健康・ヘルスケア
2020.1.1

よく寝ているつもりなのに眠気がとれません! どういう場合は病院へ行くべき?【女医に訊く#89】

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しっかり睡眠時間をとっているはずなのにぐっすり寝た気がせず、日中の眠気もとれない。「もしかして年齢のせい?」なんて考えて、そのままにしてはいませんか? 眠気の原因の探り方と受診のタイミングについて、睡眠専門医の柳原万里子先生に教えていただきました。

眠くなり始めた心当たりはありますか?

「まず眠くなり始めたのはいつ頃か、またその時期に生活や環境の変化がなかったかを振り返ってみましょう」と語るのは睡眠専門医の柳原先生。

心当たりがある場合には、まずそこに改善のためのヒントがあるかもしれません。睡眠時間以外にもカフェインやアルコールなどの嗜好品、ストレスや体調不調、湿度・室温などの寝室環境の変化も眠気へ関係している場合もあります。

「20~30代の美的世代に多い眠気の原因は“睡眠不足”と“睡眠覚醒リズム(体内時計)”の問題。毎日の目の前のことに追われて、実は自分で思っているよりも実際の睡眠時間が短い場合もありますし、夜勤や残業で毎日の睡眠時間が不規則になっていることもあります。

眠くなる心当たりが過去にない場合には、形のない眠気を視覚化すると、新しく気づくことがあるかもしれません。インターネットで“睡眠表”をダウンロードして現在の睡眠習慣を記録してみましょう。その際は睡眠時間のほかに“日中の眠かった時間”を記入するのがポイントです」(柳原先生)

まずは2週間、睡眠習慣を整えましょう

美的世代の方にまず着目してもらいたいのは、“夜にまとめてとっている睡眠時間”、そして“毎日規則正しく同じ時刻に睡眠をとっているかどうか”。

「睡眠時間が7時間未満の日が散見される場合には、まずは2週間、7時間以上を目標に睡眠時間を延長して日中の眠気が変化するか確認をしましょう。慢性の睡眠不足の場合、数日長く眠ったくらいでは眠気はとれません。2週間経った頃に眠気が減っていれば、減った分は睡眠不足による眠気です。残った眠気については睡眠不足以外の原因を考える必要があります。もし眠気が残った場合には、睡眠医療機関を受診しましょう」(柳原先生)

また、入眠や起床の時刻が日によってバラバラになってしまっている場合には、睡眠時間が十分に足りていても眠気を生じやすくなるそう。

「例えばシフトでときどき夜勤がある方の場合、夜勤明けの日中は数時間の仮眠をとるのにとどめ、できるだけ夜にまとめて長く眠るスタイルを保ったほうが睡眠覚醒リズムのバラつき(体内時計の時差ぼけ)にともなう眠気を軽減できます。

週末に遅寝遅起きの習慣がある方も要注意。休み明けの午前中に眠気や起床困難を生じやすくなります。休日でも起床時刻は普段よりも1時間半以上は遅起きしないように心がけ、なるべく睡眠覚醒リズムを変えないよう早寝してしっかりと睡眠時間をとるようにしましょう」(柳原先生)

眠っているあいだのことは自分ではわからない! 困ったら受診を

眠気の原因としてもうひとつ、毎日の眠っている時間の“睡眠の質”の心配があります。睡眠の質とは、眠りの深さのこと。眠りが浅いと、十分な時間眠っているつもりでも、実質的な睡眠は不足してしまいます。

「眠っているあいだのことは自分ではわかりません。上手に眠っているつもりでも、歯ぎしりや足のぴくつき、いびきや無呼吸など、眠りを浅くさせるような睡眠中の身体の問題が隠れているかもしれません。また、ぐっすりと質の良い睡眠をとれていて睡眠不足もないにもかかわらず自制のきかないレベルの強い眠気に襲われてしまう “中枢性過眠症”といった別の睡眠障害もあります。2週間ほど睡眠習慣を整えてみても上手くいかない場合には、睡眠外来を受診して改善策を探しましょう」(柳原先生)

もし睡眠表を記録している場合には受診の際にぜひ持参を。診断や治療に大変役立つそう。睡眠専門医のいる病院や睡眠医療機関認定施設は、日本睡眠学会のホームページで確認できます。

 

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睡眠専門医
柳原万里子先生
睡眠総合ケアクリニック代々木医師。東京医科大学睡眠学講座兼任講師。医学博士。日本睡眠学会睡眠専門医。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医。女性ならではの視点で、細やかな診療を行う。■睡眠総合ケアクリニック代々木

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ(小学館)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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