メイクHOW TO
2025.1.11

ゆいかれんさん「コンプレックスはあえての引き算で」舞台仕込みの“骨格美人”メイク術【宝塚歌劇OGセルフメイク】

宝塚歌劇で美を培い、退団されてなお美しさを更新し続けている元タカラジェンヌの方々。この連載では、実際に愛用しているコスメを使った、セルフメイクのテクニックに迫ります。元月組娘役のゆいかれんさんの目元と口元のメイクのこだわりは、カラーレスでもさりげないメリハリを大事にすること。「少しの違いで全然変わる」小ワザも教えてもらいました。

コンプレックスを陰影でカバーするのがゆいかれん流

現役のときからその美貌とメイクの素晴らしさに定評のあった、元宝塚歌劇団月組娘役のゆいかれんさん。前回は、私物コスメを使ったナチュラルなベースメイクの作り方をご紹介いただきました。

\ゆいさんのベースメイクはこちらでチェック!/
ゆいかれんさんの美しさに迫る!「ブルベ冬だと最近判明」ベースメイクの秘訣は…薄づき&ツヤを意識

今回は目元と口元のメイクを詳しく教えていただきます。顔の印象を決めるこれらのパーツのキーワードは「引き算」だそう。

「自分がどう見られたいかを意識して、魅力が伝わるメイクを」

元々の顔立ちが華やかなぶん、引き算のメイクを意識しているというゆいかれんさん。色を足してしまうと、「パーティにでも行くんですか?、みたいな顔になっちゃうんです(笑)」

シンプルに引き算するということでもないようで、コンプレックスをカバーしつつナチュラルな見え方になるように小ワザを効かせているのだとか。

「影に見せたいところに細かくシャドウを入れたり、目元も色を入れるのではなくて窪んで見えるよう工夫をしたり。ちょっとしたことで周りの人からは『ここ入れているね』とはわからない影が、実はすごく効果があるんです」

その陰影がもともとの骨格に見えるよう、造形を意識しながら仕込むという感じ。自己満足かもしれないけれど、どうやっているのか人にはわからないように、あくまでもちょこっと、そして自然に入れることが大事。

「たとえば私はエラが気になるのでしっかりシャドウを入れて、前から見たときに小顔に見えるようにするとか」

ひとことで小ワザといっても一朝一夕で身につくものではないはず。自分のコンプレックスを解消できるよう、メイクに対して貪欲になったのはやはりタカラヅカがきっかけだったのだとか。毎日舞台メイクをして毎日自分の顔を見て、舞台から見える自分を見ることでコンプレックスに気づき、それに対してどうアプローチするかを徐々に学んでいったそう。

舞台メイクもとてもキレイだった印象のゆいさんですが、下級生時代はメイクのアドバイスを受けることが多かったと言います。初舞台生のときから毎日上級生に教えてもらっていたのに上達しなくて、新人公演を卒業したころからやっと少しずつ上手になってきたそうです。

「初舞台のときは専科の美城れんさん、沙央くらまさん、月組では白雪さち花さん、妃純 凛さん、夏風季々さん…本当にたくさんの上級生にお世話になりました。みなさんとってもメイク上手で、惜しみなく教えてくださり、その影響は本当に大きかったと思います。

『目が小さいからアイラインを太く描いて大きく見せよう』などコンプレックスを足し算でカバーしていましたが、それをやめて引き算を覚えたのが退団する2年前あたり。舞台でもその方が目鼻立ちがはっきりと見えると気づき、普段のメイクにも取り入れるようになりました」

今はどこでメイクのトレンドや情報を仕入れているのか聞いてみました。

「SNSを見ることもありますが、なによりも“自分の顔と対話する”ことを大事にしています。『コンプレックスはどこですか?』『どう見られたいですか?』と。たとえば眉ひとつで大きく印象は変わるから、会う人にどんな印象を持ってもらいたいかで小ワザを変えたりしています」

自分のいちばん外側を作っているのがメイク。自己満足で終わることなく、出会う人にも魅力的に映るメイクをこれからも目指したいと語るゆいさん。

今回は、顔立ちを印象づける目元と口元のメイク術を披露していただきました。

\ゆいさんのベースメイクはこちらでチェック!/
ゆいかれんさんの美しさに迫る!「ブルベ冬だと最近判明」ベースメイクの秘訣は…薄づき&ツヤを意識

アイメイクの愛用品はこちら!

1.リリミュウ シアーマットシェーディング 02
「シェーディングとアイシャドウ兼用です。アイシャドウを上手に使いこなせなくて、ナチュラルに目を窪ませるためにシェーディングを使ってみたら、意外といいじゃん!、と。以前はM・A・Cのシャドウシェーディングを使っていたのですが、けっこう濃いめの色だったんです。ナチュラルな色味のコンパクトなものを探し、これに行きつきました」

2.竹宝堂 アイシャドーブラシ Z-5
「柔らかいけどコシのある絶妙なブラシ。目のくぼみに合わせやすいです」

3.キャンメイク クリーミータッチライナー 03
「アイライナーはいつもキャンメイクです。プチプラで、泣いても落ちることなくて、本当に優秀」

4.デジャヴュ ラスティンファインE リキッド(ショート) ミディアムブラウン
「細くてコシもあるので、描きやすいです。こちらも落ちない。やっぱり落ちないことは大事ですね」

5.ミルクタッチ オールデイロングアンドカールマスカラ ダークトープ
「これ、メイクさんも持っていました。見た目がかわいくて最初はパケ買いだったのですが、使ってみたらちゃんと長さが出てすごくいいです。

もともとまつ毛がしっかりあるタイプなので、ボリュームを出すものより長く繊細についてくれるものが好き。まつ毛の量が少ない人には少し物足りないかもしれませんが、長さを出したい人にはおすすめです。ダマにもならないですよ」

アイメイクのポイント How to

アイシャドウをシェーディングで!? カラーレスだけど陰影をしっかりつける

「色を重ねるのではなく、シェーディングをアイシャドウ代わりに使い、影をつけてくぼんんで見せるのが私のアイメイクです。シェーディングはノンパールだから自然に仕上がるのも好き。

11を、指でアイホール全体に広げます。22を二重幅よりやや広めに、左を二重幅に入れます。同じ色をアイブロウで使うM・A・C 208で、二重線の黒目の上と目尻だけに違和感がない程度のラインを入れるだけで、目を開けたときにクッと影ができてシャープさが加わります。

ついでにこの3でシェーディングも行います。大きめのブラシでフェースラインと顎下、さらに2を使って目頭と鼻の付け根の間のくぼみ・鼻中央横のくぼみ・鼻先横のくぼみ・鼻下のくぼみ・下唇の下のくぼみに入れます。

鼻の影はつなげて入れず、分割して入れるのがコツ。いかにも『影をつけました』という感じが出ずに自然に仕上がるんです」

「涙袋はあるほうなので、そこにアイブロウで使うルナソル スタイリングアイゾーンコンパクト 011を軽く重ねます。ふたたびM・A・C 208を使い、先ほどのルナソル2で、涙袋の下の目尻側だけにほんのりガイドをつけて立体感を出します。

 インラインは、3で黒目の上だけに入れます。4を使い、黒目上のインラインの上に重ね、目尻には垂れ気味のラインをちょっと、目頭内側にもちょこっと。ほしい部分だけラインを描くことで、抜け感のある目元にします。

最後に5を上下のまつげに根元から塗り、ぱっちりしたまつ毛に」

アイブロウコスメの愛用品はこちら!

1.ルナソル スタイリングアイゾーンコンパクト 01
「ルナソルのパウダー系、とても好きです。ふわっと乗せやすくて絶妙な色味。母がよくルナソルのアイテムを使っていて、影響されました。真ん中の色がもうないですね(笑)」

2.M・A・C 208
「コシのある硬めの毛です。毛先が斜めになっているので、細かな眉のラインが描きやすい」

3.セザンヌ化粧品 超細芯アイブロウ 03
「繊細な眉毛の11本が描ける細筆。こちらも母が使っていたのをマネしました」

4.ピコモンテ DE アイブロウマスカラ 03
「アッシュ系のアイブロウで色変します。ブラウンすぎる眉色があまり好きではなく、色で選びました」

アイブロウのポイント How to

自眉を生かして整え、色をアッシュ系にチェンジ

「ちゃんと眉毛があるタイプなので、大きく描き足したり形を変えることなくしっかり見せられるのは助かっています。

まず112に取り、なんとなくの眉の形を作ります」

「そして困り顔をして眉が平行になる位置に眉山を決め、12で左右平行になるように眉山を描きます。

繊細なラインが描ける3を使い、毛が足りない部分を11本描き足したら、4で毛流れを整えながら色変。落ち着いたアッシュカラーの自然な眉ができ上がります」

\ゆいさんのベースメイクはこちらでチェック!/
ゆいかれんさんの美しさに迫る!「ブルベ冬だと最近判明」ベースメイクの秘訣は…薄づき&ツヤを意識

リップメイクの愛用品はこちら!

1.イヴ・サンローラン ボーテ ラブシャイン キャンディ グロウ バーム 7B
「キャップに星座と名前を入れていただいたスペシャルなものを、ファンの方からいただきました。愛が散りばめられているリップ、愛用しています。

見た目は赤なんですけど、塗ると超シアー。私はもともと唇の色があるため、真っ赤なリキッドを塗るとかなり主張しちゃうんです。透け感のある赤はナチュラルに仕上がって、お気に入りです」

2.シャネル グロス ヴォリューム(生産終了)
「色味のない透明なグロスが好きです。これはラメが控えめなので、キラキラよりプルプルになる感じ。ディオールのマキシマイザーはスッとしますがこちらはそれがないので、スースー感が苦手な人はいいかもしれません。

シャネルのリップは自分的ヒットが多いです。舞台で使うリップもシャネルは多かったかもしれません。シャネルは自然に仕上がるものが多いので、舞台でギラギラにしたいときはM・A・Cやディオールを使っていました。アメリカでしか売っていないグロスを取り寄せていて、それはもうブルブルになります。普段使いはできないんですけどね(笑)」

リップメイクのポイント How to

最近はシアーなプルプル感を重視!

「こっくり見えるけれどつけると透け色になる1を直塗りし、上下の唇を合わせてンマンマしてから一度ティッシュオフします」

「上から2を重ね、指でなじませます。リップをのせたラインがくっきり出てしまうのを避けるため、とくに唇のアウトラインは丁寧にトントンして完成です」

\おまけ♡/

頭皮とボディの愛用品は?

1.ラブクロム PGスカルプカッサ プレミアムブラック
「これもいただきもので、毎朝の頭皮マッサージの必需品。ファンのみなさま、いつも使えるアイテムをプレゼントしてくださり、本当にありがとうございます!

朝はこれを使った頭皮ケアから始まります。頭皮のむくみを取りたいから、波型のカッサで耳裏から頭皮全体、顔周り、首、うなじ、胸鎖乳突筋と、上から下に流します。

現役中から毎朝行うケアで、これをやらないと耐えられない! 日中、疲れたときにも効きます」

2.ニュクス プロディジュー ゴールド オイル
「ゴールドパール入りのサラッとしたオイルで、フェミニンな香りです。

大きいサイズを持っていてお風呂上がりにいつもつけていたのですが、朝に使ってもいいかも?と思って試したところ、いい香りだし肌がキラッとして手放せなくなりました。

薄着になる夏は、鎖骨やデコルテ、腕につけると華やかになります。ボディだけでなく髪にも使えるので、ミニサイズを持ち歩いて乾燥が気になるときになじませます」

リップの色はその日の気分や、会う人によって変える。メイクをしてからそれに合う洋服のコーディネイトを考える…などおしゃれの中心にあるのは必ずメイク。この冬は、今までちょっと遠ざけていた薄めの色を巧みに使ってみたいそう。

「冬ってどうしてもこっくりした色を使いがちだけど、あえて薄色のシアーなアイテムを使ってツヤを際立てたメイクに挑戦してみたいです。自分はイエベだと思っていたから、濃いめのオレンジやディープなカラーを使うことが多かったのですが、最近は色味を抑えて質感で魅せるのがかわいいなと思って。メイク、大好きです!」

ゆいかれん
9月6日生まれ、愛知県出身。旧芸名は結愛かれん。2015年に宝塚歌劇団に101期生として入団。月組大劇場公演『1789 -バスティーユの恋人たち-』で初舞台を踏み、月組へ配属。2017年『All for One』で新人公演初ヒロインを演じる。2023年『応天の門/Deep Sea -海神たちのカルナバル-』で退団。現在はドラマを中心に活動中。2024年8月にオープンしたアートカフェ「anonymous」も話題に!
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パンツ/スタイリスト私物

撮影/風香 ヘア&メイク/加藤志穂(PEACE MONKEY) スタイリング/槇 佳菜絵 構成・文/淡路裕子

※こちらで紹介したコスメはゆいさんの私物です。ブランドへのお問い合わせはお控えください。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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