デリケートゾーンの色、臭い、形、膣の締まりが気になる!【女医に訊く#140】
他人と比較できないからこそ気になるデリケートゾーンの色や臭いや形。パートナーの何気ないひと言から、ひょっとして黒ずんでいるのかも…ほかの人より膣の締まりが悪いのかも…など、気になってしまった方も多いのではないでしょうか? 産婦人科医の宋美玄先生にお話をうかがいました。
デリケートゾーンの黒ずみが気になったら美白するべき?
「世の中には未だにエッチをし過ぎるとデリケートゾーンが黒くなると思っている人がいるようですが、そんなことはありません。肌の色が人それぞれなように、小陰唇などがもともと黒い人というのはいるのです」と語るのは、産婦人科医の宋美玄先生。
宋先生によると、思春期になると女性ホルモンが大量に分泌されるため、デリケートゾーンは黒くなりやすいのだそう。
「女性ホルモンは妊娠中にもたくさん分泌されるため、妊婦さんは乳首やわきの下も黒くなります。逆に、おばあさんになると性ホルモンが出なくなるため、薄くなってピンク色になるんですよ。若くてホルモンがいっぱい出ているときは黒ずむから、美白を気にしなくてよいと思います」(宋先生)
デリケートゾーンは専用の洗浄料で洗うべき?
デリケートゾーンのお手入れ、どうしていますか? ボディソープでそのまま洗ってはいけないのでしょうか?
「基本的にデリケートゾーンは、専用の洗浄料を使って手で洗った方がいいと思います。普通のボディソープで洗っても問題ない人はいいのですが、かゆい、ヒリヒリするなどの症状があるときは、専用のもので洗うことをおすすめします」と宋先生。
膣のなかには膣をキレイにするための乳酸菌がいるため、洗うとき膣に指を入れるのはNG。強い水圧で中まで洗い流してしまうようなビデも、常在菌のバランスを崩してしまうため使わない方がいいそう。
「ビデを使うなら、ワイドビデなど表面を洗うようなものがおすすめです。基本的にデリケートゾーンが無臭の人はいません。ガードネレラ菌という細菌が繁殖して腟が炎症を起こしていると、痛みやかゆみが出るほか、おりものが増えて嫌な臭いになることもありますので、その場合は病院で治療すればいいと思います」(宋先生)
わたしの女性器の形って変? 膣の締りが緩い?
「女性器の形や大きさも、例えば小陰唇が大きくて自転車に乗ると必ず引っ張られて痛い、とかでしたら整える手術などもありますが、基本的には”これは医学的に異常だ”みたいな人はまずいません」と宋先生。
膣に関しても、出産や加齢による女性ホルモンの減少で緩むことはあるものの、20代〜30代で、まだ子供も産んでいないのに緩いということはまずないそう。
「セックスのときに女性側がオーガズムに達すると、膣が痙攣してギュッギュッとペニスを締め付けるように締まるんですよ。ですから膣の緩みを相手に指摘された場合、女性側が充分に快感を得られていない可能性が高いと思います」(宋先生)
宋先生によると、強すぎるグリップなど、不適切なマスターベーションのため女性の膣ではイクことができない膣内射精障害のある男性もいるそう。
「美容皮膚科で受けられるような膣レーザー療法などは、若くて出産経験のない女性には、費用に見合った効果は得られる可能性低いと思います。パートナーに緩みを指摘されたのなら、一度きちんと話し合ってみましょう」(宋先生)
経産婦は膣トレをした方がいい?
骨盤底筋を鍛えて膣の締まりをよくするというヨガや膣トレ。出産経験者や更年期を過ぎた女性は積極的に取り組んだ方がいいのでしょうか?
「大切なのはトレーニングよりもダメージを与えない生活。例えば、慢性的に咳をしている人などは、骨盤底筋にダメージがかかっているんですよね。要は腹圧。おなかを折るような腹筋などは腹圧がかかるため、女性は絶対にしない方がいいと思います」(宋先生)
例えば、便秘がちで硬い便を気張って出しているような人は、排便の姿勢を見直したり、便を軟らかくする薬を飲んだりするなど改善して。悪い姿勢も腹圧がかかりますから、なるべく背骨を真っ直ぐにして腹式呼吸がしやすい姿勢をとるように心がけましょう。
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丸の内の森レディースクリニック院長。医学博士。性科学者。2001年、大阪大学医学部医学科卒業後、同附属病院勤務医、りんくう総合医療センター勤務医、川崎医科大学講師などを経て、2009年、ロンドンのFetal Medicine Foundationへ留学し胎児超音波を学ぶ。2015年、川崎医科大学医学研究科博士課程卒業。2017年、丸の内の森レディースクリニック開院。『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)、『産婦人科医宋美玄先生が娘に伝えたい性の話』(小学館)など著書多数。