視力もトレーニングで鍛えられるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「目」について。視力もトレーニングで鍛えられるってホント? 吉祥寺森岡眼科の院長、森岡清史先生にお話を伺いました。
Q:視力もトレーニングで鍛えられるってホント?
体の筋肉は筋トレで鍛えることができるから、目の筋肉も鍛えられると考えてもおかしくないですよね。そして、目の筋肉を鍛えることで視力が良くなるというウワサが…。それって本当なのでしょうか? さっそく、この疑問を森岡先生に聞いてみました!
A:ホント
「鍛えるというか、ストレッチをすると良いですね。レンズの役割をしている水晶体の厚みを調整する、毛様体筋の動きが良くなることで視力も鍛えられます」(森岡清史先生・以下「」内同)
注目するべきは毛様体筋!
「目には毛様体筋という筋肉があり、それが水晶体の厚みを調整して、ピンとを合わせています。そのため、毛様体筋の動きがスムーズになればピントを合わせる機能が上がり、視力も良くなると言えます」
毛様体筋を鍛える方法は
「現代人は近くを見る生活が多すぎるので、少しでも遠くにピントを合わせてあげることがトレーニングとして必要になってきます。トレーニングは、30cmの目標と3m以上の目標を作り、それを交互に見るという方法です。手前を5秒見たら、遠くを5秒見るというのを1分程度繰り返します。これだけでも効果はあると思います。ずっとパソコンばかり見ているときは、1時間に1回は窓から外を30秒から1分くらい見ると良いですね。
近くにピントが合っているときは毛様体筋が緊張している状態で、遠くにピントを合わせることで緊張が取れます。力を入れっぱなしだと疲れてしまうことは想像できますよね。そのため、緊張状態からリラックスさせてあげるという作業が大事になってきます。
毛様体筋も筋肉ですが、体のように何かの負荷をかけて鍛えるという方法は難しいので、ストレッチをして筋肉をほぐしてあげるのが良いでしょう」
Point
・近くを5秒見る、遠くを5秒見るを1分繰り返す・スマホやパソコン作業のときは1時間に1回、1分程度外を見る
子どもは20分に1回は遠くを見るように
「大人には近くを見る作業のときは、1時間に1回は遠くを見て、目を休めるように伝えていますが、子どもはもっと短い20分というのが良いと言われています。20分というのは正直驚きの短さだと思いますが、子どもの目の方が、大人より影響を受けやすいということが十分にあり得ます。子どもの目のほうが近視になりやすい状態に簡単になってしまうので、それくらい厳格にやった方が良いのだと思います。オンライン授業やゲームなどに集中していたら、あっという間に20分過ぎてしまいますが、現代の生活ではそれほど気をつけないと、近視になりやすい人はすぐになってしまう可能性があるということです」
文/土屋美緒
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浜松医科大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科にて網膜色素上皮細胞の研究に従事し、同大学院を修了。医学博士授与、日本眼科学会眼科専門医認定。都内の眼科に勤務後、吉祥寺森岡眼科を開設。視覚身体障害者指定医・難病指定医でもある。著書は「目は10秒でもっとよくなる!—すぐできる目ヂカラの強化書」(自由国民社)、「見える力がよみがえる 立体 遠近トレーニング」(サンクチュアリ出版)。
吉祥寺森岡眼科