「私は『負け組』と思われている気がします」精神科医Tomy先生の心の診察室(後編)
結婚やキャリア、他人への不信感……『美的』読者のお悩みに精神科医のTomy先生が回答! 「自己肯定感が低い」と感じている人でも無理なくできる、思考のスイッチON方法が満載です。
自己肯定感低めの読者の悩みに答えます!
Q.30代後半で結婚していない女性は 負け組と思われている 気がします。結婚している人たちより バリキャリ で頑張ってきた自負はあるのですが…。(人事・36歳)
A.結婚やキャリアに勝ち負けはありませんが、もし結婚がうらやましいなら婚活をしてみては?
「負け組と思われていそう、と気にしながらも、自分は“バリキャリ”とマウンティングもしているとすると、かなり自己肯定感が低いかも。そもそも結婚やキャリアに勝ち負けなんてないことに気づいてほしい。でも独身であることに気後れを感じているのなら、婚活を頑張ってみるのも手です」
Q. 妊活に専念 するために退職したけれど、うまく行きません。人の赤ちゃんを見るのがつらい上、仕事をしている女性にさえ 嫉妬 。(専業主婦・38歳)
A.子供のいない生活の選択肢もあります。もっと肩の力を抜いて!授かったら授かったで儲けものと考えましょう
「今は妊活が最大のテーマな上、妊娠は努力と結びつかないので、うまくいかないことがとてもつらいと思います。難しいかもしれませんが子供のいない人生も楽しいかもしれないと一度考えてみて。授かったら儲けものと思っていれば、少し楽になるかも」
Q. ホルモンバランス のせいか、 ネガティブ になってしまうことがあります。一度怒るとなかなか鎮まらず、そんな 自分にも嫌気 が…。(主婦・35歳)
A.これは自己肯定感とは別問題!自分の怒りっぽい性格を責めるより先に、婦人科や精神科で相談して!
「感情の起伏は、ご自身も気づいているようにホルモンバランスの問題だったり、軽い躁鬱病のケースもあるので、つらいなら医師に相談をしてください。生理前後に怒りっぽくなるなら婦人科へ、怒ったり落ち込んだりの起伏が激しければ精神科へ!」
Q.自分の何かを褒められると、この人、何を企んでいるんだろう?私をおとしめたいの?と 相手を疑い、不信感 を抱いてしまいます。(会社員・37歳)
A.相手に「何も出ませんよ」と笑顔で返しましょう。相手の反応で心の内が少しでも見えたら、落ち着くはずです
「あなたを褒めることに企みが隠されているとしたら、それで相手にどんなメリットがありますか? きっと何もないはず。どうしても気になるなら、“何も出ませんよ”と冗談っぽく、笑顔で返してみてください。そうすると相手も砕けた雰囲気の中で、本音を聞かせてくれるのでは?
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『美的』2022年3月号掲載
イラスト/Yumika 構成/つつみゆかり
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。コラムニスト。“人生の気づき”を毎日つぶやくツイッター「精神科医Tomy@PdoctorTomy」が人気。新著に自身初の小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)