夕方の足のむくみは軽減できるってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「足のトラブル」について。夕方の足のむくみは軽減できるってホント? 「下北沢病院」院長の菊池守先生にお話を伺いました。
Q:夕方の足のむくみは軽減できるってホント?
朝はすんなり入った靴が、夕方にはむくみでキツくなっている、なんて経験ありませんか?足も痛くなるし、太く見えるしいいことなし。どうにか解消する方法はないのでしょうか。そこで、足のむくみの対処法について菊池先生に聞いてみました。
A:ホント
「軽い運動やマッサージ、グッズを使ってむくみを軽減することができます」(菊池守先生・以下「」内同)
足に起こるむくみとは?
「むくみは浮腫(ふしゅ)とも呼ばれています。足のむくみは心臓に血液を戻す血管に問題がある場合も多く、そのサインとも言えます。
体を流れる血液は心臓から動脈を通り、全身へ酸素や栄養を届け、そのあと、排出された二酸化炭素や老廃物は静脈を通って、心臓に戻されます。静脈は重力に逆らって心臓に血液を戻す必要があるため、ポンプの役割を果たすふくらはぎの筋肉を収縮させる必要があります。
しかし、何らかの理由でその流れがうまくいかなくなると、静脈やリンパ管の流れが停滞して、ふくらはぎのむくみが起こります。
慢性的なむくみについては心臓、肝臓、腎臓などの臓器の障害が疑われるほか、下肢静脈瘤やリンパ浮腫、エコノミークラス症候群といった病気の可能性もあります」
むくみの予防と対処法
「長時間の立ち仕事や座りっぱなしの仕事でも、重力によって、どうしても足はむくんでしまいます。
足のむくみを取るためには重力に逆らって心臓に血液を返すポンプ作用が重要です。立ちっぱなし、座りっぱなしではなく、定期的に足を上げたり、屈伸をする、マッサージをする、つま先やかかと上げをする、などをしてふくらはぎの筋肉を動かすことでポンプを刺激して血液を心臓に戻すようにしましょう。
日中にも着圧ソックスやストッキングを履いて、ポンプ作用をサポートしてあげるのも有効です。
自宅に帰ったら入浴中や入浴後に、足先から足の付け根のほうに向かってマッサージをする。寝るときは少しだけ心臓より足を上げる。寝るときにも着圧ソックスやストッキングを履くというのもおすすめです」
冷えやむくみにアキレス腱伸ばしが効く
「ふくらはぎは第二の心臓と言われていますが、その大部分を占めているのがアキレス腱につながる下腿三頭筋です。アキレス腱が硬いと伸縮できないことで下腿三頭筋がしっかり使われず、ふくらはぎのポンプ作用が落ち、脚の血流低下にもつながります。そうすると、冷えやむくみを助長することになりかねません。
逆にアキレス腱をしっかり伸ばして柔らかい状態を保つことができれば、血流アップにつながり、冷えやむくみも改善することができます。
アキレス腱は歩行においても重要な役割を担っていて、柔軟性を保つことは血流悪化を防ぎ、足の痛みを防ぐことにもつながります」
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文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2000年大阪大学医学部卒業。アメリカ・ジョージタウン大学創傷治癒センターに留学した際、足病学に出会う。帰国後、佐賀大学医学部附属病院形成外科診療准教授を経て、日本初の足の総合病院「下北沢病院」開設後院長就任、現在に至る。
年齢に関係なく、いつまでも自分の足で歩くための「足の若返りメソッド」を考案。多くのメディアにも取り上げられている。
著書に「足の専門家が教えるー100歳までスタスタ歩ける足のつくり方」(アスコム)。下北沢病院医師団著書に「“歩く力”を落とさない!新しい「足」のトリセツ“歩く力”を落とさない!新しい「足」のトリセツ」。
■下北沢病院