宮城県出身。1981~89年文化出版局装苑編集部でファッションと美容を担当。美容の面白さに目覚め89年に独立。以降、雑誌を中心に美容企画の取材・執筆を行なう。美容医療に関しては黎明期の99年から体験と取材を継続。50歳時に詳しい検査で身体の弱点が多数見つかり「還暦で健康」を目指し、クリア。「大人の身体は変えられる」を実感中。日本抗加齢医学会会員
大人のシミは多種類が混在!だからレーザー数種を使う治療が効率的
今回は「美容医療で治療したいこと」の上位にあがるシミ治療について。大人のシミの症状は複雑なことが少なくありません。確かな情報をアップデートして必要なケアを整理していくことも50代には必要です。【海野由利子「美と健康♪両方磨くオトナ塾」vol.2】
レーザー機器にぐるり囲まれる光景はメディア初公開
先日、友人からシミの相談を受けた流れで治療にも付き添う事になり、何かの記録になるかもと思い、許可をいただいて撮影。受診したのはクロスクリニック銀座。20年ほど前から取材で何度も伺ってますが、今まで見たことのない、効率的かつ贅沢なオーダーメイド的治療を目撃したのです。
さて、シミ治療と言えばレーザー。いつのまにか国民の常識レベルになってますが、残念なことに誤解もフェイク情報も多い。たとえば「レーザーでシミはポロッと取れる」というもの。実はそんなに簡単ではありません。医学的には20種類以上もあるシミは原因や性質がそれぞれ違います。種類や症状を正しく診断して、適切な治療機器で適切な照射をすることで治療効果が得られるのです。すぐに改善するシミもありますが、何年もかかるシミもあるのです。
そして、「シミの症状は年齢とともに複雑になる」ということは知っておいていただきい。「色むらのない顔にシミがぽつんと1つ」という場合は1つのレーザーで1ショットで改善するかもしれませんが、40代以上の場合は多種類の、濃淡も症状も様々な種類のシミが混在しているのが普通。紫外線や刺激を何年も受け続けていますからね。ですから、日焼けが原因で濃く目立つ日光性(老人性とも言う)色素斑には黒い色素に反応するルビーレーザー、盛り上がりのあるシミやホクロは肌表面を削れる炭酸ガス(CO2)レーザー、薄いシミや色ムラにはピコレーザー、という治療法が提案されたりするわけです。
友人も表皮下まで診る診断器と医師の視診でシミがいろいろ混在しているとわかりました。目立つ濃いシミなど無い、きれいな素肌なので意外に思いましたが、クロスクリニックの石川浩一院長(形成外科専門医)はさすがベテラン、淡い肝斑や小さな赤い点(毛細血管の開き)も見逃しません。そして、治療の希望を友人に尋ね「1週間後に人前に出る仕事がある」という予定に合わせて、カサブタや赤みが出ない治療法に。さらに、多種類のシミがあることから、患者さんにも人気の“おまかせ治療”を選択。これは最新のシミ治療器・ピコレーザー+院長がシミに合わせた機器を選ぶ、という治療(HPのメニュー名は「ピコフェイシャル」)です。洗顔をして、シミ治療の施術室に入ると各種レーザーがずらり。なんとそれら全部を使用するそうで、数えたら7つありました!
1種類のレーザーでも出力や照射法を変えることで効果のバリエーションはつけられますが、さらに最適な治療を追求するためシミ用レーザーを多種類揃えているのが石川院長。「シミ治療は何年やっても難しい。でも難しいからやり甲斐はある」のだそう。ガーゼに包んだ保冷剤で照射部の熱さを手早く冷やしながら、照射。そして患者である友人にその都度説明しながら隣のレーザーに替えていきました。
レーザー機器が施術台をぐるりと囲む、メディア初登場の写真。なぜかというと「取材の場合は説明が複雑になる」(=原稿も複雑になる)からだそう。友人のプライベート受診のおかけです。
レーザーはシミの状態によって2~7種類使うそうです。施術時間は患者さんが疲れないようにと20~30分ほど。こういうの、大人のシミ治療には良いですね。診察から治療まで医師が行なうことで細かい部分の見逃しも回避できますし。肌のシミ・色ムラの治療を考えている方はご参考に。
※レーザーでのシミ治療はメラニンを作る細胞(メラノサイト)を狙うものではないので、一旦シミが消えても再発する場合があります。効果の維持には日常の日焼け止めと肌の摩擦を防ぐことが重要です。その上で1年に1度程度の継続治療が効果的。もちろん、気にならなければ間隔をあけたり治療をやめても良いのです。
※施術はクロスクリニック銀座 ピコフェイシャル 1回 ¥70,400
ピコレーザーのほか、どのレーザーを使うかは石川院長が毎回肌を診察して、状態を見極めて選択。
https://www.cross-clinic.com/shimi/m_picofacial.html
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。