シャネル・ネクサス・ホールが、現代アート界の新たな才能をサポート。第一弾となる「日常の再魔術化」展が開幕。

今年で開館20周年を迎えた東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールは、現代アート界の新しい才能をサポートする新たな取り組みを開始。北京のUCCA現代アートセンターのディレクターであるフィリップ・ティナリ氏と、自身も著名なキュレーターであり、金沢21世紀美術館館長でもある長谷川祐子氏が率いる次世代のキュレーターのためのインキュベーター「Hasegawa Lab」とのパートナーシップのもと、次世代の才能を開花させ、新たな創作活動と素晴らしい芸術のためのプラットホームを提供することを目指しています。
若き現代作家&キュレーターによる新しい展覧会
第一弾となる今回は、長谷川祐子氏のディレクションのもと、「Hasegawa Lab」の佳山哲巳とフィン・ライヤンがキュレーションを担当。それぞれフランス、日本、アメリカを拠点に活動する、ビアンカ・ボンディ、小林椋、丹羽海子の3名の作品を紹介します。
「Everyday Enchantment 日常の再魔術化」というタイトルが冠された本展覧会は、シャネル・ネクサスホールを「創造的な庭園」へと変え、それぞれのアーティストが日常にある身近なオブジェクトの生命の循環を表現。
「すべてのものが情報化され、デジタル化されている現在、日常生活の中で、私たちの直感や感受性は減退し、謎や、未知なる想像力をかきたてられる領域が狭くなっているのではないでしょうか?「日常の再魔術化」展は、観る者を日常の中に隠された魔術を再発見するよう誘います。」(アーティスティック ディレクター 長谷川祐子氏)
3名のアーティストが、日常に潜む魔術を解き明かす
ビアンカ・ボンディ氏は、1986年、ヨハネスブルグ(南アフリカ)生まれ。パリ在住。領域横断的な活動を実践するアーティストで、主に塩水を使った化学反応により、ありふれた物体を活性化あるいは崇高化し、視覚を超えた体験を創出しています。今回の展示では、海中に浮遊する有機物のイメージを再構築した4つのタペストリーからなる作品群を展示。常に認識されるとは限らない要素を鑑識的な視点で表現しています。
小林椋氏は、1992年、東京都生まれ。ものの「動き」を起点としながら、人がもつイメージや認知の性質にまつわるリサーチと個人な体験や思い込みを等価に扱うような作品を、彫刻やインスタレーションとして発表しています。今回は、消費社会の中で反復される造形的イメージを参照したオブジェクトをもとに組み合わせた装置を展示。無用の「オブジェ+機械」という装置が、日々の生産的な活動に擬態しつつも、物や空間、人々と謎めいたコミュニケーションを育みます。
丹羽海子氏は、1991年、愛知県名古屋市生まれ。西洋的な主体概念を否定し、身体やジェンダーに拘束されないオルタナティブな主体のあり方を彫刻を通して探究しています。合金の人形の置物から作られた「ダフネ」と呼ばれる小さな生き物と、単体では壊れやすい有機的な素材を組み合わせ、展示空間に独自の生命と物語を与えます。
私たちが日常で見過ごしがちな「魔術」の存在を、視覚、聴覚、嗅覚で感じられる本展覧会は、12月8日(日)まで。ぜひ足を運んでみてください。
アート界の新たな才能を育む、シャネル・ネクサス・ホールの新たな取り組みに今後も注目です。
Everyday Enchantment 日常の再魔術化
出展作家:ビアンカ ボンディ/小林椋/丹羽海子
キュレーター:佳山哲巳/フィン ライヤン
会期:2024年10月19日(土)〜12月8日(日)
開館時間:11:00〜19:00 ※最終入場18:30
(11月7日~10日は10:00オープン)
会場:シャネル・ネクサス・ホール
東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
会期中無休・予約不要・ 入場無料
Everyday Enchantment 日常の再魔術化
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