健康・ヘルスケア
2020.5.1

お腹をくだしてるときこそヨーグルトを食べたほうがいいってホント?真相を専門医に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

A:半分ホント、半分ウソ

「これは、何が原因でお腹をくだしているかによります。普段からお腹をくだしやすい・下痢体質であるという人にとっては、腸内環境を整える意味でもヨーグルトを食べるのは良いことだと思います。

その理由は、下痢や便秘といった症状の多くは、腸内細菌のバランスが乱れ、悪玉菌が優勢になることで起きるから。善玉菌を増やして腸内環境を整えれば改善していきますが、その際、善玉菌のエサとなってくれるのが、ヨーグルトをはじめとする発酵食品に含まれる乳酸菌なのです。
一方、風邪や胃腸炎などでいつもよりお腹がゆるくなっている場合、ヨーグルトはあまり適していないと思います。体調を崩しているときは胃腸の活動が弱まり、動物性食品や脂肪分の多い食事を消化しにくくなるからです。

身体を回復させるためにも食事は消化吸収の良いものがベターですし、たとえ食欲が落ちていても、脱水症状を起こさないよう温かいドリンクでしっかり水分補給をしていきましょう。もし乳酸菌を摂取したいならば、納豆や味噌のような植物性の発酵食品がオススメですよ」(小林先生・以下「」内同)

 

乳製品の「隠れ遅延型アレルギー」に注意!

「ヨーグルトはとても優れた発酵食品ですし、腸活の一貫で積極的に摂取するのはとても良いと思います。しかし、実は最近、50代以下の世代に乳製品の遅延型アレルギーがある人が増えています。

遅延型アレルギーは食後すぐにアレルギー反応が出る即時型アレルギーとは違って、半日~1日、または数日ほど時間が経過してから反応が起こる場合が多く、症状も非常にさまざまのため自覚しにくいのが特徴です。

乳製品の遅延型アレルギーの症状として多く挙げられるのは、肌荒れ、油っぽい便が出る、お腹の張り、吹き出物がいっぱい出る、極度の敏感肌になる…などです。これらはヨーグルトに限らず、乳製品の摂取を止めるとことで症状が緩和することもあります。もしヨーグルトを食べて調子が悪いと感じるならば、もしかして…?と疑問をもってみてもいいかもしれませんね。当クリニックでも遅延型アレルギーの検査を受けることができます。
もし乳製品の遅延型アレルギーが出てしまった場合は、納豆やキムチ、味噌、甘酒といった発酵食品でも腸内環境を整えることもできるので、日常で取り入れやすいものからトライしてみましょう」

 

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小林メディカルクリニック東京
院長

医療法人社団順幸会 小林メディカルクリニック東京で理事長・院長。内科や皮膚科、アレルギー科を始め、便秘外来や人間ドッグなど全身の不調に対応した診療をおこなう。女性に多い便秘に対して医学的観点だけでなく食事や運動といった生活習慣からの指導により、便秘を健康的かつ根本的な改善へ導く”健美腸ドクター”としても名高い。著書に『医者が教える最高の美肌術」(アスコム)、女性の自律神経の乱れは腸で整える』(PHP研究所)など。 ■ 小林メディカルクリニック東京

取材・文/井上ハナエ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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