人は暑いとイライラしやすくなるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「クールハック」について。人は暑いとイライラしやすくなるってホント? 社会心理学専門の碓井教授とマンダムの澤田さんにお話を伺いました。
Q:人は暑いとイライラしやすくなるってホント?
「蒸し暑いとなんだかいつもよりイライラする」なんて経験ありませんか?暑いと汗をかいたり、不快に感じることも増え、イライラがつのるなんてことも。これは気温が関係している、自然な現象なのでしょうか。人は暑いとイライラしやすくなるってホント? 社会心理学専門の碓井教授とマンダムの澤田さんお話を聞いてみました。
A:ホント
「心理学の観点から問題視する温度の分岐点は30℃です。30℃を超えたあたりから、個々が工夫などをしても心理的、行動的なさまざまな問題が起こる可能性があります」(碓井真史さん・以下「」内同)
暑さとイライラの関係とは
「一般的には22℃がいちばん快適な温度だと言われています。25℃くらいから、決して快適とは言えなくなってきますが、多少の不快感に関してはそれぞれが工夫をすることで、心理的な影響による問題行動は起こりにくいと考えています。
人間が怒ったり、優しくなったり、助けたり、攻撃したりする背景には個々のパーソナリティや相手との関係性が影響しますが、30℃を超えたあたりから、本人が自覚していないような気温の違いといった要素も影響してくることが心理学の観点からわかっています。
暑さによる人への影響という意味では、イライラ以外にもやる気が下がる、元気が出ない、集中力が下がるなども挙げられます。暑いときに思いやりが持てない、などもこちらに該当します」
暑くてイライラしたときは?
「暑さでイライラしてしまうのは仕方がないことなので、暑さを軽減させる方法を考えることが重要です。心理学の研究から推測するに、体がさわやかになることは心がさわやかになることにつながり、人間関係にポジティブな影響をもたらします。
そのため、体をさわやかな状態を保つことは大切だと言えます。暑さによる不快を解消したいときには感覚的に“冷たさ、清涼感を感じる”ことが効果的です」
清涼感が強すぎると逆に不快に感じるのはなぜ?
「クール商品などを使用した際に、清涼感が強すぎると痛みを感じる感覚センサーTRP(トリップ)チャネルA1が刺激され、痛みの感覚を引き起こします。
清涼感を感じることは暑さによる不快感の解消につながりやすいですが、清涼感の感じかたには個人差もあります。マンダムでは感覚センサーTRPチャネルの研究知見を活用することで、多くの生活者に“痛みを引き起こさない快適な清涼感”を感じてもらえるように研究と商品開発を行なっています」(澤田真希さん・以下「」内同)
清涼成分によって強さの違いはある?
「清涼成分としてハッカやミントやメントールなどの成分がありますが、ハッカとミントの主成分はメントールのため、清涼感の感じかたはメントールと似ています。配合量が多いほど清涼感は強くなりますが、一定量を超えるとそれ以上強くならないという特徴もあります。メントール以外にも清涼成分はありますが、メントールが最も強い清涼感を得られます。
そして、体には清涼感を感じやすい部分と感じにくい部分があります。例えば、首は清涼感を感じやすく、腕の外側は感じにくい部位です。また、表面積が広いほど清涼感を感じやすくなります。そのため、同じ清涼成分でも使用部位や範囲を工夫することで清涼感を感じる強さのレベルを調整できるので、試してみてください。ただし、粘膜や顔には刺激が強すぎることがあるので、お気をつけください」
株式会社マンダム
スキンサイエンス開発研究所
クレンズケア製品開発室 グループリーダー
澤田真希
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
1959年生まれ。日本大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程 修了/博士(心理学)。ヤフージャパンニュースオーサー。新潟市スクールカウンセラー兼任。専門は社会心理学。メディア出演はNHK「あさイチ」「視点論点」「チコちゃんに叱られる」、フジテレビ「めざまし8」、読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」など多数。著書には「心理学者からの命のメッセージ」「普通の家庭から生まれる犯罪者」「人間関係が上手くいく嘘の正しい使い方」などがある。