ハリガネ髪をレスキュー!美容師直伝「トゥルルンヘア」を取り戻すケア
夏といえば海! 太陽の光を浴びながら思いっきり海遊びを楽しんだのはよいけれど……気づけば海風や塩水、紫外線にさらされた髪は、ハリガネのようにバリバリ! クシを通すのも大変な事態になってしまった経験、あるのではないでしょうか。
今回はヘアメイクサロン『Je suis heureuse tokyo』オーナー兼ヘアスタイリストである石山亮さんに、ハリガネ髪を予防&レスキューするヘアケアについて伺いました。
まず大切なのは…ダメージの原因に合ったケアの積み重ね
「夏の紫外線ダメージで傷んでしまった髪の毛を救うには、ホームケアの積み重ねが鍵になってきます。
まず髪の状態と、ダメージの原因をチェックしてみましょう。このチェックをしっかり行うことで、より効果的なホームケアができるようになります」(石山さん・以下「」内同)
主に次の2点が、髪の毛に対してダメージが及ぼす結果(状態)と原因とのこと。
(1)硬くてゴワゴワ=紫外線や乾燥
(2)痩せててギシギシ=カラーやパーマ
「(1)には水分が、(2)にはタンパク質が髪に不足している状態。これを参考にシャンプーを選ぶだけでも、ダメージのケアが違ってきます」
ホームケアの正しい手順を復習!
次にホームケアの正しい手順をご紹介します。ご自分のやり方を見直してみてくださいね。
手順1:シャンプーは時間がポイント
「シャンプーをしっかり泡立てるために、まずはお湯で油分や汚れを洗い流しましょう。このとき、爪を立ててガシガシ洗うと頭皮を傷めてしまうので、指のお腹でやさしく洗います。
次にシャンプーですが、ここで重要なのが“時間”。せっかくダメージ補修効果のある栄養価の高いシャンプーを選んでいるにも関わらず、シャンプーが髪の毛に浸透する間もなく洗い流してしまう方が多く、これはNGです!
実は、シャンプーの栄養を髪の毛の深くまで浸透させるには、7分以上の時間がほしいんですよ。2分で揉み込み、残り5分は髪の毛にシャンプーの泡がついた状態のまま放置するのが理想です」
すでに蓄積してしまった紫外線によるダメージケアには、補習と手触りの両方を叶えてくれるミルボンの『ジェミールフラン』シリーズが石山さんのオススメとのこと。
手順2:表面をケアするコンディショナー
「コンディショナーは、髪の中間から毛先にしっかり馴染ませて、3〜5分置きましょう。
その後は、髪の毛を触ってヌメヌメ感が残らなくなるまで流し切ってください。必要以上に流すと逆に髪の毛を傷めてしまうので、気をつけてください」
手順3:ドライヤーから髪を守るオイル
「ドライヤーの前には、オイルで髪の毛を保護してあげましょう。オイルは、栄養価重視で選んで。傷みやすい毛先に2〜3プッシュ塗って、手に残ったオイルを髪の毛全体に馴染ませるぐらいがベスト。
また、乾いた後に塗るオイルは、質感で選ぶのがオススメ。さらに紫外線から守ってくれたり、静電気を防ぐ効果のあるものが好ましいでしょう。量は1プッシュ程度で充分です。塗りすぎるとベタベタ感が出てしまいます」
石山さん曰く、紫外線カットの効果のあるミルボンの『エルジューダ サントリートメントセラム』(SPF25/PA+++/120ml/2,800円<税抜き>)は日焼け対策の救世主だそう。
傷みが気になるときはキューティクルをチェック
傷みが激しいと感じるときは、上記の手順に加えて、オイルを塗る前にキューティクルをチェックしてみましょう。
「髪の毛を1本持ち、軽く爪を立てるように指で髪の毛を挟みます。毛先から根元方向へ髪の毛を逆立てるようにゆっくりと指を滑らせてください。
はじめはツルツル、途中からザラザラとした感覚へ変化するのが感じられるはずです。
実は、ツルツルとした質感は、髪のキューティクルが剥がれ落ちて抵抗が少なくなっているから。逆に、ザラザラとした感覚は、キューティクルがある良い髪質の証拠。正常なウロコ状態のキューティクルを逆立てて起こしているため、ザラザラとした触り心地になるんですよ」
このチェックによって、キューティクルのダメージが激しい部分が把握できます。そこに重点的にオイルを塗りましょう。
ハイダメージの髪にはサロンでスペシャルケアを
それでも傷みが改善しない場合は、サロンに頼るのも手。ホームケアとのいちばんの違いは、プロのカウンセリングがあるという点にあります。
「お客さまの中には、自分の髪質を勘違いして認識してしまっている方も多いです。髪質に合わないケア用品を選んでも効果を出すことは難しいですよね。
サロンでは、美容師が毛質診断した上で、それぞれに合ったトリートメントや、ライフスタイルに合わせたヘアケアの提案ができ、ホームケアより高い効果を実感していただけると思いますよ」
これは一例ですが、上の写真は、夏の紫外線により乾燥し、うねりが目立つ髪。この髪に、保湿重視のトリートメントケアを施してみると……
ツヤツヤでまとまりのあるキレイな髪の毛に生まれ変わりました。
まず大切なのは、日頃のホームケアの積み重ね。そして、激しく傷んでしまった髪には、スペシャルケアも取り入れ、夏のお疲れ髪をいたわってあげましょう。
【取材協力】
※ 石山亮・・・ヘアメイクサロン『Je suis heureuse Tokyo(Instagram)』オーナー兼ヘアスタイリスト。メイクアップアーティストとチームでヘアメイク関係の仕事に取り組む。現在サロンワークと並行してTVやCM広告媒体等、幅広いジャンルにて活躍。TwitterID:@Lay_II
初出:美レンジャー ライター:前濱瞳
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。