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2024.10.23

熊谷真実さんが語る「愛と性と心について」|作家LiLy対談連載「生きるセンス Season.5」第3話

「年齢を重ねるって、どういうことですか?」作家・LiLyさんが人生の先輩を訪ねて歩く人気連載『生きるセンス』がセカンドシーズンに突入。より楽しく、より自由に、より心地よく生きるべく、人生のヒントをさらに深掘りしていきます。第5回のゲストは、熊谷真実さん。セクシャルウェルネスについて語り合います。

第1話▶▶熊谷真実さんにとっての「センス」とは?
第2話▶▶熊谷真実さんが語る「神様の役に立つということ」
第4話▶▶熊谷真実さんが語る「甘え上手ってどんな人?」
第5話▶▶熊谷真実さんが語る「執着を手放して、視野を広げる」

性について、もっとオープンに語る風潮が広がっていいと思う――LiLyさん

熊谷真実さん(以下、M) LiLyさんの起業家としてのお話をぜひ聞かせてください。

LiLyさん(以下、L) わぁ、ありがとうございます! 私は〝性〟というものが、もっと健やかに語られていいのではとずっと思っていて。日本はもちろん、世界的に見ても女性が性の話をするのは恥ずかしいことだという風潮っていまだにあると思うんです。もちろん、秘事であるからこそセクシーな部分も大好きなので、全部をオープンにしようよ! とは全く思っていなくて。ただ、これからの時代、もうもっと性のことを健やかに美しく、自分ごととして楽しめる時代がくればいいのになって。

M おっしゃるとおり! 

L はい! で、女性が読む官能小説を出版したり、12歳の女の子を主人公にした性教育ノベルを連載したり、作家としてはこれまでもそこに向けて頑張ってきた自負はあるのですが、本だけではリーチできない層が確かにあって。そこでセクシャルウェルネスのブランドを立ち上げることにしたんです。ベッドの中の時間を豊かにすると日々の幸福度は確実に上がるので、第一弾アイテムは、火でとかすとよい匂いのマッサージ美容液になるキャンドルにしたんです。

M キャンドル、とても素敵です!! こんなものがあるんだぁって初めて知りました。

L 真実さんは異性とのお付き合いにおいて、今から思い返したときに感じることや、今あらためて考えていることってありますか?

M 実はまだ若いころ、性に対して、罪悪感のようなものを抱いていたことがありました。

L というのは?

M うまく言葉にできないのですが、愛する人があらわれても、愛しすぎてしまうのが怖くて、ある程度の関係までいくと自分から別れを告げてしまったり。なんとなくですが、「汚れたくない」という気持ちがどこかにあった気がします。

L 沼りそうになったら別れる、ということと近いかもしれませんね。

M 今思えば、相手のことを心から受け入れてなかったのかもしれないですね。愛する行為を恐れていたのかもしれません。

L なるほど! 真実さんってもしかしてすごく…。

M そう、こう見えて〝真面目〟な人間なんです(笑)。

心から愛している人であれば、愛と安心は両立できる――熊谷真実さん

L 私がセクシャルウェルネスを意識した最初の話をさせてください。確かあれは10歳になったぐらいの頃、弟がいないときに、母親から「女性同士の秘密のお話をしましょう」って言われて、女の子の身体の変化について書かれたピンク色の小さな本を渡されて、そこで生理の話をしてくれたんですね。

M うわぁ、素敵なお母様ですね。

L その頃、母は私より弟のほうが好きなんじゃないかと思って、微妙な思いを抱えていた頃でもあったので「女同士の秘密」という喜びも含めて、生理というものがすごく特別なものに思えて、初潮がくるのが楽しみで楽しみで仕方がなかったんです。

M すっごくいい話!

L 大人の階段を上るステップだと思うと、早く大人になりたかったこともあって待ちきれなくて、「ねぇ、お母さん、本当はもう来ているのに私が見逃してるかもしれない!」って相談したこともあるぐらい(笑)。

M なんて可愛らしい!

L そして、初潮がきたあとは結婚する人だけとセックスしようって決めていた。私も真実さんと同じく、すごく真面目なんですよね(笑)。

M 私たち、一緒なのね。

L だから初体験した方と高校を卒業したら結婚しようって、勝手に思っていました。全く叶わなかったけど(笑)。

M 結婚生活も真面目だったんでしょうね。

L はい。でも、真面目だからこそ離婚を選択するしかなくなるってパターンもありますよね。これはもう良い悪いでもモラルでもなくて、性格ですよね。不倫がダメだと心底思っている小説家がいたら絶対にその人の作品つまらないと思うし。私もそうは思っていない。ケースバイケースだから。ただ私の性格的には、不倫は主義じゃないんですね。でも、まだ当時30代前半で、もう一生、恋とセックスをしなくてもよいか、というとそれも難しいと思った。男女としての約束は解除して、家族として子供たちを幸せにしていく、というカタチでの離婚だったので、今も一緒に育児をしているし、子供たちも理解しているので、結果的にはよかったと思っています。

M 大切に思うものがあって、それを守りたいという気持ちって、素晴らしいと思います。

L そう言ってもらえると、救われます。今話していて思ったのですが、やっぱり真面目って、すごくよいことかもしれないですね。一時的な感情に流されずに、いちばん大事なものをきちんと大事にする自分なりのやり方を冷静に編み出せるってことでもあるから。

M はい。あとは、本当に愛している人であれば、愛と安心は両立できるものだと、今ならばわかります。でも、若いころはまだそこまで辿り着けなかったなぁ。

L その発言は、今のパートナーとの素敵な関係があってこそ、な感じがしてとても素敵です。

M 私は今の夫で、3回目の結婚になるのですが、自分のメンタルが安定しているからこそ出会えたのかなぁって思います。この人がないとダメ、あれがないと不安という、いわゆる何かに依存している状態では、いい出会いは少ないのかも。精神の自立ってすごく重要。

L 不安定な状態って誰しもあるもの。だからこそ「自分で自分を飼い慣らす」ことってすごく大切だなと思います。

M そうそう、それはいくつになっても必要なことですよね。揺れる心をしなやかに守る方法、お互いに見つけていきましょう。

L はい!!

熊谷真実
俳優・タレント。映画、ドラマほか幅広い分野で活躍。2020年夏から静岡県浜松市に移住。’20年11月から「浜松市やらまいか大使」、’21年6月から「静岡県観光プロモーション 観光PRメッセンジャー」に就任。
Instagram:@mami_kumagai310
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LiLy
作家。1981年生まれ。神奈川県出身。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て上智大学卒。25歳でデビューして以来、女性心理と時代を鋭く描き出す作風に定評がある。著書多数。今年ベッド内美容ブランド「Bedin」をローンチ。
Instagram:@lilylilylilycom

次回は11月6日公開予定!
第4話「甘え上手ってどんな人?」
お楽しみに!

イラスト/ekore 構成・文/本庄真穂

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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