金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
日常に潜む美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“女性特有の悩み”について。妊娠中は肌荒れもするけど、つやつやになるパターンもあるって…ウソ? ホント? アヴェニューウィメンズクリニック院長・福山千代子さんにお答えいただきます。
妊娠中は女性ホルモンのバランスが変わることによって、肌にも影響が出ると言う話を耳にします。肌荒れはちょっと心配だけど、逆にきれいになってつやつやになれるなら……。
さっそく、この疑問を福山先生に聞いてみました!
「妊娠中は一般的に肌をきれいにすると言われている、女性ホルモンの一種であるエストロゲンがたくさん分泌されます。日常生活の中で、エストロゲンは、排卵期に最も多く分泌されますが、妊娠中はその何十倍も出るわけです。
エストロゲンが出ている分、妊娠中は肌のつやつや度が上がります。
しかし、妊娠を維持するためのもう1つの女性ホルモンである黄体ホルモンも分泌量が増えます。
黄体ホルモンの作用のひとつに、皮脂の分泌を多くするというものがあります。それによって吹き出物ができたりして肌荒れに悩む方もいますね。だた、この件については個人差があります。エストロゲンの影響を強く受けて、すごく肌の調子が良くなる人もいれば、黄体ホルモンの影響を受けて吹き出物ができやすくなってしまう方もいるので。人それぞれというのが正直なところです」(福山先生・以下「」内同)
「妊娠中に肌荒れが生じても、肌がつやつやになっても、それはその期間の一時的なもの。エストロゲンも黄体ホルモンも、出産すれば通常通りになります。そうすると、妊娠中の肌の変化もおさまります。
女性ホルモンの影響でそばかすやシミなどがでやすくなるという現象もありますが、それも妊娠が終わればだいぶ落ち着くので、そこまで心配する必要はありません。
また、妊娠中は、おへそのところに1本色素沈着の線が出たり、ワキが黒くなったりと、色素沈着が起こりやすくなります。そういった現象もエストロゲンが増えたことによって起こるという説があります。しかし、これもエストロゲンの分泌量が減れば自然に治っていきます」
妊娠経験者は納得する部分もあり、未経験者は気になる部分もあったかと思います。でも、妊娠中のトラブルは出産を終えれば落ち着いてくる、ということでホッとしたのではないでしょうか? 肌や体の変化ごと楽しめる妊娠生活を送れたらいいですね。
アヴェニューウィメンズクリニック院長
日本産科婦人科学会専門医
金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
文/土屋美緒
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