岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む
日本形成外科学会認定専門医・日本レーザー医学会認定レーザー専門医
文/木土さや
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“頭皮と薄毛”について。薄毛には種類があるって…ウソ? ホント? アヴェニュー表参道クリニック院長の佐藤卓士医師にお答えいただきます。
近年、女性にも増えてきている髪の薄毛問題。単に毛量が少なくなるだけでなく、薄毛はさまざまな種類があるらしいのです。気になる薄毛の種類と、その予防法とは……?
「薄毛というと、まず挙げられるのが“男性型脱毛症”(AGA)です。生え際や頭頂部から抜けていくのが特徴で、X染色体の男性ホルモンに関連する遺伝子を持っている人が発症しやすいといわれています。さらに、女性の薄毛で多いとされているのが、“びまん性脱毛症”。髪全体が細く、薄くなっていき、頭頂部の分け目が目立つようになります。
そのほかには、免疫異常が原因の円形脱毛症や、甲状腺機能低下症、橋本病、膠原病など、病気が原因で起こるもの。産後のホルモンバランスの変化や、毛髪サイクルによる抜け毛が原因とされる、出生後脱毛症などがあります」(佐藤医師・以下「」内同)
「毛根の形から、髪の健康状態を知ることができます。
本来の健康な毛根はマッチ棒の先のように、丸くきれいに膨らんでいるのですが、毛根の膨らみが細く、小さくなっている場合は、栄養不足や血行不良。毛根が先細って尖っている場合は、円形脱毛症です。
また、ギザギザしているならストレス、白っぽくなっているなら、フケや皮脂の過剰分泌が原因と考えられます。毛根の先端からヒゲのように細い毛が出ている場合、これは新たに毛が生えようとしているところに毛を引っ張ったり、髪を結んだりしたことが原因で、たまたま抜けてしまったといえるでしょう。ちなみに、男性型脱毛症の場合は、毛根が細くなりつつ、軟毛といって柔らかく、本来の毛の長さよりも明らかに短い状態で抜け落ちます」
「健康な毛髪でも、1日に約50~100本抜けるのは自然といわれています。女性の場合は、髪の長さもあるので、10本程度でも、すごくたくさん抜けてしまった!と感じるかもしれません。でも、正常な範囲であれば心配しなくても大丈夫。実際に症状が出ていなくても、予防ケアとして育毛剤や育毛成分を配合した育毛シャンプーを使用するのもよいですね。頭皮を刺激し、血行を良くする頭皮マッサージやブラッシングを毎日行うのが望ましいです。
そのほかにも、脂質や糖質を取り過ぎない、野菜や果物の摂取を心がける、ストレスをためない、睡眠不足や過労に気を付けるなど、生活習慣を日々改善していきこれを継続していくことで、薄毛の予防が可能となります。
いつもより異常に抜け毛の量が多い、髪全体が薄く、細くなってきた……このようなときには、病的な原因が関係しているかもしれないので、ぜひ皮膚科や美容外科を受診してみて」
文/木土さや
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。