眼精疲労用の目薬は使いすぎると余計に目が疲れるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「目」について。目薬のさしすぎは目を疲れさせるってホント? 吉祥寺森岡眼科の院長、森岡清史先生にお話を伺いました。
Q:眼精疲労用の目薬は使いすぎると余計に目が疲れるってホント?
疲れ目に、専用目薬をさしているのに改善される気がしない。なんなら余計疲れる気がする…なんて声を聞きますが、眼精疲労用の目薬は使い過ぎると余計に目が疲れるってホント? さっそく、この疑問を森岡先生に聞いてみました!
A:ウソ
「眼精疲労用の目薬というのは一般的にはビタミンB12の目薬になりますが、ビタミン剤は使い過ぎても悪さをしたり、悪化することはないと思います」(森岡清史先生・以下「」内同)
いっぱい点眼しても効果は上がらない
「眼精疲労の治療というのはビタミンB12の目薬の点眼と、よく目を休ませなさい、というのが一般的です。ビタミンB12の目薬というのは末梢神経の修復作用などによって、眼精疲労を改善させるものです。点眼し過ぎて悪くなることもないと思いますが、逆に1日何度も点眼したからと言って、その分、改善効果が上がるとも思いません。適切な使用量を守って、使うのがベストでしょう」
ビタミンB12が配合されているものを選ぶ
「市販薬では疲れ目に効くという商品でも、主成分はさまざまで、ビタミンB12が配合されていないものもあります。眼科で処方されるものの多くは、ビタミンB12の点眼薬になるので、疲れ目が気になる場合は眼科を受診して処方してもらうか、市販薬でもビタミンB12が配合されているものを選ぶのが良いでしょう。ビタミンB12の目薬は赤い薬液が目印です」
Point
眼精疲労にはビタミンB12配合の赤い薬液の目薬を選ぶ原因に合わせた治療をするのが大事
「眼精疲労の程度もさまざまあるので、原因となっているものを見極めて、ケアすることが大事です。私のクリニックではストレスや涙のチェック、どういう症状が強いのか、など多角的に診て、悪いところを把握してから眼精疲労にアプローチしていきます。症状によって、酸素カプセルを勧めたり、内服薬を処方したり、サプリメントを勧めたりと、個人に合わせた治療を行っています。眼精疲労の原因はストレスやメガネやコンタクトレンズなどの矯正不良、ドライアイや緑内障などの目の病気、いくつかの症状が重なって起こることもあります。長年、眼精疲労で悩んでいるという人は、眼科で1度詳しく調べてもらうと良いと思います」
文/土屋美緒
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浜松医科大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科にて網膜色素上皮細胞の研究に従事し、同大学院を修了。医学博士授与、日本眼科学会眼科専門医認定。都内の眼科に勤務後、吉祥寺森岡眼科を開設。視覚身体障害者指定医・難病指定医でもある。著書は「目は10秒でもっとよくなる!—すぐできる目ヂカラの強化書」(自由国民社)、「見える力がよみがえる 立体 遠近トレーニング」(サンクチュアリ出版)。
吉祥寺森岡眼科