赤ちゃんに洗顔は必要? 頭と体は同じ洗浄料で洗ってもいい?【女医に訊く#161】
お子さんのいる美的読者からもお悩みで多いのが、赤ちゃんの洗浄について。「ガーゼでゴシゴシ拭いていたのに、顔中ニキビだらけになってビックリ!」なんてことにならないよう、小児の肌に詳しい皮膚科専門医の村田奈緒子先生に正しい洗浄方法をうかがいました。
赤ちゃんに洗顔は必要? 拭くだけじゃダメ?
赤ちゃんの洗顔、どうしていますか? 目や口に泡が入ったら怖いから、おしぼりや沐浴中に濡らしたガーゼで拭うだけ…というお母さんも多いのではないでしょうか?
実は、赤ちゃんは暑がりで汗っかき。新陳代謝も活発なため、肌は汚れやすくなっています。1日1回は洗浄料を使って、体はもちろん、顔もきれいにしてあげましょう。
「洗顔は、顔用の石けんの泡を乗せて、指の腹でくるくると回すくらいでいい。皮脂が取れないからといって、ガーゼでゴシゴシこするのはやめていただきたいですね」と話すのは、皮膚科専門医の村田奈緒子先生。
赤ちゃんの肌は薄くて未熟なため、ゴシゴシこすると傷ついてしまいます。たっぷりの泡でやさしく洗ったら、最後はていねいにすすいで、5分以内に保湿しましょう。
頭と体は同じ洗浄料で洗って大丈夫?
赤ちゃんの頭、何で洗っていますか? 頭も体も洗えるシャンプーで、軽くなでて終わらせてはいないでしょうか? 村田先生によると、頭皮にある皮脂腺の数は、体の約10倍! 頭は、専用のヘアシャンプーをたっぷり泡立て、指の腹を使ってしっかり洗った方がいいのだそう。
「特に、生後1〜2か月くらいの赤ちゃんは、皮脂腺から皮脂が過剰に分泌されて脂漏性皮膚炎になりやすいので、予防のためにもしっかり洗ってもらいたいですね」(村田先生)
脂漏性皮膚炎とは、頭や生え際など、皮脂の分泌が盛んな部位にできる湿疹のこと。赤くなって黄色い汁のようなものが出てきたり、乾燥したうろこ状のフケが出たりします。たいていの場合、生後8〜12か月くらいには自然に治りますが、ひどいとフケが固まって、かさぶたのようになることも。気になるときは、早めに皮膚科を受診しましょう。
洗浄料はどんなものがおすすめ?
ベビー用品売り場へ行くと、たくさん並んでいる洗浄料。いったいどんな基準で選べばいいのでしょう? そもそも大人と一緒のものではダメなのでしょうか?
「赤ちゃんには泡で出てくるタイプの洗浄料をおすすめします。刺激があまりないので、肌の皮脂膜を守りながら、汚れを落とすことができる点がいいですね」と村田先生。
ワンプッシュでキメ細やかなモコモコ泡が簡単にでき、泡切れもいい泡タイプの洗浄料は、新米ママ&パパの強い味方。さらに、無香料、無着色、低刺激、目や口に入っても大丈夫なものなら、赤ちゃんにも安心して使えます。
「アトピーや乾燥が強いお子さんには、固形石けんの方がいいですね。固形石けんは肌の膜をより守ることができるといわれているんです。使うときはたっぷり泡立てて、やさしく洗ってください」(村田先生)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
池上コスモス皮膚科院長。皮膚科専門医。日本アレルギー学会、日本美容皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本レーザー医学会所属。奈良県立医科大学医学部を卒業後、横浜市立大学附属病院、相模原病院などを経て、2020年、池上コスモス皮膚科を開院。自身の育児経験を生かし、親子の気持ちに寄り添った診療で地域医療を支えている。