健康・ヘルスケア
2021.6.1

近視の子どもが増えているってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「目」について。近視の子どもが増えているってホント? 吉祥寺森岡眼科の院長、森岡清史先生にお話を伺いました。

Q:近視の子どもが増えているってホント?

スマホやパソコン、ゲーム機など子どもたちのまわりにもたくさんの電子機器がありますよね。その影響から、近視の子どもが急増していて、小学生の約3割が裸眼視力1.0以下という話を耳にしました。実際のところ、どうなのでしょうか。さっそく、この疑問を森岡先生に聞いてみました!

A:ホント

「小学生の約3割が裸眼視力1.0以下という情報もありますが、僕の感覚ではもっと多くなっていると思います。以前までは小学校5年生くらいになると塾に行き始めたりする子も増え、大体67割の子どもたちの視力が落ちる傾向にありました。しかし、今では小学校3年生くらいでも裸眼視力1.0以下の子どもたちが増えてきています。なので、3割どころではなく、もっと増えていると思います」(森岡清史先生・以下「」内同)

近視の種類は?

「近視には4つの種類があります。角膜や水晶体の屈折により起こる“屈折性近視”、毛様体筋が疲れて、痙攣することで、普通に働かなくなり起こる“仮性近視”、眼軸長が長くなることで起こる“軸性近視”、非常に早いスピードで眼軸長が伸びたり、眼球の後ろに異常な膨らみができるなどして、矯正できない視力障害をともなう“病的近視”があります。
3つ目に上げた軸性近視というのが、今、子どもたちの近視が増えてきている原因となっているものです」

\近視の種類/

  1. 屈折性近視
  2. 仮性近視
  3. 軸性近視
  4. 病的近視

今、子どもに増えている近視の種類は?

「最近のお子さんは、スマホやタブレット、パソコンやゲーム機などという電子機器に囲まれています。また、コロナ禍で外遊びの時間も減り、オンライン授業になることで、どうしても近視になりやすい環境が増えています。

目は角膜・水晶体を経由して黄斑部にある“中心窩”というところで“像”を結んでいます。その角膜の頂点から中心窩までの長さを“眼軸長”と言いますが、これが伸びると、ピントが合わなくなり、近視が確定します。そして、調べてみると、現代の子どもたちの眼軸はどんどん伸びてきているのです。本来なら、大人の正常値で24mm、子どもで2223mmなのですが、大人の正常値より長くなっている子どもも多いくらいなんです。1mm伸びるだけで視力1.0の人が0.1になるくらいの差が出てきますから、一気に視力が落ちてしまいます」

眼軸を短くする方法は?

「伸びてしまった眼軸を短くする方法は今のところありません。そのため、ピントを合わせる力を鍛えることが重要になってきます。ピントを合わせる作業をしているのは毛様体筋という、水晶体の厚さを調整している筋肉です。鍛えるというより、しっかりはたらかせるようにすることが目的になりますが、毛様体筋というのは眼軸が伸びてピントを合わせるのが難しくなると、諦めたようにあまりはたらかなくなってしまいます。とは言え、毛様体筋がはたらかず、ピントが合わないままでは、眼軸は伸びるばかり。近くにピントを合わせる、遠くにピントを合わせるという動作を繰り返すことで、毛様体筋をはたらかせることができますから、このトレーニングで毛様体筋を鍛えましょう」

Point

近くにピントを合わせる、遠くにピントを合わせるという動作を繰り返すトレーニングを

近視になりにくくする方法は?

「欧米で行われた研究によると、両親とも近視でも、屋外活動の時間が長ければ近視の発症リスクが抑えられるということがわかっています。1000ルクス以上の太陽光を12時間くらい浴びるだけでも、近視の進行が抑制される効果があるようです。太陽光のある日陰でだいたい1000ルクスほど。カンカン照りの外でなくても良いわけですね。

年々、子どもたちの外遊びの時間は減ってきていると言いますが、屋内で太陽光1000ルクスというのは結構難しいので、近視予防には、やはり外で遊びなさいということです」

Point

室内ではなく、屋外で太陽光を12時間浴びること

遠くの緑を見続けると視力が回復する?

「遠くの緑を見ると目にいい、という話は、目を安静させることに繋がるために言われるようになったのではないかと思います。緑は目に優しい色だということは分かっていますから。でも、緑にこだわる必要はなく、遠くのものを見るだけでも、毛様体筋の緊張はとけるので、目を休ませる効果はあると思います。

また、緑という色についてですが、確かに緑だと目に優しいというところはあります。しかし、遠くの緑を見続けると〜ということになると、その緑が目に入ってきたときにどれだけ緑として認識されているか、という話にもなりますので、遠くを見る場合は緑にこだわる必要はないと思います。とは言え、窓から外を見たら、緑が入ってくることも多いと思うので、ピントを合わせる目標を緑にするのは良いと思いますね。

そして、緑の効果を得るという点で考えると、緑と認識しやすい、身近なインテリアなどを緑にするのも良いでしょう。お部屋のカーテンや壁紙などが緑に近い色だと、目をリラックスさせる効果はあると思いますし、緑を見ることはピントを合わせる働きがある毛様体筋にも良い影響があると思います」

吉祥寺森岡眼科院長

森岡清史先生

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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