金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
日常に潜む美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“女性特有の悩み”について。女性ホルモンは増やした方がいい…ウソ? ホント? アヴェニューウィメンズクリニック院長・福山千代子さんにお答えいただきます。
女性ホルモンがアップすると女性らしい体になるとか、肌にハリやツヤが出てキレイになれるとか……。実際のところはどうなのでしょう!?
さっそく、この疑問を福山先生にぶつけてみました。
「女性ホルモンを増やせばキレイになれる!というのは大きな間違いで、多くても少なくても良くないものなのです。バランスも大事で、適量がちょうど良いものです。
ホルモンが多くなったからと言っておっぱいが大きくなるなんてこともありませんし、むしろ、乳がんなどのリスクが高くなってしまうかもしれませんよ。
生理が来なくなると、排卵しなくなったりしますから、そのときは足してあげた方が良いけれど、ちゃんと排卵して、生理が来て、妊娠を維持できるホルモン量が出ていればそれでOKなのです。
エストロゲン類似作用がある成分が入ったサプリなどもありますが、服用して不正出血を起こして来院される方も人います。このことからも、女性ホルモンは、多ければ多いほど良いホルモンではないということがわかると思います」(福山先生・以下「」内同)
「閉経して自分の卵巣から女性ホルモンが出なくなったという場合は、女性ホルモンが結合するレセプターが空いているので、大豆イソフラボンや女性ホルモン様物質を摂ると、結合して作用します。
それでも生理が復活するほどの効果はないですし、この食べ物を食べていたらいつまでも妊娠できるといったことは基本的にはないと思っていただいた方が良いと思いますね。今まであったけれど、減少してしまったものを補うことで、体調不良が少し良くなったり、そういった効果は期待できると思いますが……」
女性ホルモンは多ければ多いほど良いというわけではないということ。多すぎることで起こるリスクもあるので、無理に増やす必要はなし。年齢や体調に応じた女性ホルモンの適量を考えていきたいものですね。
アヴェニューウィメンズクリニック院長
日本産科婦人科学会専門医
金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
文/土屋美緒
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