月経がはじまります。

ある程度、規則的に生理がある場合でも、排卵が起こっていない場合もあります。まずは2〜3か月を目標に基礎体温をつけてみることをおすすめします」

  • 2〜3か月ほど基礎体温を測り、通常より0.3〜0.4体温が高い日がある

排卵している体感がない人も

「いつも月経周期の中頃に下腹部痛があったり、おりものが増えたり、その数日後からお腹が張って、便秘になり、イライラして胸が張って…などといった排卵前後の体調の変化がはっきりしている人もいます。しかし、こういった変化をほとんど感じない人もいます。そういう場合は基礎体温をつけて、確認することをおすすめします」

婦人体温計の正しい測り方

「細かい温度変化を調べるために、専用の体温計を使用して小数点第2位まで測定します。体温が安定していると言われる舌の下で測りますが、少しの動作でも体温は変化してしまいます。そのため、体温計は目覚めてすぐ手に取れる枕もとなどに置いておくようにしましょう。

毎朝、同じ時間に計測するのが理想ですが、夜勤のある人など、同じ時間に計測するのが難しい人は、ある程度しっかり睡眠を取ったあとに計測するようにします。測ったあとはグラフやアプリなどに忘れないように記録しておきましょう」

Point

・専用の体温計を使う
・朝起きて、動く前に測る

産婦人科医

石山尚子先生

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事