角栓が増えてしまうNGケアがあるってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日常生活で生まれる美容や女性のライフスタイルの疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は「角栓」について。角栓が逆に増えてしまうNGケアがあるってホント? 美容皮膚科医の山屋雅美先生にお話を伺いました。
Q:角栓が増えてしまうNGケアがあるってホント?
角栓が気になるからとやっているケアやメイクが、逆に角栓をつくる原因になっていることも。やりがちだけど、やってはいけない角栓ケアやNG行動があるというのは、本当なのでしょうか。さっそく、この疑問を山屋先生に聞いてみました。
A:ホント
「角栓ケアのつもりが、逆に角栓をつくる原因になっていることはたくさんあります。スキンケアやベースメイク、ライフスタイルでも注意するべき行動があります」(山屋雅美先生・以下「」内同)
洗顔やりがちNG
「1日何回も洗顔したり、長時間の洗顔、脱脂力の強い洗顔料での洗顔による洗いすぎと落としすぎはよくありません。
洗顔は洗顔料を使用して、1日2回というのが理想的です。朝の洗顔は落としすぎを避けるために、洗顔料を使わないという人もいますが、こちらは汚れが残ってしまう原因になるため、洗顔料は使うべきです。人は寝ているだけでも、夏はもちろん、冬でもかなり汗をかいています。そして、皮脂や古い角質、ほこりなどの汚れも付着しますから、朝も洗顔料を使用して、毛穴の汚れを落としてからメイクをするのがベストです。
毛穴を引き締めるために、冷水洗顔をするという人もいますが、こちらも角栓ケアには向いていません。水温が低いと、洗い流すべき余分な皮脂や汚れも落とし切ることができませんから、洗顔は34〜36℃の体温と同じくらいか、少し高いくらいのぬるま湯がおすすめです」
Point
・洗顔は洗顔料を使用して1日2回までが理想・冷水洗顔はしない
クレンジングやりがちNG
「そして、クレンジングについても注意していただきたいケアがあります。手軽で忙しい女性には便利なものですが、拭き取りクレンジングで毎日メイクオフすることは避けていただきたいです。肌への摩擦とメイク汚れの落とし残しにより、毛穴トラブルを悪化させる可能性があります。拭き取りタイプのクレンジングは、メイクをしっかり拭き取ろうという気持ちから強めにこすってしまう場合もあるので、毎日の使用は避けましょう。
角栓対策に、朝からオイルクレンジングでケアするという話もありますが、これもNGケアです。メイクをしていない肌にオイルクレンジングを使用するというのは、落としすぎになってしまい、角質を厚く、硬くしてしまう可能性も出てきます」
Point
・拭き取りクレンジングの毎日の使用は控える・朝からオイルクレンジングは使用しない
スキンケアやりがちNG
「乾燥肌タイプの人は、化粧水による保水ケアに力を入れず、油分の多いクリームやオイルを塗っていることが多いと思います。しかし、保湿のためと思っているスキンケアも、油分が多いものを使っていると、毛穴に汚れが溜まりやすくなるので、角栓の原因になってしまいます。
ほかにも、スクラブやゴマージュなどの物理的に肌をこする角質ケア、貼って剥がすシートタイプの角栓ケアアイテム、爪やピンセットを使って角栓を抜き取るなども、角栓が気になっている人には控えていただきたいケアです」
Point
・油分の多いクリームやオイルは控える・スクラブやゴマージュなどのこする角質ケアは控える
・貼って剥がすシートタイプの角栓ケアは控える
・爪やピンセットを使って角栓を抜き取らない
ベースメイクを選ぶときのポイントは?
「毛穴を埋めるタイプのメイク下地や、崩れにくいファンデーションなどの使用は控えたほうが良いでしょう。毛穴を埋めるタイプや崩れにくいファンデーションというのは、肌への密着性に優れているものが多いため、汚れが落ちにくく、毛穴に汚れが残ってしまう可能性もあります。汚れが残ると角栓もできやすくなります」
睡眠不足も肌トラブルのもと!?
「睡眠不足になると、肌のダメージを修復する成長ホルモンの分泌が低下するため、角栓ができやすい肌状態にもなり、肌トラブルが起きやすくなります。
寝る直前までスマホを使用している人もいると思いますが、スマホから出るブルーライトは、“睡眠ホルモン”とも言われているメラトニンの分泌量を減少させます。そのため、寝る直前までスマホを使用することで、睡眠が浅くなり、眠りの質が低下します。メラトニンには新陳代謝を促し、日中浴びた紫外線のダメージを修復する働きもありますから、メラトニンの分泌を減少させることは、肌にも悪影響を及ぼすことになります」
美意識の高い人ほど肌トラブルが多い!?
「毎日、拡大鏡を使って毛穴チェックをするような美意識の高い人ほど、毛穴ケアに気を使っています。チェックするのはよいのですが、毛穴ケアをしすぎて、逆にトラブルを招いてしまう人が多いのも事実です。間違った毛穴ケアは肌トラブルの原因となる可能性もあるので、やり過ぎや間違ったケアを続けないように注意しましょう」
文/土屋美緒
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2004年に埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科にて従事。三井記念病院皮膚科、都内美容皮膚科にて勤務したのち、2011年タカミクリニックに勤務開始。2021年タカミクリニック副院長に就任。シミ、しわ、たるみなどのアンチエイジング治療だけでなく、ニキビなどの皮膚疾患まで精通し肌質改善治療まで一貫して行っている。女性ならではの視点でのアドバイスにも好評を得ている。
■美容皮膚科タカミクリニック