金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
日常に潜む美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“女性特有の悩み”について。生理痛のとき、痛み止めはあまり飲まない方が良い…ウソ? ホント? アヴェニューウィメンズクリニック院長・福山千代子さんにお答えいただきます。
ツライ生理痛を和らげてくれる鎮痛剤。クセになる、効きが悪くなるからどうしても辛いときしか飲まないほうがいい、みんな辛いんだから我慢すべき、なんていう人もいて、服用にうしろめたさを感じている人も多いです。実際、生理痛のときには鎮痛剤は飲まないほうがいいのでしょうか。
さっそく、この件について福山先生に聞いてみました!
「漢方でも痛み止めでもピルでも、一般的に効果が認められている薬は使って下さい。ツライ痛みを我慢し続ける必要はまったくないです。
子宮内膜症などの病気があれば、それを進めないためにホルモン系の治療をすることもあります。機能性月経困難症と言われる、病気ではないけど強い生理痛があるという人たちもたくさんいます。クリニックでは症状と本人の希望にあったお薬を選んでいきます。低用量ピルでホルモンバランスを整える方法もありますし、それこそ、鎮痛剤で痛みを抑えるといった対処法を用いることも。
妊娠希望の方でしたら低用量ピルは使用せず、漢方を処方して妊娠を促していく、という方法もあります」(福山先生・以下「」内同)
「生理痛緩和のために、普段の生活の中で気をつけて欲しいことは体を冷やさないことです。冷えて血流が悪くなることで生理痛は悪化します。
具体的には、骨盤まわりの血流を良くするために、カイロなどを使ってお腹や腰まわりを温める。腹巻きでもいいですよ。
なるべく生理中は温かい飲み物を飲んで、食べ物にもちょっと気をつけましょう。とはいえ、カフェインは体を芯から冷やしてしまうので控えめに。食べ物はクールダウン効果のあるようなウリ系のものは避けましょう。また唐辛子などは一時的に体温が上がりますが、発汗することで下がってしまうので注意して下さい。
入浴も生理痛緩和によい方法です。ひと昔前までは、「生理中は湯船に浸かるな」と言われていましたけども、それは、大家族で暮らしていたり、銭湯など日常的に公共のお風呂に入る人が多かった時代のこと。お湯に浸かった方が腰まわりもしっかり温められるので、一人暮らしなどであれば、入浴もおすすめします。ただし、貧血でフラッフラというときに入浴すると血圧が下がってしまうので、そういったときは控えましょう」
生理痛の予防と緩和は、とにかく体を温めること。それでも痛いときには、ムダに我慢せずに信頼できる薬を頼りましょう。
アヴェニューウィメンズクリニック院長
日本産科婦人科学会専門医
金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
文/土屋美緒
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