大人ニキビ・吹き出物に効く薬は? 医師が教える「対策」と「薬の選び方」
ポツポツとできる吹き出物、いわゆる大人ニキビは、思春期ニキビとは主な原因やできやすい場所が異なります。長引いたり、繰り返しできる吹き出物には、薬での適切なケアがおすすめ。市販で購入できる塗り薬、飲み薬もご紹介します。
大人ニキビ・吹き出物と思春期ニキビの違いは?
- 大人ニキビ……ホルモンバランスの乱れが原因
- 思春期ニキビ……男性ホルモンや女性ホルモンといった、性ホルモンが急激に増えることが原因
「大人ニキビができてしまういちばんの理由は、ホルモンバランスの乱れ。とくに、男性ホルモンが増えることで大人ニキビができやすくなります。大人ニキビができては治り、またすぐにできてしまうといった、大人ニキビを繰り返してしまう人も珍しくありません」(三宅先生・以下「」内同)
「思春期ニキビは、男性ホルモンや女性ホルモンといった、性ホルモンが急激に増えることが原因です。もともと毛穴の数が多く、皮脂腺が発達している箇所である“Tゾーン”を中心に、ニキビが増えやすくなります」
部位別に解説!吹き出物やニキビができる原因
美容皮膚科医 美容皮膚科タカミクリニック 副院長
山屋雅美先生
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
■美容皮膚科タカミクリニック
【額】
「皮脂が多い10代〜20代前半はTゾーンや頬にニキビができやすいですが、20代後半になっても額にニキビが出る場合は、乾燥とスキンケアの油分過剰や、こすり過ぎなどの間違ったスキンケアが原因の可能性があります。
シャンプーやトリートメントなどのヘアケア剤、洗顔料のすすぎ残しがないようにするということも基本の予防策です。そして、刺激や汚れの原因となる髪の毛が肌に当たらないようにするなどの工夫も有効です。
スキンケア時にできるだけ摩擦がないように気をつけることや、オイルやクリームなどの油分が多すぎるアイテムはニキビができやすい部位には使用しないといった、スキンケア習慣の見直しも必要です」(山屋先生・以下「」内同)
- ヘアケア剤や洗顔料のすすぎ残しがないようにする
- 髪の毛は肌に当たらないように工夫する
- スキンケア時の摩擦に気をつける
- 油分が多いスキンケアアイテムはニキビができやすい部位には使用しない
【鼻】
「皮脂腺が発達しており、皮脂分泌が多いため、ニキビができやすい部位です。また、角栓が気になってゴシゴシとこすり洗いをしてしまったり、角栓を取ろうと爪で引っ掻いたりしていると、刺激になるとともに、細菌が入ることからもニキビができやすくなります。
また、今はマスクをしている時間も増え、マスクですれやすい場所のため、刺激が原因となり、ニキビができやすくなっています。
まずは長時間洗う、こすり過ぎ、皮脂を取り過ぎるなどの“落とすケア”をしていないか確認して、思い当たる部分があれば控えるようにしましょう。そして、ニキビや角栓のNGケアとなる、角栓を無理に取ることは控えましょう。さらに、気づかぬうちにやっている触り癖にも注意しましょう」
- 落とし過ぎのケアをやめる
- 角栓を無理に取ることをやめる
- 触り癖をなくす
【口周り】
「食べ過ぎや偏食などで胃腸が弱ったりすると、口周りにニキビが増えると言われています。また、フェイスライン同様に口周りもヒゲが生える場所ですから、男性ホルモンの影響が強いとされていて、ストレスにより悪化する傾向にあります。体質的なものとしては、産毛が濃い人は毛穴が詰まりやすいため、それが原因となって、ニキビが発生することもあります。
胃腸が原因だと思う場合は、食事のバランスに気を使うようにしましょう。男性ホルモンの影響が考えられる場合は、ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにすることも大事になってきます。産毛が濃い場合は、脱毛をするというのも手です」
- 食事のバランスに気をつける
- ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする
- 産毛が濃い場合は脱毛も有効
【フェイスライン、顎、顎裏】
「フェイスラインなど、いわゆるUゾーンにできるニキビは、ホルモンバランスの乱れによる過剰な皮脂分泌だけでなく、肌の乾燥、そのほか、過度のストレスや睡眠不足などの生活習慣、間違ったスキンケアなど、複数の原因が重なって発症されると言われています。
ストレスなどでホルモンバランスが乱れることで、男性ホルモンが優位になると、皮脂量が増え、肌が硬くなることからニキビができやすくなります。
また、ついついやってしまいがちな、頬杖をついたり、触ったりするという癖もフェイスラインのニキビのきっかけになります。触り癖がある場合は、触らないようにする努力も必要です。
また、マスク生活の今は、マスクですれやすい場所にもなるため、その刺激からもニキビが出来やすくなっています。できるだけ顔の形に合ったマスクを選び、摩擦を最小限にするようにしましょう。
偏った食事なども影響すると言われているので、食事のバランスに気をつけるなどの気遣いも大切です」
- ホルモンバランスを整えるため、ストレスを溜めないようにする
- 触り癖をなくす
- 顔の形に合ったマスクをする
- 食事のバランスに気をつける
【頭】
「頭皮は皮脂腺が発達しており、皮脂の分泌が盛んな部位です。大量に分泌された皮脂によって毛穴がつまることで、頭皮にもニキビができます。普段から顔がベタつくような、オイリー肌タイプの人は、頭皮ではもっと皮脂が出ている可能性があるので、注意が必要です。シャンプーの回数を増やす必要はありませんが、洗髪のときは髪の毛そのものより、頭皮の汚れを落とす洗い方をするように心がけましょう。
シャンプーは頭皮への刺激が少ないものや、やさしい洗浄力のものを使用するのがおすすめです。皮脂が気になるからと、男性用などの洗浄力の強いシャンプーを使用すると、皮脂を取り過ぎてしまい、乾燥ニキビを誘発するリスクが高まります」
- 髪を洗うときは、頭皮の汚れをしっかり落とす洗い方をする
- シャンプーは刺激が少ないもの、やさしい洗浄力のものを使う
【背中】
「体の中でも背中は皮脂分泌が多く、ニキビができやすい部位です。また、汗腺も豊富で汗をかきやすく、衣類で覆われていることも多いため通気が悪く、蒸れやすいことや、衣類や下着の摩擦による刺激もニキビ発生の要因になります。
そして、背中はアクネ菌の繁殖が原因で起こるニキビ以外にも、マラセチアというカビの一種が増殖する“マラセチア毛包炎”にもなりやすい部位です。一見、ニキビと見分けがつかないため、ニキビ薬で対処しがちですが、カビ用の塗り薬を使わなければ根治できません。患部を軽くこすってみてポロポロと皮がむけるようなら、マラセチアの可能性大です。その場合は、すぐにクリニックを受診しましょう。
上述した通り、背中は皮脂や汗の分泌が盛んなので、きちんと洗浄をして、清潔に保つことが大切です。しかし、ナイロンタオルなどを使用してゴシゴシ洗うのは、角質層を傷め、毛穴のつまりや炎症の悪化に繋がるのでNGです。ボディソープをたっぷり泡立て、手で優しく洗うようにしましょう。汗を多くかく時期は、拭き取り時にこすり過ぎないようにするなどの注意も必要です。
シャワーや入浴が朝派の人は、1日の皮脂や汗を持ち越すことになるので、アクネ菌が繁殖しやすくなります。そのため、その日の汚れはその日のうちに落とすように、夜のうちに入浴するのがおすすめです。
乾燥もニキビの原因になりうるので、しっかりと保湿するというのもポイントです。顔用で使っているものと同じアイテムで良いので、ボディの保湿も忘れずに。ただし、油分の多いオイル系やクリーム系のアイテムは毛穴つまりの原因となることもあり、悪化してしまう可能性もあるので避けましょう。おすすめは敏感肌用の化粧水や保湿ジェルです。
蒸れないようにするという点では、通気性の良い衣類や寝具を使うというのも有効です」
- 汗の拭き取りや体を洗う際はこすり過ぎない
- たっぷりの泡でしっかり洗う
- 夜のうちに汚れを落とす
- 敏感肌用の化粧水や保湿ジェルで保湿する
- 通気性の良い衣類や寝具、パジャマを使用してマメに交換
- 糖分や油分の過剰摂取は控える
「顔の皮脂分泌が多い人は、背中やデコルテも同じような傾向があります。顔中にニキビができやすい人は背中やデコルテにもニキビが多発している場合が多く、同様に治療を行う必要があります」
万が一、潰れてしまったときのリカバリーケアは?
表参道美容皮膚科・副院長
三宅 真紀先生
レーザー治療・アンチエイジング治療のエキスパート。患者様の立場にたった、優しく丁寧できめ細やかなカウンセリングから、ひとりひとりに最適な治療を提案し、高い治療技術により確実に結果を出す。美容・スキンケア全般に豊富な知識を持ち、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。
「黄ニキビが潰れてしまったあとは、毛穴が開いている状態。ここに菌が入ってしまわないように、早めに“抗生剤の塗り薬”を塗って殺菌しましょう。そこから先は、できるだけ触らないように注意して」(三宅先生・以下「」内同)
市販のニキビ用塗り薬の選び方
「殺菌作用や抗炎症作用のあるものを選ぶとよいでしょう。塗るタイミングは、洗顔後に気になる部分にだけに塗ります。合わない薬の場合、かゆみや赤みが出てしまうことがあるため、最初の1~2日は部分的に使用して様子を見るのがベスト。万が一、かゆみや赤みが出てしまった場合は、すぐに使用を中止してください。
市販のものは、効き方がマイルドなので、使用しても症状が改善しないこともあります。その場合は、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします」
市販のニキビ用飲み薬の選び方
「市販されている飲み薬の成分は、ビタミン剤が中心になっています。ストレスでビタミンが消費されてしまうため、ビタミンはしっかり摂るようにしましょう。ビタミンB2やB6、ビタミンC配合のものを目安に選ぶのがよいですね」
市販のニキビ用塗り薬や飲み薬おすすめ6選
資生堂薬品 イハダ|アクネキュアクリーム[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥880 | 16g |
- 炎症を抑えて殺菌しつつ肌に優しい。
- 素肌と同じ弱酸性、ノンアルコールと安心のノンステロイド治療薬。
- ベタつかないジェルクリームタイプ。
ライオン|ペアアクネクリームW[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥950 | 14g |
- 有効成分が赤ニキビの炎症を抑える。
- 抗炎症&殺菌力を発揮しつつ、弱酸性で肌を守る。
- クリームを塗り広げると透明になるので、メイクも重ねられる。
ジョンソン・エンド・ジョンソン|テラ・コートリル(R)軟膏a[第2類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,100 | 6g |
- 膿んでいるひどいニキビに◎
- 抗炎症作用の“ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)”と抗生剤“オキシテトラサイクリン塩酸塩”が膿を抑える。
- 長期使用で赤みが出ることも。
ロート製薬 メンソレータム|アクネス25メディカルクリームC[第2類医薬品](左)
価格 | 容量 |
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¥1,320 | 16g |
- 赤ニキビの炎症を鎮静
- アクネ菌を殺菌し赤ニキビの炎症を鎮める
エーザイ|チョコラBB(R)プラス[第3類医薬品]
価格 | 容量 |
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1,408円/2,618円/3,718円/4,928円 | 60錠/120錠/180錠/250錠 |
- 肌荒れやニキビなどの肌悩みを内側からケアしてくれるのが、サプリメント「チョコラBB(R)プラス」。
- 体の中で直接働く主成分“活性型ビタミンB2”が肌のターンオーバーの正常化を助け、トラブルに負けない肌を目指す。
- 肌ケアと疲れケアに効果的なB群(B6やB1など)を配合し、栄養不足をコントロール。
- 1日2回飲むだけなので、「忙しくてスキンケアに時間をかけられない」という人も続けられそう!
ライオン|ペアA錠[第3類医薬品]
価格 | 容量 |
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¥1,440/¥2,700 | 60錠(30日分)/120錠(60日分) |
- “新陳代謝”に着目したのが「ペアA錠」。
- “グルクロノラクトン”“L-システイン”“生薬ヨクイニン”“ビタミンB2&ビタミンB6”の5つの有効成分が新陳代謝を促し、体の内側から肌状態にアプローチ。
- 「いつも同じところにニキビができる!」「食生活が乱れたり、疲れたりすると、すぐニキビができる!」という人におすすめ。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
レーザー治療・アンチエイジング治療のエキスパート。患者様の立場にたった、優しく丁寧できめ細やかなカウンセリングから、ひとりひとりに最適な治療を提案し、高い治療技術により確実に結果を出す。美容・スキンケア全般に豊富な知識を持ち、数多くの有名化粧品開発にも携わる。テレビ・雑誌などのメディアにも多数出演。