鼻に出来物、正体は? 医師に聞いた原因と改善方法
鼻できる出来物の正体はなに?マスク生活だからこそ増えるものも…。鼻にできる面疔(めんちょう)、鼻ニキビ、鼻茸別に原因と改善方法を専門家に教えてもらいました!顔の中心だからこそ目立ちやすい鼻の出来物、きちんとケアで素早く治していきましょう!
【正体その1】「面疔(めんちょう)」
薬剤師・美容家
花田真理さん
はなだ まり/薬剤師として調剤薬局、化粧品会社勤務を経て、独立。医師と薬剤師の共同開発ブランドを立ち上げ、化粧品の商品開発を行う傍ら、コラム執筆や美容記事の監修など、美容家としても活躍。
- 膿んで痛い鼻の頭にできるニキビに似た吹き出物
- 鼻の頭にできることが多く、膿(うみ)をもって痛い。
- 毛穴に黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して炎症に。
- 稀に髄膜炎になることも。医師でも見分けが難しい。迷ったら即、病院へ。
【正体その2】「鼻ニキビ」
鼻ニキビができる「原因」
- 【小鼻】…皮脂や角質詰まりなど
- 皮脂分泌が多く、皮脂や角質のたまりが主な原因に。
- メイクや汚れがたまりやすいパーツで、毛穴に詰まってニキビになることも。
鼻ニキビの「予防法」
美容皮膚科医 美容皮膚科タカミクリニック 副院長
山屋雅美先生
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
- 落とし過ぎのケアをやめる
- 角栓を無理に取ることをやめる
- 触り癖をなくす
「皮脂腺が発達しており、皮脂分泌が多いため、ニキビができやすい部位です。また、角栓が気になってゴシゴシとこすり洗いをしてしまったり、角栓を取ろうと爪で引っ掻いたりしていると、刺激になるとともに、細菌が入ることからもニキビができやすくなります。
また、今はマスクをしている時間も増え、マスクですれやすい場所のため、刺激が原因となり、ニキビができやすくなっています。
まずは長時間洗う、こすり過ぎ、皮脂を取り過ぎるなどの“落とすケア”をしていないか確認して、思い当たる部分があれば控えるようにしましょう。そして、ニキビや角栓のNGケアとなる、角栓を無理に取ることは控えましょう。さらに、気づかぬうちにやっている触り癖にも注意しましょう」(山屋先生)
「マスク」着用時にできるケア法
松倉クリニック代官山 院長 日本形成外科学会認定専門医
貴子先生
日本形成外科学会認定専門医として、豊富で間違いのない知識により、一人ひとりにあったベストな治療を提案し、有名人をはじめ、多くの女性から圧倒的な支持。その美肌を支え続けている。また、女性の理想の美しさを持っており、雑誌などのメディアでも活躍中。
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- ガーゼなどでマスクが直接触れない工夫を
「ニキビができている状態でマスクの刺激があるとニキビが悪化したり、痕を残しやすくなります。マスクと肌の間にガーゼやティッシュを挟んで摩擦を最小限に」(貴子先生)
【正体その3】「鼻茸」
石戸谷耳鼻咽喉科 院長
石戸谷 淳一先生
いしとやじゅんいち/医学博士。横浜市立大学医学部客員教授。国立国際医療センター耳鼻咽喉科医長、横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科教授などを経て現職。内視鏡下鼻副鼻腔手術のエキスパート。
鼻茸ができる「原因」
「篩骨洞など目に近い副鼻腔に炎症が起こり、放置したことでダメージが目に及ぶと、視覚異常を起こす場合があります。また、慢性副鼻腔炎を放っておくと、鼻茸という良性のポリープができることも。鼻茸は副鼻腔の内部の粘膜が腫れてきのこ状になったもので、大きくなると鼻腔を塞ぐため、鼻呼吸がしづらく、物のニオイがわからなくなります」(石戸谷先生)
症状が治らなければ「耳鼻科」へ
- 鼻のつらい症状や痛みが続いたら迷わず受診を!
「鼻の症状が10日たっても治らなければ、耳鼻科を受診することをおすすめします。アレルギー性鼻炎のこともありますが、細菌性の急性副鼻腔炎の場合は、抗菌薬の内服治療から。顔や歯が痛ければ、鎮痛薬を処方します。通常2週間程服用すれば完治しますが、それ以上たっても症状が続く場合は、慢性副鼻腔炎として、個々の病態の原因を見極めた治療へ。鼻茸の除去や鼻中隔の弯曲修正など、鼻詰まりの原因から取り除く手術も行っています」(石戸谷先生)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
こばやし ともこ/医学博士。同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター研究員。豊橋の山本皮フ科ほかで診療を行う。健康と食を医学的な立場で発信するサイト『ドクターレシピ』を監修。