金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
日常に潜む美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“女性特有の悩み”について。子宮や卵子も老けるって…ウソ? ホント? アヴェニューウィメンズクリニック院長・福山千代子さんにお答えいただきます。
年齢とともに老化していく私たちの体。年を取ると子宮や卵子も“老ける”のでしょうか。
さっそく、この疑問を福山先生にぶつけてみました!
「ウソか本当かというと本当です。でも、正確には、卵子に対して“老ける”という言葉は当てはまりません。正しくは、年を取るにしたがって質が低下する、です。
卵子の元となる原始卵胞は、生まれたときから卵巣にあります。そして、30歳をピークに質が下がってきます。年齢が高くなると妊娠率も下がりますし、妊娠しても流産してしまったり、赤ちゃんの奇形や染色体異常などのトラブルが多くなってきますが、これは、卵子の質が低下していることが理由のひとつと考えられています。
また、年齢と共に帝王切開率も高くなるので、加齢とともに子宮自体も少しずつ変化していくというのはあると思います。
とはいえ、卵子の老化はあくまでも機能の質の問題。肌のようにシワやシミ、たるんでくるといった見た目が変わるわけではありません。閉経すると、子宮も卵巣も萎縮してくるので、明らかに小さくなっていきますが、それまでは、見た目にいわゆる“老化”といった変化はありません」(福山先生・以下「」内同)
「ちなみに卵子の数ですが、個人差はありますが、だいたい出生時で30万個と言われています。そして、思春期に18万個くらいになり、25才で6.5万個、35才で1.6万個というふうに言われています。
初潮を迎える前も、卵子は生きていて、質の悪いものから減っていきます。そして、思春期の頃には18万個になって、加齢とともにどんどん少なくなっていき、最後になくなったら閉経するという感じです。
閉経も個人差があり、早い人だったら30代で閉経する人もいます。それは、もともとの30万個というスタートの段階から違っていたかもしれないですし、思春期の頃にすごく質の悪いダイエットをしてしまって、影響を出してしまった可能性もあります。
例えば“生理が来ない期間が5年ありました”と言う方がいたら、やはりそこでダメージを受けていて、すでに25才になる頃には3万個しかない状態かもしれないです。そういった環境の影響も受けるので、女性ホルモンが出なくなるような過剰なダイエットや偏った食事、ストレスが強い生活などにも気をつけていきましょう」
子宮と卵子の質を維持するためにも、体と心の健康には、気を遣っていきたいものですね。
アヴェニューウィメンズクリニック院長
日本産科婦人科学会専門医
金沢医科大卒業後、東京大学医学部附属病院など複数の病院で経験を積み、2009年にアヴェニューウィメンズクリニック院長に就任。PMSや更年期障害などさまざまな婦人科系疾患の女性の悩みに親身に寄り添い、患者からの信頼も厚い。
文/土屋美緒
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