健康・ヘルスケア
2022.4.27

大人のニキビと思春期ニキビはどう違う?おすすめの大人のニキビ対策は?【女医に訊く#195】

19590%以上の思春期男女が経験するといわれている思春期ニキビ。思春期にできるニキビと大人になってできるニキビは、何が違うのでしょうか? 大人のニキビの原因と対策について、形成外科専門医の西嶌順子先生にうかがいました。

思春期にニキビが増えるのはなぜ?

通常、乳児〜学童期までは皮脂量が少ないといわれていますが、女性も男性も成長ホルモンや男性ホルモンの分泌量が急激に増加する13〜18歳頃は、男性ホルモンが皮脂腺を刺激して、皮脂分泌が活発になります。

「皮脂の分泌量が急激に増えると、排出しきれずに残った皮脂が、古くなった角質などと混ざり、毛穴を詰まらせてしまいます。これが思春期ニキビの始まりです。さらに、詰まってしまった毛穴の中でアクネ菌が増殖すると、赤い炎症性のニキビになります」と話すのは、形成外科専門医の西嶌順子先生。

思春期ニキビは、額から鼻にかけてのTゾーン、こめかみ、頬骨のあたりなど、皮脂腺の多い部分にできやすいのが特徴。特にTゾーンの毛穴の数は、顔のほかの部分に比べて約7倍もあり、皮脂分泌が活発なことからニキビができやすくなります。

「皮脂の分泌が多く、脂っこいものをよく食べる思春期は、朝も夜も洗顔料を使って洗顔し、肌を清潔に保つことが大切です。思春期ニキビは第二次成長期が終わり、皮脂の分泌が安定すると、自然に発生しにくくなります。諦めて自分で潰したりせずに、きちんと治療しましょう」(西嶌順子先生)

大人になってもニキビができるのはなぜ?

一方、大人ニキビの発症原因は、皮脂の過剰分泌だけではなく、ターンオーバーの乱れや、バリア機能の低下による角化異常なども挙げられます。また、化粧品やメイクによる毛穴の詰まりのほか、女性ホルモンが影響して生理前後に悪化するケースもあります。

「上記の原因に加え、大人のニキビはストレスや睡眠不足、偏食など、生活習慣が悪化因子となっている場合も多く、なかなか治らず繰り返してしまう方もたくさんいます」と西嶌先生。

西嶌先生が考える大人のニキビの原因は、体の外側、内側、精神面の3つのカテゴリに分けられます。

【原因1】体の外側

適切でないスキンケアは、角質のバリア機能低下や、皮脂の欠乏、皮膚常在菌バランスの乱れなどを引き起こし、乾燥肌やニキビの原因となります。例えば、思春期ニキビ用のイオウ配合の化粧品は、大人ニキビに使用するとかえって乾燥しニキビが悪化することもあります。日常的に使用しているクレンジングや洗顔料には、合成界面活性剤が含まれていることが多く、洗いすぎると皮脂や美肌菌、角質バリアまで失ってしまいます。

ニキビを隠すようにコンシーラーやファンデーションを被せてしまうと、化粧品に含まれる油分が、ニキビをさらに悪化させることもあります。

【原因2】体の内側

大人ニキビには、生活習慣も大きく影響しています。睡眠不足、食生活の偏り、ストレスなどでホルモンバランスが乱れます。ホルモンバランスが乱れたりストレス過多になると、皮脂の過剰分泌から不全角化を引き起こしたり、免疫が抑制されることでアクネ菌の増殖につながっていきます。大前提として化粧品や薬に頼るだけではなく、生活全般を見直すことが大切になります。

便秘にならないことも大切です。便秘になると、腸内にアンモニアや水素イオンが発生し、 腸内にたまった毒素が血液とともに体中をめぐり、皮膚の代謝を低下させたり、ニキビができやすい状態をつくります。

【原因3】精神面

ストレスがたまると活性酸素が増加したり、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールの分泌に比例して男性ホルモンが増え、皮脂の分泌を促すためにニキビができやすくなります。

大人のニキビは、皮脂の過剰分泌だけが発症原因ではなく、男性ホルモンの受容体が多いUゾーンと呼ばれる顎や口周りなど、皮脂腺の少ないフェイスラインにも発生します。こちらも自分で潰したりせずに、適切な治療を受けましょう。

大人のニキビの治し方・防ぎ方は?

「大人のニキビは、炎症を伴うものについては医療機関を受診することが第一選択となりますが、軽度であれば日常のケアで改善を目指すことも可能です。大人のニキビ対策は、生活習慣を見直しつつ、正しいスキンケアを行うことが大切なのです」と西嶌先生。

前述のとおり、大人のニキビの原因は、「体の外側」「体の内側」「精神面」などの要因が複雑に絡んでいます。これらにアプローチするには、「アウターケア」「インナーケア」「ストレスケア」が必要になってきます。

【自分でできる大人のニキビ対策】

アウターケア

◎洗顔はたっぷりの泡でやさしく
◎乾燥肌の人は、朝はぬるま湯のみの洗顔にする
◎クレンジング剤はなるべく使用せず、石けんで落とせる化粧にする
◎洗顔料は、合成界面活性剤が含まれていない純石けんにする
◎アルコールなどの有機溶媒や、合成界面活性剤の含有量が極力少ない化粧品を使用する
◎思春期ニキビ用のスキンケアアイテムは控える
◎ニキビのできているところには、油分の多いアイテムは控える
◎コットンや塗り込む際の摩擦に注意
◎冬など湿度の低い季節は、加湿器を利用するなど室内の湿度管理をする

インナーケア

◎ケーキ、チョコ、アイスといったバターや乳脂肪を使った洋菓子類など、動物性脂質を摂りすぎない
◎糖質の過剰摂取控える
◎便秘予防、腸活を意識した食生活を心がける
◎皮膚の代謝を促すビタミン・ミネラルは積極的に摂る
◎ホルモンバランスを整えるイソフラボンを摂る
◎良質なオイル(オメガ3やオメガ9)を摂る
◎最低6時間以上の睡眠を心がける
◎適度に体を動かす
◎ゆっくり入浴し体の循環をよくする
◎生理前や生理中は、疲れたら早めに寝るなど無理しない
◎禁煙する

ストレスケア

◎ストレス環境の多い場所をできるだけ避ける
◎五感を使ったリラックスを心がける

「大人のニキビ対策には、自分の体の声を聞いてあげることも重要です。疲れているのに無理して仕事を続けたり、睡眠時間を削って仕事をしたり、お腹が空いていないのに時間だからとご飯を食べたりしてはいませんか? 疲れていたら体の声を優先して寝てあげる、お腹が空いたと感じたらご飯を食べるなど、簡単なようでできていない人も多いと思います。自分の体としっかり向き合ってみましょう」(西嶌先生)

形成外科専門医

西嶌順子先生

医療法人道心会 恵比寿形成外科・美容クリニック 院長。助産師、保健師、看護師。聖路加国際大学看護学部看護学科卒業後、新生児特定集中治療室(NICU)、産婦人科などで新生児医療に従事したのち、北里大学医学部医学科に学士編入学。 形成外科医として、がん研有明病院、筑波大学附属病院、新東京病院に勤務したのち現職。 多くの女性が抱える特有の悩みについて、専門医の立場、そして自身の経験に基づく等身大の視点で情報を発信している。2児の母。

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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