日焼けを続けると見た目年齢がプラス10年になるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を医師や専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「夏の紫外線ダメージ」について。日焼けを続けると見た目年齢がプラス10年になるってってホント? 松倉クリニック代官山院長の貴子先生にお話を伺いました。
Q:日焼けを続けると見た目年齢がプラス10年になるってホント?
この夏は例年にも増して暑く、日差しも強く感じました。ビーチやプールへ出かけたり、アウトドアを満喫した人も多いのではないでしょうか。そんな中、日焼け対策を抜かりなく行なっていた人もいれば、うっかり日焼けをしてしまったなんて人もいるかもしれません。「夏だし、日焼けしているくらいが健康的でいいよね」とポジティブな意見もありますが、日焼けを続けると見た目年齢がプラス10年になるというウワサが。本当なのでしょうか。さっそく、この疑問について松倉クリニック代官山院長の貴子先生に聞いてみました。
A:ホント
「日焼けを続けると、見た目印象は悪化すると言えます」(貴子先生 ・以下「」内同)
日焼けを続けるとなぜ悪化するの?
「肌の老化の8割は“光老化”という紫外線が原因による肌ダメージによるものです。そのため、日焼けを続けると肌ダメージを受け続けることになり、見た目印象を悪化させる原因になります。
反対にUVケアや紫外線ダメージ対策をきちんと行なっていれば10歳若く見える可能性も」
紫外線が引き起こす肌トラブルとは?
「見た目の印象を悪化させる主な要因はシミ、くすみ、シワ、たるみの4つです。
シミ、くすみは表皮、シワ、たるみは真皮のダメージによって起こります。そして、肌ダメージを与えるといわれる紫外線は2種類あります。肌の奥まで届くといわれるUVAと肌を赤くするUVBです。真皮層まで到達するUVAが線維芽細胞にダメージを与えることでヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンの損傷・産生低下が起こるため、シワやたるみの原因に。一方、UVBは表皮に炎症を起こします。それにより、乾燥、ターンオーバーの低下、肌の赤みやメラニンの増加が起き、シミやくすみができます」
Point
紫外線による表皮ダメージ→シミ・くすみ紫外線による真皮ダメージ→シワ・たるみ
紫外線を浴び続けるとシワはどんどん増えていく?
「加齢による老化では皮膚の厚さや色が薄くなる方向に向かいますが、光老化は紫外線に対する防御反応として、皮膚は厚くごわつき、色も濃くなります。
紫外線によりシワができるほど無防備な生活を送っている人は、生活習慣を見直したり、意識を変る必要がありそうです。そのままの状態を続けるとシワはどんどん深くなり、さらには長くなる可能性があります」
浴びた紫外線をアフターケアで「なかったこと」にできる?
「保湿やインナーケアなど紫外線ダメージを緩和することはできますが、完全になかったことにはできません。いつまでも若々しくいたい、保ちたい人は過度な日焼けは避けるようにしましょう」
紫外線は3種類ある?
「紫外線にはUVA ・UVB・UVCの3種類があります。しかし、UVCはオゾン層で吸収されるため、私たちの生活する地表には到達しません。そのため、日焼け止め製品ではUVAとUVBを防ぐ機能が重要視されます」
部屋中にいても日焼けする?
「UVBは一般の住宅の窓ガラスでほとんどが遮断されます。しかし、UVAはガラスを通過するので、室内でも日焼けは起こります。どうしても焼けたくない場合は室内でも日焼け止めを塗る、肌の露出を避けるなどのUVケアをしましょう。ほかにはUVカットフィルムをガラスに貼る、UVカット加工のカーテンや遮光カーテンを利用する。窓のない部屋を活用するというのも手です」
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
日本形成外科学会専門医。帝京大学医学部卒業後、京都大学附属病院など大学病院を経て、都内美容外科クリニック院長など歴任。日本形成外科学会認定専門医の知識を活かして正しい美容医療を行う。2012年1月より現職。
■松倉クリニック代官山