健康・ヘルスケア
2019.6.4

1時間座りっぱなしで22分余命が縮む!? マンガで読む「座りすぎ」のリスク

長時間のデスクワーク、休日はゆったり座ってテレビ観覧…。あなたは毎日平均何時間座っていますか? なんと!11時間以上座り続けることが日常の人は、少ない人よりも死亡リスクが40%も高くなるというデータが!

座りすぎのリスクを正しく知ることが大切

「これまで健康のためには、いかに運動するかに関心が集まっていましたが、実の所、問題は座りすぎることにあったのです」と話すのは、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の岡浩一朗先生。
「約60年前にイギリスで、2階建てバスの運転手と車掌の心血管疾患のかかりやすさと死亡リスクを比較調査しました。運転手の方が心血管疾患による死亡率が高く、車掌の発症率は運転手の1/2。原因は座りすぎと研究で明らかになったのです」

その後も座りすぎが健康に悪影響を及ぼす研究結果が次々と明らかになっています。美的クラブ150人へのアンケート調査では、81.3%が座って仕事をしていることが判明。仕事だから仕方がないとはいえ将来が心配です!
「食事や運動には気を遣うのに、座りすぎには無頓着な人が多いんです。デスクワークが多い人こそ、座りすぎが問題であることを知って対策を行うことが大切です」
健康を左右する座りすぎについて、正しい知識をしっかり学んでいきましょう!

世界中でもダントツ座りすぎているのはなんと日本人!! “座りすぎ”は肥満・病気を招く原因です

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もっと詳しく座りすぎのリスクを解説

※1 座ってテレビを見る時間が長いと死亡リスクがアップ

オーストラリアの研究機関が8800人を対象に6.6年にわたって追跡調査した研究によると、テレビを1日4時間以上見ている人は、1日2時間未満の人よりも、総死亡率が1.46倍になると判明。
「さらにこの研究データを基に生命表分析を行った結果、テレビ視聴で1時間座り続けるごとに、1日22分ずつ平均余命が短くなるという結果が報告されたのです」

 

※2 座っている時間が長い程死亡リスクは高くなる!

オーストラリアの研究機関が22万2,497人を3年近く追跡し、『1日に座る時間と死亡リスク』を検証。その結果、座る時間が4時間未満と比べて、8~11時間の人は15%、11時間以上の人は40%も総死亡の割合が高くなると判明。

 

※3 仕事での座りすぎも乳がんのリスクを高める!?

アメリカで行われた10万人弱を12年間追跡した研究では、座っている時間とがんの関係も明らかに。
「総座位時間が1日4時間未満に比べて、8~11時間の人は、がんでの死亡リスクが約20%高くなります。また、女性が気になる乳がんの罹患リスクに関する研究では、仕事での座位行動が大きく影響するとわかってきています」

 

※4 テレビ視聴時間が増えると12年で腹囲が6cm以上増!

「私の研究チームが、25歳から74歳の3,261名を追跡調査し、『体を動かすこと』と『テレビ視聴』が腹囲の変化に及ぼす影響について検討したデータでは、ジョギングなどの中高強度の身体活動が減ってテレビの視聴時間が長くなった人は、12年間で腹囲が6.66cmも増えていました」

 

教えてくれたのは…
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早稲田大学スポーツ科学学術院 教授 岡 浩一朗先生
おかこういちろう/健康行動学、行動疫学を研究。座りすぎ研究の第一人者としてメディアでも活躍。著書に『長生きしたければ座りすぎをやめなさい』(ダイヤモンド社)、『「座りすぎ」が寿命を縮める』(大修館書店)など。

 

『美的』7月号掲載
イラスト/齋藤よしこ、森 マサコ(コミック)、尾代ゆうこ 構成/青山貴子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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