美的GRAND
お悩み別ケア
2023.5.7

ニキビケアの最新解!オトナもコドモも初動を見極め、ニキビ痕を残さない|biiku

深刻な悩みの種でQOLまで下げるニキビ。炎症が長引けば、改善が難しいニキビ痕を残すことも私たちは知っています。今は、初動を間違えなければ、思春期ニキビも大人ニキビも「治せる」時代。古い常識を書き換えて、親子で正しいケアを確実に! biikuのニキビ特集第1回目(全3回)。

ニキビケアは、古い知識と思い込みのるつぼ!?

我が子がニキビに悩んでいたら、皆さんはどんなアドバイスをしますか? 実は、よかれと思って伝えた内容が「古い」ことが多いのだとか…。皮膚科専門医で、ニキビ治療に詳しい小林美和先生に、ニキビをめぐる親子のリアルを伺います。

──とあるお母さんのつぶやき
「ニキビなんてママだってできるし、騒がなくてもいつかは治る…はず…」

ニキビは、尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気です」と小林美和先生。ポツポツ出たり消えたり程度なら様子見でも、5個、6個と増えるなら、自力で乗り越えようとせず皮膚科へ。「ニキビの数が、顔の半分で5個以下は軽症、20個以下は中等症、50個以下は重症、51個以上は最重症と分類されており、軽症であっても保険診療の対象です。これは、顔全体に発症する思春期ニキビだけでなく、大人ニキビも同様年齢を問わず、痕を残さないために早期治療が肝心です」。

コメド(面ぽう)ってなあに?
白っぽい粒状の膨らみで、ニキビの初期段階である毛穴が詰まった状態。放置すれば赤ニキビ(炎症ニキビ)から黄ニキビ(化膿ニキビ)へ。現在はコメドの段階で効く薬があります。詳しくは次回!

──とあるお母さんの質問
「ビタミン剤は必須ですよね?」

かつては、ニキビができたら即、大量のビタミン剤! が常識でした。ところが、「それは数十年前の認識。現在ではビタミン不足でニキビができるという医学的根拠はないとされ、ビタミン剤の内服はマストではありません。ただし、偏食、暴飲暴食、甘いもののとりすぎには注意を」

──とあるお母さんの質問
「洗いすぎは良くないと聞くので、ぬるま湯洗顔がいいですか?」

朝のぬるま湯洗顔が合うのは皮脂量が減る30代後半以降かつ深刻な乾燥肌。「皮脂分泌が活発な思春期から30代は12回洗顔料を使って洗いたいもの」。皮膚生理が異なる子供の肌に大人のケアを当てはめるのも、流行の美容法に安易に乗るのも、トラブルの元に。

──とある息子さんの一言
「別に、気にしてないけど(…)」

“男に美容はいらない”は過去の発想。K-POPの影響もあり、今どき男子は美肌志向。「気にしすぎるのもよくありませんが、反抗期のせいか、わざと無関心を装う子も」。治療のチャンスを逃せば悪化→ニキビ痕のリスクが…! 子供の個性に合わせてコミュニケーションを。

まずはスキンケアの基本を押さえよう。 10代の洗顔&保湿、基本のキ

振り返れば、子供の頃に正しい洗顔や保湿について教えてもらった記憶は? 小林先生が“一生使える”基本を指南します。

「まずは洗顔。男子も女子も、もちろん大人も、顔を濡らす前にヘアバンドで髪を留めましょう。洗い残しを防ぐため、生え際が出るように装着し、額やこめかみ、耳の前からフェースラインの裏側までしっかり洗います。すすぐときは、生え際に残らないよう洗い流し、すすぎ残しがないか鏡で横顔もチェック。また、洗顔料をしっかり泡立てることも重要です。汚れは泡で吸着して落とすもの。泡が少ないと洗浄力が低下し、摩擦も増えて肌あれのリスクに。手と肌の間に泡のクッションを感じながらTゾーンから洗い始めます」

「保湿に関しては、年代で皮脂量が変化するため、与える内容も異なると心得ましょう10代になれば、皮脂分泌が活発に。水分リッチなお手入れに切り替えを。SNSなどで話題のバームやオイル、大人用のこってりクリームはニキビ肌には不要です。子供専用のコスメ置き場も確保したいですね」

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こばやし皮膚科クリニック

小林美和先生

 

『美的GRAND2023年 春号掲載
イラスト/きくちりえ(Softdesign) 文/片岡えり 構成/佐野有子

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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