健康・ヘルスケア
2020.10.28

健診や人間ドックで行われる尿検査や便検査、血液検査で何がわかるの?【女医に訊く#131】

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健診や人間ドックで行われる尿検査や便検査、血液検査、手間もかかるうえ痛みも伴うため、気が重いと感じてしまう方も多いのではないでしょうか? しかし、尿や便、血液には健康状態を知る手がかりとなるさまざまな情報が含まれており、疾病の発見に検査は欠かせません。消化器内科を専門とし、人間ドックでは主に内視鏡検査を担当している医師の宮崎郁子先生にうかがいました。

尿検査で腎臓病、尿路感染症、尿路結石をチェック!

健診や人間ドックで行われる尿検査や便検査。尿や便に含まれる成分や混濁物を調べることで、どのような病気の手がかりを得ることができるのでしょうか? 宮崎先生に教えていただきました。

「尿検査は尿の中に糖やたんぱく質、血液などが含まれていないかを調べる検査。慢性腎臓病、尿路感染症、尿路結石などがわかります。メタボリックシンドロームが起因となる腎臓障害も増えており、陽性が出た方は再検査や精密検査が必要です」(宮崎先生)

ほかにも、尿検査でピロリ菌(胃炎や胃潰瘍などの胃の病気に深く関わる細菌)の有無や、尿細胞診でがん細胞や炎症性疾患の有無を調べることもできます。年1回程度、定期的に調べてもらいましょう

便潜血検査で消化器に潰瘍やがんがないかを調べよう

今や大腸がんは女性のがんによる死亡数の第1位(厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況」)。食の欧米化などにより近年は大腸がんになる人が増えており、男性はおよそ10人に1人、女性はおよそ12人に1人が、一生のうちに大腸がんと診断されています(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「2017年データに基づくがんに罹患する確率~累積罹患リスク」)。

「食事のほかにも運動不足、野菜・果物の摂取不足、肥満、飲酒などがリスク要因として考えられます。また、大腸がんの家族歴がある方はリスクが増大します」と宮崎先生。

大腸がんや大きめのポリープがあると、便が大腸内を移動する際、便と組織が擦れて血液が付着します。健診や人間ドックで行われる便潜血検査は、便に血が混じっているかどうかを調べる検査。目に見えないわずかな出血も検知することができます。

「便潜血検査では通常二日分の便を提出します。ひとつでも引っかかった場合は、大腸内視鏡や注腸X線検査、大腸CT検査などを行います。ときどき『痔だから陽性になった』と思い込んでしまう人がいますが、陽性になったら必ず検査を受けましょう」(宮崎先生)

大腸がんは早期であれば90%以上が完治するとのこと。要精密検査となった場合はもちろん、便秘症の人、便に血が混じることがある人、ご家族に大腸がんの方がいらっしゃる人は、30代でも一度、内視鏡検査を受けて、早期発見・早期治療をめざしましょう。

血液には健康状態を知る手がかりとなるさまざまな情報が!

人間ドックの血液検査では、肝臓、腎臓、脂質異常症、糖尿病、貧血、リウマチ、炎症反応、甲状腺機能など、数多くの病気のリスクについて調べることができます。例えば、前糖尿病(糖尿病予備軍)の方は、人間ドックを受診してライフスタイルの指導を受けることで、リスク要因が減り、糖尿病の進行の予防になるのです。

ほかにも、主ながんの腫瘍マーカーを追加しているドックもあります。腫瘍マーカーとは、がん細胞がつくり出す特殊な物質のこと。がん細胞から血液あるいは尿中に漏れ出したマーカー量を測定することで検査します。

「ただし、腫瘍マーカーはがんのサイズが大きくならないと変化しないものもあります。よって画像診断など、ほかの検査と組み合わせることで、大腸、膵臓、肺、胃、肝臓、前立腺、子宮、卵巣などのがん発見に有用です」(宮崎先生)

消化器内視鏡医

宮崎郁子先生

東京国際クリニック 副院長。総合内科専門医。消化器病専門医。消化器内視鏡専門医。東京医科大学医学部医学科卒業後、東京医科大学病院消化器内科、内視鏡センター、牧野記念病院を経て、2015年より現職。「女性らしい丁寧さを活かした、患者様にやさしい医療」を心がけ、食生活アドバイザーとしても活躍している。
文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

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