金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
日常に潜む美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“女性特有の悩み”について。子宮筋腫は妊娠中も大きくなるって…ウソ? ホント? アヴェニューウィメンズクリニック院長・福山千代子さんにお答えいただきます。
成人女性にもっとも多く見られる婦人科疾患と言われる子宮筋腫。もしできちゃったら、そのままにしておいていいの? 妊娠した場合、赤ちゃんとともに大きくなるって聞くけれど……、実際のところはどうなのでしょう。
さっそく、この疑問を福山先生にぶつけてみました!
「基本的には妊娠中も筋腫は大きくなっていきます。妊娠中は女性ホルモンが多く分泌されているので、赤ちゃんの成長と一緒に育っていきます。子宮筋腫だけでなく、子宮頸がんを患っている場合には、これも進行すると言われています。
ひと昔前までは「子宮内膜症に妊娠は良い治療になる」と言われていました。でも、現在では、チョコレート嚢腫や腺筋症がある人たちは妊娠中のトラブルが多いという報告もあります。妊娠が婦人科疾患に対して、すべて良い治療になるとは言えません。
子宮筋腫や子宮内膜症というのは生理がある期間、徐々に筋腫は大きくなりますし、内膜症も悪化していきます。生理がある年代まではどちらかというと病気は悪くなっていく傾向にあります。
そういう意味では閉経後はその点は良くなっていきます。しかし、閉経前は、妊娠中にトラブルになるような疾患がある場合は手術など対策を取ること、定期的な検診もしっかり受けるようにして、早めの対処ができるようにして下さい」(福山先生・以下「」内同)
「妊活や妊娠希望の女性の場合で妊娠や出産に影響のある子宮筋腫が発見された場合、手術で改善できるものについては手術を終えてから臨むことをおすすめします。子宮筋腫に限らず、妊娠中にトラブルの可能性がある疾患は解決させておきたいところ。
また、妊活すると決めた方は葉酸の摂取も良いでしょう。喫煙は体に良いことはひとつもないので、控えて欲しいことです。アルコールの摂取や激しい運動は妊娠がわかってから気をつけていただければ大丈夫なので、ストレスなく生活してもらうことが大切です」
子宮筋腫は決して他人事ではない婦人科系疾患です。定期的な検診と早めの受診を心がけることが大事ですね。
アヴェニューウィメンズクリニック院長
日本産科婦人科学会専門医
金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
文/土屋美緒
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