ボディケア
2017.10.7

そのハンドクリームじゃ一生ガサガサ!? 皮膚科医が教える正解ハンドケア

マーケティング会社のパシフィック・コミュニケーションズ株式会社が、手肌の乾燥が気になるシーズンを前に、20~39 歳の女性226人を対象にした、「ハンドクリームの意識調査」を実施。その結果、多くの女性がハンドクリームを使っていても思うような効果を感じられていないという事実が浮き彫りになりました。

ちゃんとケアしているのにガサガサが改善しない理由とは……!? アンチエイジングの第一人者として活躍しており、女性のスキンケア手法等にも詳しい『Y‘s サイエンスクリニック広尾統括院長皮膚科医』アンチエイジングドクターの日比野佐和子先生に聞いた正しいハンドケアの方法を紹介します。

 

ハンドクリームを使っても「効果が得られなかった」が約8割も!

20~39歳の女性に「ハンドクリームを選ぶ際に重視していることは?」と聞いたところ、女性が重視していることのトップに挙げられたのは、「機能性」(76.1%)、次いで「価格」(73%)、「香り」(73%)であることが分かりました。

その一方で、「ハンドクリームの使用後に、効果が感じられなかったことがあるか?」という質問に対して、約8割の女性が、「効果が感じられなかったことがある」(79.2%)と回答しています。

 

他人の肌の衰えを「手・指先」で感じる女性が7割以上

また「自分自身や他人の肌の衰えを感じるパーツは?」という質問に対し、「自分自身の肌の衰えを感じる」パーツのトップに挙げられたのは、 「顔」(79.6%)、次いで「手・指先」(61.5%)、「お腹」(40.7%)でした。

他人の肌の衰えを感じるパーツに関しても同様、トップが「顔」(80.5%) 、次いで「手・指先」(74.8%)、「首」(59.7%)という結果に。手肌の状態が、自分や相手の見た目年齢の指標になることがわかります。

 

「新陳代謝の低下」が実はガサガサお肌の根源だった!

アンケートからもわかるように、他人から「老けたな……」なんて思われないためには、手はお手入れをしっかりしておきたいパーツ。なのにハンドクリームを使ってもあまり効果を感じられない人が8割もいるのはなぜなのでしょう。

その理由を日比野佐和子先生が解説してくれました。

「保湿機能の低下を防ぐためには角質に対する効果が高い保湿剤を使用することがとても大切です。多くの方がハンドクリームで思ったような効果を得られなかったと感じる要因に、“ターンオーバー=新陳代謝”を促すことなく保湿の努力だけをしてしまっていることが考えられます」(日比野先生・以下「」内同)

日比野先生によると、ターンオーバーは年齢とともに周期が長くなり、20代では 28日、30代では 40~50日、40代では50~60日になるといわれているそう。また、気温が下がり代謝が下がる冬場は、夏場に比べてさらにターンオーバーが
活発になりづらくなるんだとか。
「余分な角質は本来自然と剥がれるべきですが、うまく剥がれないままで放置しておくと下から新しい細胞が上に押し上がれない状態となり、これが角質がたまる原因となります。角質が剥がれないまま、外から保湿しても、しっとりした健康な肌に導くのは難しいのです。まずこの古い角質を柔らかくして剥がすという機能をもったクリームを塗布することが、保湿の成果をあげるための近道です」

ただ“足す”だけのケアではなく、まずは“引く”ケアが必要なのですね。

 

肌のターンオーバーを促すのに皮膚科医が推奨する成分は「尿素」

では、ターンオーバーを促すためにはどうすればいいのでしょうか。日比野先生はじめ、皮膚科医も処方する安全、かつ最も効果的な成分が尿素だそう。
「もともと体内に存在する尿素は古くなった角質を溶かし、新しい皮膚に生まれ変わるのを助ける働きと、体の中の水分を皮膚表面に集めてくる働きを持っており、若い世代には知らない方も多いようですが、30 年以上も前から皮膚科医
に信頼されてきた成分です。私の父(75歳)の代から、多くの患者さんの乾燥トラブルには尿素を処方すれば解決するケースが多数ありました」
尿素は、角層、角質細胞内にある NMF(ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター/天然保湿因子)といわれるものに約7%ほど含まれており、もともと人が持っている成分。そのためアレルギーなどが出にくく、トラブルが起こりにくいため、最も安心安全なのだそう。

さらに、分子度が小さく水によくなじみ、水分を吸着する働きがあるため、保湿成分としての効果も期待できるんだとか。
「手肌のガサガサ、かかとのゴチゴチ、二の腕のブツブツ、ひざ・ひじの黒ずみなどは全て肌のターンオーバーの不全と乾燥が原因といえますので、尿素を使うことでこれらのトラブルに非常に広く対処できます。また、傷跡を早く治す効果も期待できます。アトピーの人の場合は、炎症しているところはさけ、角質が分厚い部位に特定して使うよう気をつけましょう」

市販の尿素クリームなど、含有量20%程度のものであれば医師の指示がなくても症状が改善されるまで使用することは問題ないんだそう。また、皮膚が健康的な状態であれば、尿素含有量 10%程度のものをハンドクリームとして日常的に使うのも、こまめなターンオーバーの促進に繋がるのでオススメということです。

 

「マメにハンドクリームを塗っているのに、いつも手がガサガサ……」という人は、尿素クリームを試してみると改善されるかも。ドラッグストアや量販店で手に入るので、探してみてはいかがでしょうか。

 

初出:美レンジャー  ライター:美レンジャー編集部

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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