【エラグ酸】美容効果は、実際どうなの?
コンテンツ提供:日本化粧品検定協会
概要
成分名 | エラグ酸 |
---|---|
成分の働き | チロシナーゼ活性阻害、抗酸化 |
医薬部外品としての効能効果 | 美白 |
表示名称 | 【化粧品】エラグ酸【医薬部外品】エラグ酸 |
主な配合アイテム | 【化粧品】【医薬部外品】スキンケア |
由来・歴史
主な原料の由来
植物(タラのサヤから抽出)
歴史
大手生活用品メーカーのライオン株式会社によって発見され、有効性や化粧品に配合した際の製造工程の問題解決など、実用まで約10年の歳月をかけて開発され、1996年に医薬部外品の美白有効成分として厚生労働省に承認されました。現在はライオン以外のメーカーの製品にも配合されています。
その他の成分情報
フェノール系の抗酸化物質で、ポリフェノールの一種です。
天然では、イチゴやラズベリーなどのベリー類やザクロ、リンゴ、ユーカリ、茶などにも含まれます。イチゴなどのベリー類に含まれる量はごく微量なので、化粧品原料としては、南米西部地方の砂漠地帯に生息しているマメ科の植物・タラの鞘から抽出したタラタンニンを酸化させて生成したものが使用されています。
水やエタノールにはほとんど溶けません。
効能効果・はたらき
「化粧品」に配合したときの働き
- チロシナーゼ活性阻害
- 抗酸化
チロシナーゼ活性阻害
紫外線を浴びると活性酸素が発生し、メラノサイト内ではメラニンを生成するために必要な酵素チロシナーゼが活性化します。エラグ酸は、チロシナーゼが働くために必要である銅原子を奪うことでチロシナーゼの働きを止め、メラニン生成を抑制します。チロシナーゼの働きが活性化する前に食い止めて、シミを作らせない美白成分です。
抗酸化
紫外線を浴びると、皮膚の表面に活性酸素が発生します。活性酸素は皮膚表面だけでなく、皮膚内部に対しても影響を与え、シミやしわの原因になると言われています。エラグ酸などのポリフェノールは活性酸素を消去し、無害化することで肌に対しての悪影響を防ぐことが期待できます。
「医薬品」としての効能効果
医薬品としては配合されていません。
「食品、サプリメント」に配合したときの働き
機能性表示食品の機能性関与成分であり、消費者庁に届け出た機能性を表示することができます。
「本品にはエラグ酸が含まれます。エラグ酸は肥満気味の方の体脂肪、血中中性脂肪、体重、ウエストサイズ、内臓脂肪の減少をサポートし、高めのBMI値の改善に役立つことが報告されています。肥満気味の方、BMI値が高めの方に適した商品です」などと表示されています。
注意点
特になし。
ワンポイントアドバイス
日本化粧品検定協会代表理事:小西 さやか
「美白効果として一般的な色素沈着(シミ)の抑制だけではなく、肝斑にも有効であるというデータがあります。近年、サプリメントとしての活用が注目を集めています。エラグ酸には、摂取することで抗酸化により、ガン細胞の増殖を抑える抗がん作用、血糖値を下げるインスリンの分泌阻害を抑え、糖尿病を予防する効果、ウイルスの侵入を防ぐ抗菌・抗ウイルス効果があるといわれています」
小西さやかさんの記事一覧
<引用元>
皮膚, 43(4-5), 286-291 (2001)
J Clin Aesthet Dermatol., 11(2), 28-37 (2018)
久光一誠, 化粧品成分事典, 池田書店, 2021, p.81,99
日本化粧品技術者会, 化粧品事典, 丸善出版株式会社, p.357
ライオン株式会社Webサイト(ライオンウェルネスダイレクト)
消費者庁 Webサイト(機能性表示食品の届出情報検索)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。