健康・ヘルスケア
2025.11.12

疲れたときは必須アミノ酸BCAAをとるといいってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「BCAA」について。疲れたときは必須アミノ酸BCAAをとるといいってホント? 管理栄養士の新生暁子さんにお話を伺いました。

BCAAって何

「必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。人が体内でつくることのできないアミノ酸のため、どんな人にも重要な栄養素と言えます。BCAAは筋肉のたんぱく質を構成する必須アミノ酸の中でも約35%と多くの割合を占めています。

BCAAは筋肉疲労の抑制や筋損傷を軽減する効果もあるため、特に運動をする人や筋肉のケガをした人には積極的に摂取してほしい栄養素です」

Q:疲れたときは必須アミノ酸BCAAをとるといいってホント?

過酷な暑さのなかで過ごしたことによる夏の疲れを引きずったまま秋を迎え、寒暖差が安定しない季節の変わり目に不調を感じる「秋バテ」に悩む人も少なくありません。お疲れの人の疲労回復にも必須アミノ酸であるBCAAは疲労回復にも役立つのだとか。本当なのでしょうか。この疑問について管理栄養士の新生暁子さんに聞いてみました。

A:ホント

BCAAはたんぱく質を構成するアミノ酸のなかでも重要な構成成分です。運動前のBCAAの摂取は運動の翌日以降に発生する筋肉痛および、筋疲労感を軽減するということが報告されています」(新生暁子さん・以下「」内同

BCAAは肉体疲労に効果がある?

「はい。身体で最も大きな臓器は、骨格を動かす筋肉である骨格筋で、体重の約40%を占めます。筋肉のたんぱく質を構成する必須アミノ酸の約35%BCAAが占めていて、食事から摂取が必要な必須アミノ酸のうちBCAAが占め割合は約50%。そのくらい、たんぱく質を構成するアミノ酸の中でもBCAAは重要な構成成分なのです。

運動やトレーニングによって大きな骨格筋のエネルギー代謝が増加します。そうすると、筋肉を構成しているたんぱく質がエネルギー源に変換されることで、筋損傷や筋肉疲労を引き起こします。運動中や運動後は損傷した筋肉を修復するためや疲労回復のためにもアミノ酸が多く利用されます。

BCAAのサプリメントは筋肉中で分解されるので、筋タンパク質の分解を抑制する効果があるとされています。筋肉痛と筋疲労を誘発させる研究では、運動前に45gBCAAを摂取することで運動の翌日以降に発生する筋肉痛および筋疲労感を軽減すると報告されています」

精神的な疲労にも効果は期待できる?

「そこも気になるところですよね。実はBCAAによって精神的な疲労回復についても、効果があったという研究データがあります。精神的な疲労を感じている人にBCAAを摂取させたところ、“疲労感が薄れた気がする”や“どんよりした気持ちがスッキリした”などの自覚的運動強度と精神的疲労の評価が下がったという報告があり、精神的疲労回復についても期待できそうです」

 

管理栄養士・博士(スポーツ栄養科学)、日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士

新生暁子(しんじょう・ときこ)

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文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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