健康・ヘルスケア
2021.8.27

「生理痛に鎮痛剤を飲むのはよくない」ってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「生理痛」について。生理痛に鎮痛剤を飲むのはよくないってホント? 対馬ルリ子 女性ライフクリニックの石山尚子先生に、お話を伺いました。

Q:「生理痛に鎮痛剤を飲むのはよくない」ってホント?

「鎮痛剤に頼ると、薬にカラダが慣れて、もっと生理痛がひどくなる」などというウワサがあります。「生理痛くらい我慢すべき」「とにかく薬は飲まないほうがいい」ということが正義のように語られていた時代も……。実際のところどうなのでしょうか?さっそく、この疑問を石山先生に聞いてみました。

A:ウソ

「我慢せずに飲んでOKです!むしろ早めに飲むべき。鎮痛剤は飲むタイミングが大事なお薬です」(石山尚子先生・以下「」内同)

鎮痛剤を飲むべきタイミングとは?

「痛みだしたら早めに飲みましょう。生理痛には個人差があるので、痛くなるタイミングがわかっている場合は、痛くなる少し前に飲んでおくのがより効果的です。
月経痛の原因は子宮内膜から作られるプロスタグランジンという物質が子宮の筋肉を収縮させるためと言われています。そして、鎮痛剤はプロスタグランジンが作られるのを抑えることによって効果を発揮します。そのため、プロスタグランジンが大量に出て、痛みが強くなってからでは効果が十分に得られません」

Point

・痛み出したら早めに飲む
・痛くなる少し前に飲んでおくとより効果的

鎮痛剤は飲みすぎると効かなくなる?

「鎮痛剤自体が効かなくなるということはありません。用法、用量を守っていれば、生理痛のある期間に必要に応じて飲んでも大丈夫です。
もし、効かなくなってきたと感じる場合は、別の鎮痛剤を試してみることもひとつの方法です。しかし、子宮内膜などの病気が進行したことで痛みが抑えられなくなってきている可能性もありますので、痛みがどんどん強くなる場合や、生理以外の期間にも痛みがある場合は早めに婦人科を受診してください」

市販の鎮痛剤はどうやって選べば良い?

「痛み止め成分にはロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリン(アセチルサリチル酸)、アセトアミノフェンなどがあります。市販薬には複数の解熱鎮痛成分を組み合わせたものや、胃の粘膜を保護する成分や鎮痛効果を高める効果はありますが、眠気に注意が必要な成分を含むものもあります。効果には個人差があるので、飲み比べて自分にあったものを見つけることをおすすめします。

それぞれの成分について簡単に説明すると、ロキソプロフェンはどんな痛みにも効くとされています。しかし、ロキソプロフェンを含む市販薬は第1類医薬品に分類されるため、薬剤師のいる薬局でのみ購入できるものになります。

イブプロフェンは子宮への移行性が高く、生理痛に効果的とされています。また、アスピリンも鎮痛効果が高いとされています。

そして、アセトアミノフェンはほかの成分と違い、痛みの原因となるプロスタグランジンの産生を抑えるのではなく、脳が痛みを感じにくくすることで鎮痛効果を得るタイプの薬です。比較的、効き目はマイルドですが、胃腸障害が起きにくく、幅広い年代の人に使用されています。そのため、アセトアミノフェンを含む市販薬の中には、小中学生にも使えるものもあります。

また、同じブランド名や同じ成分でも、商品によっては適応がありませんので、よく確認して購入するようにしてください」

Point

ロキソプロフェン…どんな痛みにも効く。薬剤師のいる薬局でないと購入できない。
イブプロフェン…子宮への移行性が高く、生理痛に効果的。はじめて試すならコレ
アスピリン…鎮痛効果が高いとされているが、15才未満の小児には服用させない。
アセトアミノフェン…脳が痛みを感じにくくすることで鎮痛効果を得るタイプ。胃腸が弱い人などにおすすめ。子どもに使えるものもあり。

産婦人科医

石山尚子先生

文/土屋美緒

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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