セルフホワイトニングで歯は白くなる? 私に合う方法&サロンの選び方は?【教えてドクター#16】

今や肌だけでなく、歯も美白する時代。そこで今回は、手軽にできると話題のセルフホワイトニングについて、歯科医の関有美子先生に教えていただきました。
セルフホワイトニングはほかのホワイトニングとどう違う?
最近、歯の黄ばみが気になるのでホワイトニングをしたいと思っているのですが、ホワイトニングにはどんな種類があるのでしょうか?
「ホワイトニングには大きく分けて、サロンと呼ばれる場所で行うセルフホワイトニング、歯科クリニックで行うオフィスホワイトニング、自宅で行うホームホワイトニングの3つがあります」(関先生)
セルフホワイトニングに興味があるのですが、どのような違いがあるのでしょうか?
「セルフホワイトニングは歯科衛生士・歯科医師がいない環境で、自分自身で手順に沿ってマシンもしくは道具を使い、歯の着色汚れを落として本来の歯の色にするものです。医療行為が行えないため、過酸化水素の代わりに、炭酸カルシウムや重曹などが使用されます」(関先生)
●オフィスホワイトニング
歯科衛生士・歯科医師がいる環境で、医療者が行います。使用する薬剤は、歯の内側まで漂白して歯自体を白くする効果のある、歯科医院でしか取り扱いできない過酸化水素。特殊なライトを照射して化学反応を早めるため、短期間で効果を実感できます。ただ、一回行うだけでは色戻りも早く、数か月程度で徐々に元の色に戻っていきます。
●ホームホワイトニング
歯科クリニックで専用のマウスピースを作ってもらい、そのマウスピースの中に歯科医院専売の薬剤を入れて毎日数時間、自分自身で歯に装着して行います。使用する薬剤は、オフィスホワイトニングで使用するものより濃度が低いものが多い傾向にあります。
「ホームホワイトニングで使用する薬剤に含まれている成分は、過酸化尿素と呼ばれるもので、歯の表面のエナメル質に塗布した後、即座に着色を落とすのではなく、歯の内側まで浸透して、ゆっくり白くしていきます。少しずつ時間をかけて歯を白くしていきますので、オフィスホワイトニングよりも時間はかかりますが、後戻りもしにくいです」(関先生)
セルフホワイトニングを行うサロンの選び方は?
セルフホワイトニングに興味があるのですが、どのような人におすすめですか?
「セルフホワイトニングは、歯そのものを白くすることはできず、その人が持つ本来の歯の色に戻してあげることが目的になります。ワインやたばこなど歯に着色しやすいものが好きで、そういったものによる着色を改善したい人には、セルフホワイトニングをおすすめします」(関先生)
サロンを選ぶ際の注意点はありますか?
「セルフホワイトニングでは、歯の表面に付着した着色を除去することはできても、歯そのものを白くする効果は期待できません。それを、あたかも歯自体を白くするような誇大広告しているサロンなどには注意が必要だと思います」(関先生)
ホワイトニングを行う際は、それぞれの効果をしっかり把握してから、自分に合ったサロンやクリニックを選びましょう。
セルフホワイトニングの効果を実感できるようになるには?
セルフホワイトニングの効果は何回くらいで実感できますか?
「その人に着色汚れがどの程度ついているかによります。ワインやたばこなど、歯に着色しやすいものが好きで習慣化しており、そういったものによる着色がどんどんつく人ならば数回は必要かもしれません。ただ、あくまで着色汚れを落とす作業なので、ご自身がもう色が変わらないなと実感されたらやめ時かなと思います」(関先生)
セルフホワイトニングの効果を上げる方法はありますか?
「日常生活で着色するものをあまり摂取しないこと。着色汚れが強ければ強いほど落としにくくなるので回数もかかります。また、ホワイトニング用歯磨き粉を使って日常から着色対策をしておくことが大切です」(関先生)
白い歯を保つには、着色予防はとても大切です。「食べたら磨く」を習慣化して、毎日しっかりケアしましょう。
「美的子ちゃんの教えてドクター!」過去の連載一覧はこちら
文/清瀧流美 ※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
1985年、愛知県生まれ。歯科医師。東京医科歯科大学卒業後、同大大学院に。学生時代からモデル、エステティシャンとしても活動していた経験を生かし、「治すだけでなく前よりも美しく」という考えを元に歯科医療に携わる。現役歯科医として勤務する傍ら、『CanCam』などの女性誌やバラエティ番組など、メディア出演も数多い。主な著書に『乙女のモテ小顔レッスン』(幻冬舎)。