健康のために紫外線を浴びるのは腕5分で十分ってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「夏の紫外線ダメージ」について。健康のために紫外線を浴びるのは腕5分で十分ってホント? 松倉クリニック代官山院長の貴子先生にお話を伺いました。
Q:健康のために紫外線を浴びるのは腕5分で十分ってホント?
紫外線による肌ダメージは避けたいところですが、心身の健康のために適度に日光を浴びることも必要といわれています。では「適度な日光浴」とはどのくらいなのでしょうか。腕5分でも十分、ともいわれていますが…。健康のために紫外線を浴びるのは腕5分で十分ってホント? さっそく、この疑問について松倉クリニック代官山院長の貴子先生に聞いてみました。
A:ホント
「人の健康に必要なビタミンDは腕や手のひらの日光浴を10分ほどすれば得られるといわれています。通勤などで日常的に日に当たる生活をしているのであれば、意識的に日光浴するのは5分でも十分だと思います」(貴子先生・以下「」内同)
健康のために日光浴が必要な理由
「骨の合成、免疫力の増加、うつ防止などのためにも必要なビタミンDは皮膚に紫外線を浴びることで合成されます。紫外線を浴びる場所は顔でも身体でもよいです。地域による日光の強さや気候環境、個人差もあるため、これだけの時間浴びれば大丈夫、ということは言えません。ただ、目安として上で紹介した通り、健康のためには毎日腕や手のひらの日光浴を10分ほどするとよいと言われています」
日焼け止めを塗るとビタミンDの合成は阻害される?
「完璧に日焼け止めを塗布しても、紫外線を100%完全に遮断することはできないため、日焼け止めを塗っていてもビタミンDはつくられるので大丈夫です。ただ、日焼け止めでケアをしている人ほど、心身の健康のため、腕や手の平の日光浴を習慣にしていただきたいですね」
レチノールは日差しを浴びる日中は使っちゃダメ?
「製品にもよりますが、基本的には不安定な成分のため、紫外線や湿度により劣化する可能性があるため、夜間使用のみのものが多く見られます。基本的に肌が弱い人や赤みやひりつきなどの反応がひどい場合は、夜間のみの使用にとどめるべきです。肌が強いと感じている人も弱い人も、レチノール使用中は日中の日焼け止めを徹底するようにしましょう」
濡れた髪で紫外線を浴びると傷みやすくなる?
「はい。濡れた状態の髪は紫外線の影響を受けやすいと言われています。肌と同じように日焼けもしますし、色の退色やパサつきなどを実感したことがある人も多いはず。頭皮にも影響を及ぼすので、薄毛の原因になるとも言われています。例えば、ジムでトレーニングをしてシャワーを浴びたあとなどは、完全に髪を乾かしてから帰るほうがいいですし、濡れた状態で外に出る場合は日傘や帽子を使用して紫外線から守るようにしましょう」
日焼けして皮がむけても剥がしちゃだめ?
「はい。かさぶたと同じで、日焼けして皮がむけてしまったときには、自然に剥がれるまで待たないとダメです。無理に剥がすと、その下の組織がきちんと再生できないため、赤みやひりつきの原因になることがあります。
乾燥が日焼けの皮向けを増長させてしまうこともありますし、うっかり日焼けしてしまったときは特にしっかり保湿することが大切です」
文/土屋美緒
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日本形成外科学会専門医。帝京大学医学部卒業後。京都大学附属病院など大学病院を経て、都内美容外科クリニック院長など歴任。日本形成外科学会認定専門医の知識を活かして正しい美容医療を行う。2012年1月より現職。
■松倉クリニック代官山