お悩み別ケア
2022.6.5

【毛穴Q&A】顔の毛穴はどうして目立つの? マスクをしていると毛穴が開くのはなぜ?|美のプロが解説

毛穴が見えない、何も詰まっていない…というファンタジーな自分を目指しているから悩んでしまうのかもしれません。まず「毛穴がある程度引き締まっていればヨシ」という現実的な目標に置き換えて。そこを目指すべき理由と、毛穴が目立ってしまう原因を美のプロが解説します。

ストレスへの防衛本能で皮脂が増え、毛穴が開く

目にまつげがあるのは、ホコリなどの異物が入らないよう保護するため。指に爪がついているのは、道具として使う指先を保護したり、力を入れやすくするため。このように、人の体にあるものにはほぼすべて意味があって、逆に意味がないものは人類の進化の過程でなくなっています。顔の毛穴には「皮脂を分泌して肌を守る」という大事な役割があります。

「人が自給自足の生活をしていた昔は、どんなに寒くても暑くても外に出て働く必要がありました。体は衣服で守っていますが、顔の肌は外気の影響をもろに受けてしまう。過酷な環境から肌を守る皮脂膜を作るために、顔の皮脂腺は発達し、毛穴が目立つようになったのです」とは、亀山先生の解釈。エアコン完備の現代は、外的ストレスが減った代わりに精神的ストレスが増え、生活習慣も乱れがちに。それによって肌の血流が悪くなり、バリア機能が低下します。乾燥しやすい状態の肌を守るために、皮脂分泌が活性化し、毛穴が目立つようになるのだそう。

このメカニズムを知れば、むやみに毛穴を憎く思ったり、乱暴に扱ったりできなくなりますよね。

 

Q.毛穴はなんのためにある?

A.皮膚や体を外敵から守るためにあるもの
「皮膚はバリア機能によって細菌など異物の侵入を防ぎ、潤いを保っています。このバリア機能は環境によって乱れやすいため、皮脂を分泌し、皮脂膜で守りをサポートするのが毛穴の役割です。外気温に合わせて開閉し、体温調節をする役割もあります」(近藤さん)

\毛穴は私たちを守ってくれています!/

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毛穴の役割はこのふたつ
・皮脂を分泌して肌を乾燥や外部刺激から守る
・外気温に合わせて体温調整を行う

 

Q.顔の毛穴はどうして目立つの?

A.裸の顔を守るために皮脂腺が発達し、毛穴も大きく
「顔には体の倍以上の皮脂腺があり、皮脂分泌力も高いです。理由は、顔が常に露出している部分で守る必要があるから。分泌した皮脂が角栓となって毛穴を詰まらせたり、毛穴の出口に炎症を起こして毛穴をすり鉢状にぽっかり開かせたりします」(亀山先生)

\毛穴が目立っていく過程を解説!/

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ストレスや間違ったお手入れなどで肌のバリア機能が乱れると、守る力を補おうとして、毛穴の中にある皮脂腺が皮脂を過剰に分泌。

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毛穴の中でも肌は代謝しているので、皮脂には元々古い角質が混ざっている。さらに肌表面の古い角質や汚れが皮脂と混ざる。

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詰まり毛穴
皮脂と古い角質が混ざったものが角栓となって毛穴を詰まらせ、固まると「詰まり毛穴」に。時間がたつと酸化して黒ずむことも。

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すり鉢毛穴
毛穴の詰まりを解消するために、肌が毛穴の出口に炎症を起こし、すり鉢状にえぐるように開かせることが。これが「すり鉢毛穴」。

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たるみ毛穴
詰まり毛穴やすり鉢毛穴の過程とは別に、皮脂分泌によって広がった毛穴に重力が加わると、涙形にたるむ。頬に多い毛穴。

 

Q.顔の部位別に、毛穴が目立つ原因を教えて

A.部位ごとに多い毛穴の状態と、その原因を解説します

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1.頬の内側すり鉢毛穴
毛穴の出口の皮膚が炎症を起こし、すり鉢状に削れた状態に

2.鼻・眉間詰まり毛穴
過剰な皮脂と古い角質が混ざり、毛穴を詰まらせている状態

3.たるみ毛穴
皮脂で大きくなった毛穴が重力でたるみ、楕円に広がっている状態

4.あご詰まり毛穴
過剰な皮脂と古い角質が混ざり、毛穴を詰まらせている状態

 

Q.マスクをしていると毛穴が開く…原因は?

A.マスクによる精神的&物理的ストレスで皮脂分泌が増えるため
「マスクをしながら会話をすると、こすれて肌に摩擦のストレスがかかります。また、精神的にもストレスですよね。この内外からのストレスが肌のバリア機能を乱し、それによって皮脂分泌が増えて毛穴が開くのではと、私は考えています」(亀山先生)

 

Q.毛穴が目立つ原因は生活習慣にもある?

A.ストレスなどで体に負荷がかかると、皮脂分泌が過剰になり毛穴が開きます
「肌は生活を映す鏡です。精神的ストレスや睡眠不足は肌のターンオーバーを乱すので肌が乾燥しやすくなり、それによって毛穴が目立つように。甘いものや脂っぽい食事、辛いものなどは皮脂分泌を促します」(髙瀬先生)

  • バランスの悪い食事
  • 過剰な糖質や脂質、香辛料などは皮脂腺を刺激し、皮脂分泌が活発になる。

  • 睡眠不足
  • 睡眠時に分泌される成長ホルモンが減少するので、ターンオーバーが乱れて肌が乾燥。皮脂分泌が活性化する。

  • ストレス
  • 肌に栄養が行き届かなくなってバリア機能が乱れ、ホルモンバランスの乱れも加わって皮脂分泌が過剰に。

 

美容エディター

大塚真里さん

皮膚科医

亀山孝一郎先生

皮膚科医

髙瀬聡子先生

化粧品開発者

近藤和裕さん

 

『美的』2022年7月号掲載
撮影/嶌原佑矢(人物)、松本拓也(静物) ヘア&メイク/永田紫織(Nous)スタイリスト/角田かおる(人物) モデル/松山莉奈 イラスト/イラストAC 構成/大塚真里

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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