健康・ヘルスケア
2020.6.7

平日の寝不足疲れは週末の早寝で解消できるってホント? 真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

A:ホント。10時間程度までなら長寝もOK

睡眠は長すぎても短すぎても健康に悪いという研究データが存在します。また、睡眠時間は毎日一定のほうが体内時計は安定します。しかし、これまでに多くのな患者さんを診察してきた経験から、平日に6~7時間程度の睡眠をとっている人が週末に10時間程度まとめて寝るのは、“疲れをとる”という意味では問題がないと思います。

ただし、気をつけてほしいのが起きる時間について。寝不足時の過ごし方も含めて、これから詳しくお話しします」根来秀行先生・以下「」内同)

睡眠不足が続くと免疫力が下がる

「睡眠不足が続くとメラトニンが力を発揮できる時間が不足します。睡眠を促進するホルモンとして有名なメラトニンは、抗酸化作用を発揮したり、免疫力を高める作用があります。そのため、メラトニンの作用不足を補うためにも、抗酸化作用がある野菜や果物を積極的に摂取したり、ビタミン類やレスベラトロールなどの抗酸化サプリメントをとるのも良いですね。そして寝不足でつらいときは、仮眠をとるのも手。午前中に寝たほうが体内時計の乱れが小さいので、昼までの間に30分か1時間の仮眠にしましょう」

長寝のときにも起床時間は揃えるべし

「眠る時間が遅くなると、そのぶん朝起きる時間を遅らせれば良いと考えるのが一般的。しかし、起床時間が遅くなると体内時計もずれてしまいます。睡眠時間を中心に考えて起きる時間を調整するのではなく、体内時計を狂わさないことを目的にしましょう。睡眠時間が短くなるのは辛いですが、体内時計が狂うことで不調を起こさないためには、できるだけ毎日同じ時間に起きることが理想です」

起床時間を遅らせると眠りの質が低下する

「毎朝6〜7時に起きている人が、仮に昼ごろまで寝たとしても、眠りの質は低下しているので満足感は得られないでしょう。というのも、本来、人間の体内時計は24時間11分。昼まで寝ていたら、それだけで数時間分の時差ができてしまうからです。時差ボケは1時間直すのに約1日かかるので、寝坊によって体内時計が狂い、その体内時計を修正するのにまた時間がかかってしまうという悪循環が生まれてしまいます。

コロナ禍で在宅勤務になった人やリモートワークの人が増えています出勤しないぶん、深夜まで起きていてしまい、ついいつもより寝坊してしまう人も多いと思います。でも、生活リズムが不規則になりやすいときこそ、自分本来のタイムスケジュールで過ごすことをおすすめします

寝貯めはできないけど…寝不足の疲れを取るベストな方法は?

「体内時計を狂わさないためには、長寝するにしても、いつもと同じ時間に起きることが大切です。平日に睡眠不足の人は、そのぶん休日に多く寝たいと思うはずです。しかし、冒頭にもお伝えしたように、長すぎる睡眠時間は健康に良くありません。いつもより多めの睡眠時間での許容範囲は10時間ぐらいまで。朝起きる時間は変えないほうがいいので、起きる時間から逆算して、超早寝をすることをおすすめします。

そうすることで、平日の睡眠不足による疲労は回復するはずです。ちなみに、睡眠の貯金はできないので、寝貯めして平日短時間で乗り切ることはできないと肝に命じておいてください」

連日の短時間睡眠はNG

1970年の調査では、23時に起きている人は40%程度でしたが、最近の調査だと70%以上。体内時計を整えるために理想とされる12時までに寝るという人は案外少ないのかもしれません。1日34時間の睡眠が2日続くと、血圧や血糖値に影響が出てくるので、忙しくても連続しないようにすることを心がけてください。12日おきにでも、睡眠が少しでも多く取れるだけで、ずいぶん疲労感も違ってくるはずです」

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医師・医学博士
根来秀行先生

ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、杏林大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。近著の『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』(集英社)ほか、ベストセラー多数

 

文/むらなかさちこ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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