赤ニキビが治らない!赤ニキビの原因、治し方、急にできたときの即効ケア方法をプロが伝授!
炎症を起こしてしまった赤ニキビの原因や治し方は?赤ニキビは皮膚科での治療が必要になることも…塗り薬や飲み薬で赤ニキビを体の内外からしっかりケア。急なニキビの対処法も。赤ニキビが治らない…とお悩みの方必見!
赤ニキビの原因は?女医が教える正しいケア
大人の赤ニキビ・肌荒れの原因は?
まずは大人の赤ニキビ・肌荒れの原因を知ろう
「大人のニキビには複雑な要因が関係していますが、思春期ニキビや大人ニキビ、どんなニキビであれ“できるプロセス”は同じなのです」と、高瀬先生。まずはニキビ発生のプロセスをおさらいしましょう。
1.皮脂の過剰分泌
ホルモンバランスの乱れや食生活の影響で、皮脂腺の働きが活発になり、通常よりも皮脂が過剰に分泌します。
2.毛穴が詰まる
皮脂の出口である毛穴が詰まり、毛穴内部にどんどん皮脂が溜まっていきます。
3.ニキビ菌が繁殖する
毛穴にアクネ菌やブドウ球菌などニキビ菌が集まり、皮脂をエサにして繁殖します。
4.炎症を起こす
ニキビ菌の影響で炎症が発生し、赤みや腫れをともなうニキビとなります。
ニキビが発生する1~4の各段階には、さまざまな要因が関係します。
「たとえば1の皮脂の場合、顔のTゾーンはもともと皮脂腺が多く、鼻ニキビや額にニキビができやすいのはこのためです」(高瀬先生・以下「」内同)
一方で頬からあごにかけてのUゾーンは、男性ホルモンの影響を受けやすいエリア。「ストレスを感じると男性ホルモンが分泌され、このエリアの皮脂分泌が促されやすくなります。Uゾーンのニキビが“ストレスニキビ”といわれる所以です」
また、乾燥や免疫低下も大きな原因に。「2の毛穴づまりの場合、年齢とともに肌の水分量が低下すること。さらに間違ったスキンケアで乾燥し、毛穴が詰まりやすくなることが考えられます」と、高瀬先生。
3のニキビ菌の繁殖や4の炎症は、不規則な生活習慣やストレスと関係しているそう。「睡眠不足やストレスで免疫が低下すると、肌の常在菌バランスが乱れたり、炎症が鎮静しにくくなります。これらの要因が複雑に関係するため、大人ニキビはなかなか治りにくいんですね」
ニキビがどの段階にあるかは、“色”がヒントに。ニキビの色は主に白、赤、黄色に分けられます。
白ニキビ
毛穴の出口が詰まることで、内部に皮脂や角質が詰まった初期段階のニキビです。
赤ニキビ
毛穴に詰まった皮脂にニキビ菌が繁殖し、炎症が発生した状態です。痛みや腫れをともなうことも。
黄ニキビ
ニキビ菌と戦った白血球の残骸が黄色に変色し、内部に溜まった状態です。炎症がひどいと膿疱と呼ばれる膿をともなうニキビになる場合も。
洗顔のしすぎも大人ニキビを悪化させる原因
ニキビを早く治したいあまり、1日に何度も洗顔を繰り返したり、ベタベタするからと保湿を避けたり。でもその努力がニキビを悪化させているかもしれません。
「まずニキビの時は、オイルタイプのクレンジングは避けたほうが賢明です。洗い流しが十分でない場合、オイルと汚れが一緒に肌に残ってしまうことがあり、ニキビ菌のエサとなる可能性があります」
“洗いすぎ”も毛穴づまりの一因。顔を洗いすぎると肌が乾燥して角層が硬くなり、毛穴が詰まりやすくなってしまいます。
「ベタつくことを嫌って、保湿を省略することも毛穴づまりの一因です。ニキビの時もベーシックな保湿は必要。炎症部分を避け、頬などの乾きやすいエリアは潤いを与えましょう」
大人ニキビと“ストレス”は、切っても切れない関係にあります。
「ストレスを感じると、男性ホルモンの一種であるアンドロゲンやプロゲステロンが優位になり、皮脂の分泌を促します」
また、ストレスのせいで“甘い物”や“スパイスなどの刺激物”が欲しくなるというのも赤ニキビの原因に。「そういったものは皮脂の分泌を促したり、炎症が鎮静するのが遅くなってしまいます」(高瀬先生)
仕事で帰宅が遅くなったり、深夜までスマホをチェックしたり……。これらも大人ニキビにとってNGな習慣。
「睡眠が不足するとターンオーバーのリズムが乱れやすくなり、毛穴づまりの要因となります。またホルモンバランスが乱れることで、皮脂が過剰に分泌されるケースも」と、高瀬先生。さらに免疫が低下すると、炎症が治りにくくなるそう。
大人の赤ニキビに対して自分でできるケア方法
大人ニキビに対して自分でできるケア方法は?
大人のニキビ対策をする上で、まず見直したいのは毎日のスキンケア。
「ニキビができてしまったら、ニキビ菌のエサとなりやすい“オイル系のアイテム”は避けましょう。クレンジングにはミルクタイプかジェルタイプを選び、肌に摩擦を与えないようやさしく洗います。汚れやクレンジングが残らないよう流水で十分にすすぐのも大切です」(高瀬先生・以下「」内同)
その一方で、肌を乾燥させる“洗いすぎ”も、結果的に毛穴を詰まらせてしまうもと。「洗顔後は、ニキビの炎症部位を避け、軽やかなジェルなどで保湿してあげて。ノンコメドジェニックと記された、ニキビ菌の繁殖を防ぐタイプの化粧品がおすすめです」
ニキビができやすい人にとって、洗顔時に「毛穴がザラついてきたな」と感じたら要注意。常に2~3種類のクレンジングと洗顔料を用意しておき、肌の調子に合わせて使い分けるのが理想です。
ニキビのタイプによって、必要なお手入れは違ってきます。ここでは前回ご紹介した、色で見分けるタイプ別ニキビケア法をご紹介。
白ニキビ
毛穴の内側に詰まった皮脂や古い角質を取り除く、ピーリングが有効です。AHAやBHA配合のピーリングソープやピーリング美容液を取り入れてみましょう。
赤ニキビ
ニキビ菌による炎症を鎮静するために、抗炎症作用に優れたビタミンCやグリチルグリシン配合のスキンケアがよいでしょう。炎症部位はなるべくメイクを避けるのも大切。
黄ニキビ
基本的に赤ニキビのケアと同じです。ニキビ跡を残さないために、肌の代謝を促す発酵食品やビタミンB群を摂取するインナーケアを取り入れて。睡眠もしっかりとりましょう。
ニキビができたら、香辛料などの刺激物や、油脂、甘い物の摂取をなるべく避けること。そして「肌の代謝を促すビタミンB群や、ビタミンCを豊富に含む食材……野菜やフルーツを積極的にとりましょう。代謝を促すという意味では、発酵食品もおすすめです」
緑色の濃い葉野菜たっぷりの味噌汁、納豆、ぬか漬け、低脂肪のヨーグルトなど、一見質素でも栄養バランスのよい食事は、肌のみならず健康・体型管理にも役立つはず。
本来は十分な睡眠も大切ですが、「忙しい女性はなかなか難しいはず。だとしたら、寝室にスマホを持ち込まないなど、できることから始めてみてください」
女性にはニキビができても仕方ない時期がある?
女性は生理前後でホルモンバランスが変化する以上、月に1度は“皮脂が過剰に分泌しやすい”時期があります。「生理前は黄体ホルモンの影響で、皮脂の分泌が増えたりイライラしやすくなります。この時期は“今はニキビができても仕方ない”と、ある種開き直ることも必要かもしれません」と、高瀬先生。ニキビをストレスに感じてイライラするより、この時期はビタミンCをたくさん摂取したり、リラックスする時間を増やしたりしてやり過ごすのが正解です。
「生理が終わると、今度はエストロゲンの影響で肌の生まれ変わりが促進する時期に入ります。このタイミングは肌のお手入れどき。美白ケアを積極的に取り入れて色素沈着を防いだり、角質ケアをして毛穴をつまりにくくすると、ニキビの予防はもちろん美肌づくりにつながります」
ニキビで一番問題なのは、跡を残してしまうこと。腫れのある炎症した赤ニキビを繰り返すと、毛穴周囲の組織がダメージを受け“クレーター”と呼ばれる凸凹になってしまう場合もあります。「この段階になるとスキンケアでは改善が難しく、クリニックの施術も限られてしまいます。炎症が発生したらなるべく触らず、専門医にかかることをおすすめします。ニキビは早めに治療するのが一番です。1つでもニキビができたら、“これぐらいで行ってもいいのかな”などと思わず、皮膚科を受診してください。治るまでの期間が違います」と、高瀬先生。
「昨今ニキビの治療薬は進化しており、過酸化ベンゾイルを配合した薬剤などが登場しています。また、トレチノインやグリコール酸を用いたピーリング、殺菌と肌のターンオーバー促進が望める光治療など、複数の選択肢からその方のニキビに合った治療が可能です」
そもそも、自分のニキビが白ニキビなのか、赤ニキビなのか。どのような治療が最適なのか、自身で判断するのは至難の業。「思い込みのケアで悪化させてしまうより、ぜひ皮膚科専門医の力を借りて下さい」
赤ニキビの飲み薬や塗り薬は?
皮膚科でもらう赤ニキビの塗り薬
青山ヒフ科クリニック院長、皮膚科専門医、医学博士
亀山孝一郎先生
北里大学医学部卒業。米国立保健衛生研究所(NIH)に招へいされ、メラニン生成の研究に従事。帰国後に発表した論文が話題となり、ビタミンC療法の第一人者と呼ばれるようになる。1999年、『青山ヒフ科クリニック』開業。2002年にオリジナル化粧品『ドクターケイ』を発表。肌トラブルから美容まで様々な悩みにトータルケアで応えている。
皮膚科でもらうニキビの塗り薬 種類とその効果は
赤ニキビ治療は「飲み薬だけでも、塗り薬だけでもダメ」と亀山先生。内と外、両方からケアすることが大切なんだそう。
ダラシン
『青山ヒフ科クリニック』で処方することが多い塗り薬。アクネ菌やブドウ球菌属への殺菌作用があるお薬です。ゲルタイプとローションタイプがあり。
アクアチムクリーム
『青山ヒフ科クリニック』で処方することが多い塗り薬。アクネ菌やブドウ球菌属への殺菌作用があるお薬です。
リンデロン
「赤ニキビ治療で処方するドクターもいるようですが、そもそもニキビの保険適用のお薬ではありません。ステロイドのお薬なので、炎症は抑えるはたらきはありますが、皮脂分泌を促進、TLRを増強します。TLRはニキビの炎症のスイッチを押してしまう働きがあります。つまりニキビを作り、悪化させてしまうという、ニキビの悪循環が始まってしまうのです。一時的なニキビの炎症は抑えても根本的な解決にはならないため、『青山ヒフ科クリニック』では、ニキビ治療には処方していません。アトピーや接触性皮膚炎の治療には用いることもあります」(亀山先生・以下「」内同)
ゲンタシン
「抗生物質のお薬です。つまり擦り傷や切り傷、細菌性皮膚炎やおできの治療の際に用いることがあります。そのためリンデロン同様に『青山ヒフ科クリニック』ではニキビ治療には処方していません。このゲンタシンでは、本質的なニキビ治療にはならず、あくまでも補助療法といえます」
塗り薬の上から絆創膏を貼ると赤ニキビが早くよくなるって本当?
巷で、“ニキビが早く治る”と噂されているのが、薬を塗ってから絆創膏を貼るという方法。このやり方で、本当にニキビの治りがスピードアップするのでしょうか?
「本当ですが、注意が必要です。ニキビができている肌はバリア機能が落ちていることがあります。バリア機能が低下していると、少しの刺激でも過敏に反応してしまうことがありますので、刺激を感じたら絆創膏を剥がして、そっとしておきましょう。刺激を感じないようでしたら、絆創膏で保護することで薬が患部にしっかり密着して成分の浸透を後押しします」
赤ニキビ用の塗り薬を塗るタイミングは?
忙しい現代女性。ニキビケアは、朝の洗顔後と夜のメイクオフ後などに、スキンケアと同時に行うという女性がほとんどでしょう。そこでむくむくと湧いてくる疑問が「薬ってどのタイミングで塗るの?」ということ。さて正解は?
化粧水と塗り薬、どっちが先?
「病院で出される薬には、ローションタイプのものもあれば、クリームのようなものもあるでしょう。その薬のタイプによって塗る順番は変えてください。一般的に、スキンケアは油分の少ないもの→多いものという順番で重ねますが、塗り薬もその順番が正解です。油分が多い塗り薬なら、化粧水の後に。水分が多いローションタイプのものなら、乳液やクリームを塗る前につけてください」
「1日2回」って書いてあるのに塗り忘れた! どうしたらいい?
「『青山ヒフ科クリニック』で出す薬はだいたい、1日2~3回塗ることを推奨していますが、塗り忘れることで症状が極端に悪化することはありません。ですので、塗り忘れに気が付いたときに塗ればそれでOK。朝塗るのを忘れたのに昼ごろ気づいたら、気づいたときに塗ってもう一度夜に塗るもよし、夜まで塗り忘れに気がつかなかったら、その日は夜だけのケアでもOKです」
赤ニキビの飲み薬、正しい知識で使ってる?
(1)抗生物質
種類…レボフロキサシン、ロキシスロマイシン、ミノマイシン
効果…アクネ菌の殺菌効果
飲む期間…約2週間
ただし、「抗生物質はすごく効く人と全然効かない人がいます。薬を2週間飲んでも効かないと思ったら、抗生物質を飲むのをやめて、ピーリングなど他の手段を考えるべきでしょう」(亀山先生・以下「」内同)。2週間は様子を見て。「これはビタミン剤や漢方薬にも言えることですが、2~3日ですぐに薬の効果が出ることはありません。2週間は試してみないと、その薬が自分に合っているかどうかは分からないんです」自己判断で途中でやめたりせず、医師の指示をしっかり守りましょう。
(2)ビタミン剤
種類・・・ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、ハイチオール
効果・・・代謝促進、活性酸素消去、過剰反応を抑える
飲む期間・・・約2週間
(3)漢方薬
種類・・・桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)、清上防風湯エキス顆粒(セイジョウボウフウトウ)
効果・・・炎症を抑える、ホルモンバランスを整える、アクネ菌の殺菌効果
飲む期間・・・約2週間
「漢方薬の場合、“長く飲み続けないと効果が分からない”と思っている人が多いですが、これも2週間がひとつの目安。2週間経っても、ニキビが改善しないようなら、いま飲んでいる薬が自分には合っていないということ。そのまま何ヶ月も飲み続けるなんて最善策ではないので、違う薬に変えるよう医師に相談してみてください」
赤ニキビの飲み薬に副作用はある?
「ビタミンには副作用はありません。抗生物質や漢方薬には、場合によっては吐き気やめまいなどの副作用が出ることがあります」
思春期赤ニキビと大人赤ニキビでは飲む薬は違うの?
「結論から言うと、同じものを出す場合もあれば、違うものを出す場合もあります。思春期ニキビでも大人ニキビでも、診察をもとに患者さんひとりひとりの肌質やライフスタイルに合わせて処方しますので、思春期ニキビと大人ニキビで同じ薬を使う場合もあれば、大人ニキビでは違う薬を混ぜることがあります。例えば大人ニキビの場合だと、ホルモンバランスの乱れが原因になっている場合があるので、ホルモンバランスを整える漢方薬を処方したり。また、同じ患者さんでも症状の経過を見ながら薬を変えていきますので、“大人ニキビにはこれ!”という決まった薬を処方することはありません」
つまり、診断でひとりひとりの症状に合わせた最適な薬を出してくれるんですね。
コンビニでも買える! ニキビに効果的な飲み物は
ふだん何気なく口に入れるもので、ニキビを予防したり、美肌を目指せるかもしれません。とはいえ、忙しい働き女子にとって、漢方茶を煎じるなどひと手間かかることはなかなか実践できませんよね。そこで亀山先生に、コンビニやスーパーなどで手軽に買えるニキビに効果的な飲み物について教えていただきました。
飲むヨーグルト
腸内環境が悪化すると、ニキビや肌荒れの原因に。善玉菌を増やしてくれる飲むヨーグルトは、ニキビ体質の改善に役立つそう。「ただし、飲み過ぎはNG。飲むヨーグルトは脂質が多いため、たくさん飲むとニキビの原因になるだけでなく肥満の原因にもなりますよ。脂肪を溜め込むと、ホルモンの関係でニキビがさらに悪化しやすくなる恐れも」
チョコラBBドリンクII
肌ケアに大切なビタミンB2、B6、ビオチン、ニコチン酸アミド、さらにヨクイニンも配合。「脂質の代謝に必要な成分が入っているので、とてもいいと思いますよ」
野菜ジュース・トマトジュース
ビタミンを摂れる野菜ジュースやトマトジュースもおすすめ。「ニキビにはβカロテンやビタミンC、ビタミンEが含まれているものを選ぶと、とてもいいですよ」
アーモンドミルク
「ビタミンEがとても豊富なのでおすすめです」
豆乳
「皮脂の過剰分泌の原因となるコレステロールが少ないのでおすすめ」
赤ニキビ…困ったときの即効ケア
ニキビ跡の赤みを早く消す方法
ニキビ跡の“赤み”なぜ引かないの? 原因は?
ニキビが治っても、ずっと赤いままなのはどうしてしょうか。
「皮膚の内部で炎症の残骸が残っているためです。ニキビは純粋な感染症ではなく、アクネ菌が出す菌体に対して過剰な炎症反応が起こってしまうもの。炎症を起こした細胞が放射したサイトカインや蛋白分解酵素が残っているため、赤みが残ってしまうのです。また、細胞を修復するために血管が開いているため、赤く見えるんです。修復が終われば血管が閉じるので、赤みも自然と消えますよ」(亀山先生・以下「」内同)
自然と赤みは引くということですが、“なるべく早く赤みを消したい!”といった場合はどうすればいいのでしょうか。
「赤みを抑えるビタミンC配合のローションやクリームなどをたっぷり塗るといいですよ。また、赤いだけではなくクレーターになったダメージが深いものも、まだ赤いうちにピーリング、ビタミンC導入などのケアをしてあげることが大事。赤いということは、まだ細胞が修復をしようと頑張っているということ。その段階できちんとケアをしてコラーゲンを増やしてあげると、治ります。しかし、赤みが引いたものや数年経過したクレーターは、修復しようとする力が働いていないので、なかなか治すのが難しいんです」
赤いということは、まだ肌が美しくなるチャンスが残っているということなんですね。凹んでしまったダメージの大きいニキビ跡は、早めに病院を受診しましょう。
赤ニキビの赤みを早く消したい! やるべきケアは…
病院でのケアだけでなく、セルフケアも大切。続いては、自分でできるニキビとニキビ跡のお手入れについて伺いました。やりがちないくつかのケアについて、正しいかどうかを教えてもらいました。
冷やす、オロナインなどの市販薬は効果ある? セルフで頑張るべきスキンケアは…
まず最初に、毎日のスキンケアで心がけるべきことを教えてください。
「まず、紫外線対策はしっかり行ってください。紫外線は、炎症を招く作用があるため、ニキビがひどくなってしまうんです。また、美白化粧品を使うなら、成分をしっかりチェックすること。ビタミンCやトランサミン(トラネキサム酸)などの炎症を沈静化させる働きのある美白剤であれば効果は期待できます。ただし、このような成分が入っていない美白化粧品は、ニキビには効果が見込めません」
ニキビを冷やしたり、オロナインなどのクリームを塗るという人も多いようですが…。
「痛みを伴ったり、熱を持っているニキビは、冷やしてもいいですが、それは痛みを一時的に和らげる、という意味です。また、赤ニキビを温めるのは絶対にNG。炎症を促進してしまいます。オロナインなどは、抗菌作用は期待できますが、あくまでも抗菌作用はニキビの本質的は治療ではなく補助療法ですので赤みが消えることは期待できません」
ニキビ跡には、先ほどから何度も話に出ている“ビタミンC”が入ったローションなどを塗るのがおすすめだそう。
ピーリングでターンオーバーを促進するのは、赤味を早く消せますか?
「これは効果的です。ただし、バリア機能が下がっている場合は要注意。刺激になってより悪化してしまう恐れがあるため、自己判断でやるのはやめましょう。じつは今日も、市販のピーリング剤を使って顔が真っ赤になってしまってうちのクリニックに駆け込んできた患者さまがいらっしゃいました。あくまで肌質に合わせたピーリングの濃度調整が必要ですので、必ず医師の判断のもと皮膚科でやってもらってください」
他にも、肌の代謝を高めるビタミンCやB群、Eなどを摂ってターンオーバーを高める、肌のバリア機能を高めるためにしっかり保湿する、適度な運動をする、十分な睡眠を取る、高糖質・高脂質食を控える、ストレス発散などが効果的だそうです。
化粧品や市販薬で治らないクレーターには皮膚科でのレーザー治療が有効なことも!
皮膚科でのニキビやニキビ跡治療に“レーザー”があると思うんですが、詳しく教えてください。
「レーザー治療によって皮脂分泌を抑えるというエビデンスはありません。そのため、ニキビに効果があると断言することはできません。ただ、ビタミンCと併用して補助療法としては良いかもしれません。僕がいろいろな論文を調べたり、実践した結果、効果があると思えなかったので、僕のところではやってません。ただし、クレーターなどの“ニキビ跡”には、レーザー治療は効果があると僕が思うものがいくつかあります。たとえば、ジェネシスはミトコンドリアを活性化して、皮膚のバリア機能を上げ、コラーゲンの合成を促進するので、クレーターなどのニキビ跡に効果が期待できます。リフトアップも期待でき、1回で1カ月は頬が上がっていますよ。ピクセル、フラクショナルレーザーなどは、うちでも使ってます。15年前のクレーターでも、レーザーと外用剤でのスキンケア、プラス注射などで上がりますよ。ただ、レーザーをやるとダウンタイム(顔が赤くなり、その状態がしばらく続くこと)が伴うので、“それでもいいからクレーターを治したい”という人にはおすすめです。」
できたての赤みのあるニキビ跡には、ケミカルピーリングとスキンケアだけで十分だそうです。
塗り薬&飲み薬なども効果あり?
何度も出てきますが、赤みにはやはりビタミンCだそう。「塗るのも飲むのも、ビタミンCが効きます。うちは医療機関なので、治癒を目的として効果が期待できる塗り薬と飲み薬を処方しています。処方して、塗布・服用してもらい2週間を目安に再度来院いただき、そのときに経過を見て、症状の緩和、薬の効き具合などを判断し、より効果の期待できる処方を提案します」
早く赤ニキビの赤みを治したいなら、一度病院で相談してみましょう。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
1995年慈恵会医科大学卒業後、翌年より慈恵会医科大学付属病院皮膚科に入局。2007年ウォブクリニック中目黒を開業。ドクターズコスメ『アンプルール』の開発・プロデュースも。