マスクつけているのにシミが増える!?マスクジミ予防に有効なケアとは?【女医に訊く#154】
マスクで覆っているところは紫外線が当たらないはずなのに、最近シミが増えたように感じたことはありませんか? マスクが肌に与える影響と対策について、皮膚科専門医の慶田朋子先生に教えていただきました。
マスクをつけているのにシミが増える!?
「シミやくすみのもととなるメラニン色素がつくられるのは、紫外線や摩擦などの外的刺激により、肌が炎症を起したときだけではありません。精神的にストレスがかかったときも、メラニン色素はつくられます」と話すのは、皮膚科専門医の慶田朋子先生。
そもそも肌にできるシミやくすみは、さまざまな刺激から細胞を守るために色素細胞(メラノサイト)より過剰に分泌されたメラニン色素が、皮膚に沈着して起こります。メラニン色素が増えるのは、体の防御反応なのです。
「ですから、ストレスがかかったときには顔がくすみやすく、肝斑がある人なら肝斑が濃くなりうるんです」(慶田先生)
シミの予防には紫外線対策に加え、こすらない、ストレスを溜めないことも重要と言えるでしょう。
飲む日焼け止めで紫外線を徹底的にカット!
間もなく紫外線が一気に増える5月。シミ・くすみを防ぐには、塗る日焼け止めクリームに加え、飲む日焼け止めで紫外線を徹底的に防ぐことが効果的と慶田先生。
「飲む日焼け止めは皮膚だけではなく、血管や目など、いろいろな部位の酸化ストレスを防ぎうる強力な抗酸化剤。ブルーライトによる目の疲れや痛みも楽になりますから、パソコン仕事が長い方は目のためにもぜひ飲んでいただきたいですね」(慶田先生)
ただし、飲む日焼け止めは日焼け止めの効果を補うサプリメントです。顔や実際に日に当たるところは日焼け止めをしっかり塗りましょう。
マスクジミ予防に効果的な美容液は?
「マスクの擦れによる炎症を抑えるということであれば、抗炎症作用の高いトラネキサム酸配合の美容液やビタミンCやEなど抗酸化剤の入った美容液がいいでしょう。さらに、トラネキサム酸やビタミンC、L-システインなどのサプリメントも併用して体の中からケアすると、より効果を実感していただけるかと思います」と慶田先生。
肌のターンオーバーを高めるレチノールの塗布もおすすめ。レチノールは「レチノイド反応」という一時的な乾燥感、皮むけ、赤み、ほてり、かゆみ等を起こすこともあるため、苦手な人は、いきなり原液を化粧水のあとに塗るのではなく、保湿剤に対して1/4量くらいのレチノールを混ぜて1日1回使うことから始めると、刺激を感じにくくなるそう。
「肌が慣れてきたら徐々にレチノールの濃度を高くしていくと、レチノイド反応も落ち着いていきます。肌のターンオーバーも整っていきますし、レーザーなどを照射したときの反応もよくなりますよ」(慶田先生)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。